1
00:00:03,586 --> 00:00:05,672
ホホジロザメは——

2
00:00:06,506 --> 00:00:09,092
恐ろしくも魅力的です

3
00:00:09,592 --> 00:00:14,472
しかし その正体は
見た目どおりでしょうか？

4
00:00:15,807 --> 00:00:16,850
その謎に——

5
00:00:18,476 --> 00:00:20,812
仮説を立てた科学者たち

6
00:00:22,647 --> 00:00:24,024
いい実験になる

7
00:00:24,274 --> 00:00:25,275
サメだ

8
00:00:25,400 --> 00:00:28,486
前代未聞の調査を通じて…

9
00:00:31,281 --> 00:00:33,533
捕食動物の謎に迫ります

10
00:00:35,076 --> 00:00:36,828
すごいぞ

11
00:00:37,495 --> 00:00:39,456
サメは擬態により——

12
00:00:40,248 --> 00:00:44,044
最強捕食者の座を
得ているのでしょうか

13
00:00:50,842 --> 00:00:54,387
ホホジロザメは
300本もの歯を持ち

14
00:00:55,555 --> 00:01:00,185
最大で体長６メートル
体重２トンにまで成長

15
00:01:03,897 --> 00:01:08,026
泳ぐ速度は
時速30キロ以上に達します

16
00:01:09,903 --> 00:01:13,448
ホホジロサメは
完璧な捕食動物として——

17
00:01:14,741 --> 00:01:17,160
数千年前から君臨しています

18
00:01:21,748 --> 00:01:23,917
南アフリカのモーセル湾には

19
00:01:24,542 --> 00:01:28,129
ホホジロザメが　　
多数生息しています

20
00:01:29,089 --> 00:01:30,131
この湾では——

21
00:01:30,632 --> 00:01:35,678
毎日 50匹程度の
ホホジロザメが見られますよ

22
00:01:37,305 --> 00:01:38,681
私はライアン･ジョンソン

23
00:01:38,807 --> 00:01:41,518
サメ専門の生物学者です

24
00:01:39,432 --> 00:01:41,518
サメ専門 生物学者
ライアン･ジョンソン

25
00:01:41,643 --> 00:01:42,602
２匹いる

26
00:01:42,727 --> 00:01:46,773
僕は遺伝学者の
ギブス･クグルーです

27
00:01:44,104 --> 00:01:45,939
サメ専門 遺伝学者
ギブス･クグルー

28
00:01:46,898 --> 00:01:51,986
ホホジロザメについての
定説を覆す仮説を——

29
00:01:52,195 --> 00:01:54,531
彼らが提唱しました

30
00:01:54,656 --> 00:01:58,743
ホホジロザメと言えば
多くの科学者が——

31
00:01:58,868 --> 00:02:03,081
その身体能力に
注目してきました

32
00:02:03,873 --> 00:02:07,752
でも もっと繊細な面が
ありそうです

33
00:02:07,877 --> 00:02:11,172
そこで我々が考えたのは

34
00:02:11,297 --> 00:02:16,678
サメが皮膚の色を
操っているという仮説です

35
00:02:17,637 --> 00:02:20,515
擬態は海でよく使われます

36
00:02:21,057 --> 00:02:27,147
タコやイカなどは一瞬で　　
色を変えることで知られます

37
00:02:27,397 --> 00:02:29,107
周囲に溶け込めば——

38
00:02:29,524 --> 00:02:33,570
獲物の捕獲や　　　　　　　
身を守ることに役立つのです

39
00:02:34,821 --> 00:02:40,535
海洋生物は高度な技を用いて
環境に紛れ込みますが

40
00:02:40,952 --> 00:02:43,288
サメは違います

41
00:02:43,788 --> 00:02:48,626
ホホジロザメは　　　　
体の背中側の色が灰色で

42
00:02:49,043 --> 00:02:51,087
お腹が白色です

43
00:02:51,671 --> 00:02:54,507
カウンター　　　　　　　　
シェーディングという配色で

44
00:02:54,632 --> 00:02:57,969
上下から見た時　
背景になじみます

45
00:03:04,017 --> 00:03:09,272
ただ自発的に擬態する能力は
確認されていません

46
00:03:09,397 --> 00:03:13,651
ホホジロザメの変色が
実証されたら——

47
00:03:13,818 --> 00:03:15,069
大発見です

48
00:03:15,195 --> 00:03:19,115
小型のサメについての
研究はありますが——

49
00:03:19,324 --> 00:03:23,077
ホホジロザメの調査は
行われていません

50
00:03:23,203 --> 00:03:27,373
どう猛なことで
有名なサメですから

51
00:03:27,540 --> 00:03:30,585
一筋縄ではいきませんよ

52
00:03:31,461 --> 00:03:33,796
仮説を証明すべく——

53
00:03:34,130 --> 00:03:38,927
ライアンとギブスが　　　
特別な調査に乗り出します

54
00:03:41,387 --> 00:03:46,643
サメが色を変えるという話は
漁師から よく聞きます

55
00:03:46,768 --> 00:03:50,730
実は それを
裏づけるような資料も——

56
00:03:50,855 --> 00:03:53,399
残っているんですよ

57
00:03:53,775 --> 00:03:58,821
ホホジロザメは　　　　　　
沿岸の水の冷たい海域に住み

58
00:03:58,947 --> 00:04:02,700
南アフリカでは　　　　
頻繁に確認されています

59
00:04:03,034 --> 00:04:05,787
研究仲間にもらった写真だ

60
00:04:05,912 --> 00:04:09,749
南アフリカのサメを
網羅するデータベースだ

61
00:04:09,874 --> 00:04:12,335
ヒレで分類してある

62
00:04:12,460 --> 00:04:16,297
数千匹分のデータが
まとめられています

63
00:04:17,257 --> 00:04:19,676
すごく懐かしいね

64
00:04:19,801 --> 00:04:21,135
君の写真も？

65
00:04:21,261 --> 00:04:24,639
傷や背ビレの形などから

66
00:04:25,056 --> 00:04:29,769
サメを特定できれば
色の比較も可能です

67
00:04:30,103 --> 00:04:33,314
このヒレは色が薄いよね

68
00:04:33,523 --> 00:04:35,191
差は歴然だ

69
00:04:35,441 --> 00:04:37,318
ただ証拠にはなりません

70
00:04:37,443 --> 00:04:39,529
同じサメのものだ

71
00:04:39,654 --> 00:04:46,494
サメが自ら体の色を変えたか
写真だけでは判断できません

72
00:04:46,661 --> 00:04:52,667
基準となる色が分からず
濃淡を比較できないからです

73
00:04:53,209 --> 00:04:57,005
照明 天候
カメラの設定などで

74
00:04:57,130 --> 00:05:00,216
色の濃淡が変化します

75
00:05:00,341 --> 00:05:05,263
サメが色を変えていると
証明するためには

76
00:05:05,555 --> 00:05:07,598
基準が必要になる

77
00:05:07,807 --> 00:05:09,600
色見本を作ろう

78
00:05:13,271 --> 00:05:17,317
灰色のグラデーションで
構成された色見本は

79
00:05:17,442 --> 00:05:20,820
色の変化を調べるための
指標です

80
00:05:20,945 --> 00:05:26,117
野生のサメの色を
正確に記録するのは無理だ

81
00:05:26,242 --> 00:05:31,581
でも色見本とサメを一緒に
写真に収めれば

82
00:05:31,706 --> 00:05:37,670
パソコンで補正が可能になり
実際の色を確認できる

83
00:05:37,795 --> 00:05:43,301
またサメが色を変える理由も
同時に調査します

84
00:05:43,426 --> 00:05:46,763
飼育下のサメを用いた研究で

85
00:05:46,888 --> 00:05:50,808
ホルモンの影響による
変色が起きたそうです

86
00:05:51,100 --> 00:05:57,023
今回はホホジロザメが
色を変えることを証明しつつ

87
00:05:57,273 --> 00:06:00,777
行動との関係性を
突き止めます

88
00:06:01,486 --> 00:06:05,907
構造は単純だけど
天才的なアイデアだ

89
00:06:06,032 --> 00:06:11,037
色の変化を捉えるための
最適な解決策だよ

90
00:06:11,162 --> 00:06:14,624
“天才〟と言われたのは
初めてだ

91
00:06:15,500 --> 00:06:19,837
次は様々な状況で
色見本をサメと一緒に——

92
00:06:20,046 --> 00:06:22,131
撮影していきます

93
00:06:22,256 --> 00:06:24,300
少し工夫が必要ですね

94
00:06:28,012 --> 00:06:28,638
できる？

95
00:06:29,013 --> 00:06:30,014
任せてくれ

96
00:06:30,556 --> 00:06:31,557
始めよう

97
00:06:31,891 --> 00:06:32,934
気をつけて

98
00:06:33,101 --> 00:06:33,893
緩めるな

99
00:06:36,312 --> 00:06:37,271
いいぞ

100
00:06:40,608 --> 00:06:42,276
これは楽しみだ

101
00:06:42,652 --> 00:06:46,781
サメが跳ねる様子を
撮影する実験です

102
00:06:53,788 --> 00:06:56,582
サメが跳ねるのは
奇襲の時です

103
00:06:56,707 --> 00:06:59,335
静かに近づき
一気に襲います

104
00:07:02,338 --> 00:07:05,591
狩りモードのホホジロザメの

105
00:07:05,716 --> 00:07:09,554
皮膚の色を確認するのが
目的です

106
00:07:11,973 --> 00:07:16,310
モーセル湾にある　　
オットセイの集まる島

107
00:07:17,728 --> 00:07:21,357
ホホジロザメが
集結する場所です

108
00:07:28,823 --> 00:07:33,744
毎日 オットセイたちは
命懸けで泳ぎます

109
00:07:36,789 --> 00:07:39,208
ホホジロザメをかわすのです

110
00:07:39,333 --> 00:07:44,547
ここでの狩りの成功率は
ほぼ５割にも及びます

111
00:07:44,672 --> 00:07:47,133
驚くべき数字ですよ

112
00:07:48,092 --> 00:07:52,847
サメの狩り場は
大抵 決まっています

113
00:07:52,972 --> 00:07:58,936
オットセイが島の出入りに
使う地点の すぐ下です

114
00:08:00,813 --> 00:08:04,192
２人は　　　　　　　　
オットセイの模型を使い

115
00:08:04,317 --> 00:08:07,487
跳ねる瞬間の撮影を試みます

116
00:08:09,405 --> 00:08:15,119
水面から飛び出したサメと
色見本を一緒に撮り

117
00:08:15,244 --> 00:08:18,289
皮膚の色を確認します

118
00:08:22,376 --> 00:08:24,170
静かな朝ですが——

119
00:08:24,754 --> 00:08:28,132
狩りの様子は　　
各所で見られます

120
00:08:29,300 --> 00:08:30,676
食いついた！

121
00:08:31,802 --> 00:08:33,638
そこで捕まえてる

122
00:08:35,890 --> 00:08:37,225
追ってるぞ

123
00:08:41,103 --> 00:08:41,771
すごい

124
00:08:41,896 --> 00:08:43,356
オットセイだ

125
00:08:43,481 --> 00:08:45,691
船を使って隠れてる

126
00:08:45,816 --> 00:08:48,986
オットセイは
何とか逃げましたが

127
00:08:49,362 --> 00:08:52,240
おびえて隠れてますね

128
00:08:52,990 --> 00:08:56,744
ここでサメが　　　　　
オットセイの模型を発見

129
00:08:59,080 --> 00:09:00,623
すごい！

130
00:09:02,291 --> 00:09:04,335
しっかり撮れた

131
00:09:04,460 --> 00:09:05,628
やったな

132
00:09:08,798 --> 00:09:13,010
サメと色見本が　　　　　　
同じフレームに収まりました

133
00:09:13,636 --> 00:09:17,056
記念すべき最初の１枚です

134
00:09:17,223 --> 00:09:21,769
サメが跳ねる姿を見ると
鳥肌が立ちます

135
00:09:22,812 --> 00:09:24,981
感情が高ぶりますね

136
00:09:25,690 --> 00:09:27,900
ここでは常にサメが…

137
00:09:29,569 --> 00:09:31,195
また跳んだ！

138
00:09:31,404 --> 00:09:32,947
獲物を狙っています

139
00:09:34,699 --> 00:09:35,616
１日中…

140
00:09:37,410 --> 00:09:37,994
ずっと——

141
00:09:39,870 --> 00:09:40,538
続きます

142
00:09:40,663 --> 00:09:41,581
狙ったな

143
00:09:49,088 --> 00:09:52,091
日が暮れてきたので——

144
00:09:52,842 --> 00:09:55,803
最後の撮影を試みます

145
00:09:56,762 --> 00:09:58,723
あの場所を狙おう

146
00:10:06,230 --> 00:10:08,441
色見本と模型がやられた

147
00:10:08,566 --> 00:10:09,442
参ったな

148
00:10:09,900 --> 00:10:12,236
暗くて ぶつかったんだ

149
00:10:12,361 --> 00:10:13,571
また来たぞ

150
00:10:25,499 --> 00:10:28,169
狩りは夕暮れも続きます

151
00:10:28,753 --> 00:10:32,673
しかし暗闇では　
目測を誤ることも

152
00:10:33,049 --> 00:10:33,924
やられた

153
00:10:36,052 --> 00:10:38,679
これじゃ浮かない

154
00:10:39,096 --> 00:10:42,767
撮影用の装置は
修理が必要です

155
00:10:46,604 --> 00:10:49,982
しかしデータは集まりました

156
00:10:50,107 --> 00:10:52,777
色見本と比べてみると——

157
00:10:53,194 --> 00:10:55,196
かなり色が濃いよな

158
00:10:55,446 --> 00:10:58,658
科学的検証には
時間を要します

159
00:10:59,241 --> 00:11:00,576
いいぞ

160
00:11:00,785 --> 00:11:06,248
これまでの常識を覆そうと
思えば なおさらです

161
00:11:06,415 --> 00:11:08,209
貴重なデータだ

162
00:11:08,751 --> 00:11:11,921
しかし写真だけでは
不十分です

163
00:11:13,005 --> 00:11:15,466
サメの行動だけでなく

164
00:11:15,591 --> 00:11:19,970
細胞の部分の調査も
欠かせません

165
00:11:18,094 --> 00:11:20,179
南アフリカ　ダーバン

166
00:11:20,638 --> 00:11:23,015
オスだ　子供だね

167
00:11:24,141 --> 00:11:28,604
２人が貴重な調査の機会に
恵まれました

168
00:11:29,438 --> 00:11:32,775
こうして実物に
触れるチャンスは

169
00:11:32,900 --> 00:11:36,362
本当に まれなことなんです

170
00:11:36,487 --> 00:11:37,321
僕は初めて

171
00:11:37,571 --> 00:11:41,200
不運にも
漁の網にかかったサメを

172
00:11:41,826 --> 00:11:46,163
ディッケン博士が
研究に活用しています

173
00:11:42,410 --> 00:11:46,163
サメ被害対策機関
マット･
ディッケン博士

174
00:11:46,288 --> 00:11:50,084
サメに対する
見識を深めるために

175
00:11:50,209 --> 00:11:53,587
試料の収集に
日々 励んでいる

176
00:11:53,713 --> 00:11:58,509
皮膚が変色する仕組みを
突き止めるべく——

177
00:11:58,884 --> 00:12:01,095
胃を解剖します

178
00:12:02,263 --> 00:12:08,227
ホホジロザメの食料は　　　
季節や成長具合で変わります

179
00:12:09,770 --> 00:12:12,648
獲物の種類や捕獲場所が——

180
00:12:13,482 --> 00:12:16,777
擬態に関わるかもしれません

181
00:12:17,319 --> 00:12:18,195
硬いな

182
00:12:18,696 --> 00:12:22,867
海面近く 海中 海底と
あらゆる場所で

183
00:12:22,992 --> 00:12:26,287
食料を得ているはずです

184
00:12:26,662 --> 00:12:31,625
地道な調査で
実際の内容を明らかにします

185
00:12:32,001 --> 00:12:32,543
これを？

186
00:12:32,668 --> 00:12:33,669
何だい？

187
00:12:33,794 --> 00:12:34,712
エイのトゲ

188
00:12:34,837 --> 00:12:35,588
本当に？

189
00:12:35,713 --> 00:12:38,299
これはホホジロザメが

190
00:12:38,424 --> 00:12:43,679
海底付近で狩りをすることの
証拠になるかも

191
00:12:43,804 --> 00:12:44,847
確かに

192
00:12:45,598 --> 00:12:46,932
すごいや

193
00:12:47,224 --> 00:12:51,020
小さな残留物でも　
大きな手がかりです

194
00:12:51,395 --> 00:12:58,152
擬態ができれば異なる環境で
狩りをする際に便利でしょう

195
00:12:58,861 --> 00:13:03,073
明るい水面にも　　　　
暗い海底にも適応します

196
00:13:05,576 --> 00:13:07,536
大きな収穫です

197
00:13:07,661 --> 00:13:13,083
エイのトゲはホホジロザメの
行動範囲の広さを示します

198
00:13:13,834 --> 00:13:15,419
次々 出てくる

199
00:13:15,669 --> 00:13:21,675
ただ変色の可能性を示すには
さらなる調査が必要です

200
00:13:21,801 --> 00:13:24,762
僕はサメの皮膚を研究し

201
00:13:24,887 --> 00:13:29,183
適応方法の違いによる
変化を調べています

202
00:13:30,684 --> 00:13:35,147
その適応の１つが
今回 取り上げた変色です

203
00:13:35,689 --> 00:13:40,694
それが起こり得ることなのか
実験で調べてみます

204
00:13:40,945 --> 00:13:45,074
皮膚の変色において　
鍵を握るとされるのが

205
00:13:45,199 --> 00:13:48,869
メラニン細胞と呼ばれる
細胞です

206
00:13:48,994 --> 00:13:54,625
メラニン細胞は皮膚で
色素を作る働きをします

207
00:13:54,875 --> 00:14:00,673
皮膚の底の部分で
状況に応じて指令を出す——

208
00:14:01,257 --> 00:14:03,467
回路のようなものです

209
00:14:03,759 --> 00:14:07,263
日光によって
刺激を受けると

210
00:14:07,930 --> 00:14:11,141
回路は
黒くなるよう命じます

211
00:14:11,642 --> 00:14:14,812
日光に当たる時間が
短い場合は

212
00:14:14,937 --> 00:14:20,150
色素が減少していき
色が薄くなるわけです

213
00:14:20,818 --> 00:14:26,407
メラニン細胞の存在と　　　
その活動具合を調べるために

214
00:14:27,116 --> 00:14:30,661
ライアンたちが
実験を行います

215
00:14:30,953 --> 00:14:34,707
サメの皮膚から
採取した組織を

216
00:14:34,832 --> 00:14:41,589
数種類のホルモン溶液に漬け
色が変化するか確かめます

217
00:14:41,922 --> 00:14:46,051
それぞれのホルモンが
組織に作用し

218
00:14:46,176 --> 00:14:48,721
濃淡に差が出るはずです

219
00:14:49,346 --> 00:14:52,057
実験に使用するホルモンは

220
00:14:52,182 --> 00:14:57,605
狩りや休息などの行動に　
応じて分泌されるものです

221
00:14:57,813 --> 00:15:01,650
各ホルモンが起こす変化を
予測しました

222
00:15:01,775 --> 00:15:07,072
１つ目のＭＳＨは
メラニン細胞を刺激します

223
00:15:07,197 --> 00:15:13,245
メラニンを持つ動物には
必ず存在するホルモンです

224
00:15:13,370 --> 00:15:20,085
２つ目のアドレナリンでは
色が薄くなるサメもいますが

225
00:15:20,210 --> 00:15:22,671
ある魚は色が濃くなります

226
00:15:22,796 --> 00:15:25,591
最後のメラトニンでは——

227
00:15:26,175 --> 00:15:29,345
色が薄くなると
予想しています

228
00:15:29,803 --> 00:15:34,183
実験が成功なら　　　　　
皮膚の色が変わるはずです

229
00:15:34,475 --> 00:15:36,185
審判の時です

230
00:15:36,936 --> 00:15:39,730
どんな変化があるでしょうか

231
00:15:42,066 --> 00:15:42,650
いい？

232
00:15:42,775 --> 00:15:43,525
ああ

233
00:15:46,070 --> 00:15:48,989
色の変化は見られません

234
00:15:49,114 --> 00:15:52,743
皮膚が反応していないようだ

235
00:15:53,702 --> 00:15:54,912
変化なしだね

236
00:15:55,955 --> 00:15:58,874
死んだサメの皮膚なので

237
00:15:58,999 --> 00:16:03,420
組織も活動を
停止しているのでしょう

238
00:16:03,754 --> 00:16:08,509
生化学的な経路が
完全に閉じているわけです

239
00:16:08,968 --> 00:16:13,555
初めて行う実験ですし
科学に失敗は付き物です

240
00:16:13,681 --> 00:16:17,017
別の方法を
考えるしかないですね

241
00:16:21,021 --> 00:16:24,441
サメの皮膚は
大抵 灰色か茶色ですが

242
00:16:25,067 --> 00:16:30,698
トラやシマウマに似た模様を
持つものもいます

243
00:16:31,824 --> 00:16:33,993
南アフリカのフォルス湾

244
00:16:34,201 --> 00:16:39,331
変色と同様に意外な適応を
見せるサメがいるそうです

245
00:16:40,749 --> 00:16:42,418
その方法とは？

246
00:16:42,918 --> 00:16:46,213
モヨウウチキトラザメは
臆病で——

247
00:16:46,338 --> 00:16:50,926
岩や海藻の間などに
隠れて過ごすサメです

248
00:16:51,051 --> 00:16:54,096
ホホジロザメとは大違い

249
00:16:54,263 --> 00:16:58,267
そして最近
モヨウウチキトラザメに

250
00:16:58,392 --> 00:17:03,689
暗闇で光を放つ習性があると
分かったのです

251
00:17:04,231 --> 00:17:08,485
光を放つ目的は　　
定かではありません

252
00:17:09,319 --> 00:17:13,115
体の模様を生かし
岩礁に紛れています

253
00:17:14,825 --> 00:17:17,703
隠れる方法があるのに

254
00:17:17,953 --> 00:17:21,206
体を光らせるなんて
不思議です

255
00:17:22,041 --> 00:17:26,545
２人は特殊なカメラと
紫外線ライトを使い

256
00:17:26,670 --> 00:17:29,131
光るサメを観察します

257
00:17:30,257 --> 00:17:31,091
行こう

258
00:17:32,217 --> 00:17:34,511
間近で撮影するには——

259
00:17:34,803 --> 00:17:40,059
夜間にサメが多くいる海に
潜るしかありません

260
00:17:43,937 --> 00:17:45,814
夜の海は楽しいです

261
00:17:45,939 --> 00:17:49,693
しかも今回 照明は
紫外線ライトのみ

262
00:17:49,818 --> 00:17:53,572
人の目には
ほとんど見えません

263
00:17:54,364 --> 00:17:57,409
深海の動物には
進化の過程で——

264
00:17:57,659 --> 00:18:03,290
擬態ではなく 発光を
身につけたものがいます

265
00:18:04,416 --> 00:18:09,546
こうした能力は生物発光や
生物蛍光と呼ばれます

266
00:18:09,797 --> 00:18:14,968
前者は化学反応により　
生物自体が光る現象です

267
00:18:15,552 --> 00:18:18,931
光で敵を回避する
カラスザメや——

268
00:18:19,598 --> 00:18:22,476
水面で光る　　　　　　
プランクトンが有名です

269
00:18:22,976 --> 00:18:24,603
生物蛍光は——

270
00:18:25,771 --> 00:18:29,650
仕組みが異なり　　　
さらに謎めいています

271
00:18:31,360 --> 00:18:35,906
生物蛍光では生物が
ある波長の光を吸収し

272
00:18:36,031 --> 00:18:38,158
別の波長で放出します

273
00:18:38,283 --> 00:18:41,662
深海には
青い光しか届きません

274
00:18:41,787 --> 00:18:44,915
モヨウウチキトラザメは
これを吸収し

275
00:18:45,040 --> 00:18:50,546
黄緑色の光を発するので
暗闇で光るように見えます

276
00:18:50,921 --> 00:18:56,844
光や色を放つことに
何らかの利点があるはずです

277
00:18:56,969 --> 00:19:01,265
その使用目的を
突き止めたいと思います

278
00:19:01,390 --> 00:19:05,352
多くのサンゴや
180種以上の魚に加え

279
00:19:06,145 --> 00:19:11,733
一部のカニも紫外線を吸収し
明るい光を発します

280
00:19:13,026 --> 00:19:14,820
ナヌカザメは

281
00:19:14,945 --> 00:19:19,366
生物蛍光を模したライトの
下で緑色に光ります

282
00:19:21,243 --> 00:19:23,412
目的は不明です

283
00:19:23,537 --> 00:19:26,707
しかし天敵の目を避けつつ

284
00:19:26,832 --> 00:19:31,295
仲間と意思疎通を　　　　
図るためだと考えられます

285
00:19:32,546 --> 00:19:35,674
恐らく
サメの目は進化の過程で

286
00:19:35,799 --> 00:19:40,304
黄緑色の光を
感知できるようになりました

287
00:19:41,346 --> 00:19:46,143
夜の海で他の生物に
気づかれることなく

288
00:19:46,268 --> 00:19:50,022
仲間を
見分けることができます

289
00:19:50,606 --> 00:19:55,944
光で互いを認識できても
生存に擬態は不可欠です

290
00:19:56,069 --> 00:19:58,572
恐らくホホジロザメの場合も

291
00:19:58,697 --> 00:20:01,867
生物学とは比較の学問です

292
00:20:02,117 --> 00:20:07,080
ある種を知ることが
別の種の理解につながります

293
00:20:08,123 --> 00:20:11,418
擬態であれ　　　　　　　
コミュニケーションであれ

294
00:20:12,669 --> 00:20:17,090
モヨウウチキトラザメの姿も
行動と関連するはずです

295
00:20:18,842 --> 00:20:20,719
南アフリカ　モーセル湾

296
00:20:21,011 --> 00:20:26,183
まず証明すべきは
サメが色を操れることです

297
00:20:26,308 --> 00:20:31,772
さらに そうした変色が
行動に起因するか調べます

298
00:20:32,105 --> 00:20:34,024
色見本の修理が完了し——

299
00:20:35,442 --> 00:20:41,073
さらなるデータ収集のために
ホホジロザメ探しを再開

300
00:20:41,657 --> 00:20:44,451
あの辺りが休息場所だ

301
00:20:44,993 --> 00:20:49,164
今回は休息中のサメと
色見本を一緒に——

302
00:20:49,498 --> 00:20:52,042
写真に収めたいと思います

303
00:20:55,295 --> 00:21:01,718
ホルモンで皮膚の色が
決まるなら 休息中のサメと

304
00:21:01,885 --> 00:21:06,848
狩りで興奮してるサメの色は
異なるはずです

305
00:21:12,896 --> 00:21:15,190
２人がドローンと

306
00:21:15,691 --> 00:21:18,902
リモコンボートを操作します

307
00:21:22,698 --> 00:21:23,490
サメだ

308
00:21:23,699 --> 00:21:24,574
見つけた

309
00:21:24,700 --> 00:21:25,242
サメ？

310
00:21:25,367 --> 00:21:26,451
そうだ

311
00:21:26,576 --> 00:21:27,411
よし

312
00:21:28,036 --> 00:21:29,579
ボートを出す

313
00:21:31,164 --> 00:21:32,624
浮かべるぞ

314
00:21:33,125 --> 00:21:34,668
急いでくれ

315
00:21:34,918 --> 00:21:36,545
ぶっ飛ばせ

316
00:21:38,964 --> 00:21:39,881
どう？

317
00:21:40,257 --> 00:21:42,676
いや まだ見えない

318
00:21:43,343 --> 00:21:45,053
直進する

319
00:21:45,554 --> 00:21:46,096
いた

320
00:21:46,221 --> 00:21:46,805
それだ

321
00:21:46,930 --> 00:21:48,515
ほら 見ろよ

322
00:21:51,601 --> 00:21:52,185
いいね

323
00:21:52,811 --> 00:21:54,354
旋回させる

324
00:21:55,272 --> 00:21:56,023
見える？

325
00:21:56,148 --> 00:21:57,941
今 降下中だ

326
00:21:58,150 --> 00:22:01,445
色見本が見えるようにね

327
00:22:01,778 --> 00:22:04,656
水面に出てきた

328
00:22:04,781 --> 00:22:05,532
すごい

329
00:22:05,657 --> 00:22:06,199
だね

330
00:22:06,658 --> 00:22:10,412
休息中のサメの撮影に成功

331
00:22:10,662 --> 00:22:15,083
これで狩り中のサメと
比較できます

332
00:22:15,208 --> 00:22:18,503
本当の実験はこれからです

333
00:22:19,921 --> 00:22:25,761
水面近くで休むサメと　　　
跳ねるサメは撮影できました

334
00:22:26,136 --> 00:22:32,142
続いて海中で獲物を探す姿の
写真が必要になります

335
00:22:33,602 --> 00:22:37,647
水深によって
周囲の色は変わります

336
00:22:38,607 --> 00:22:42,694
私が海中での撮影に
関心を寄せるのは

337
00:22:42,819 --> 00:22:48,700
水面と海中では擬態の方法に
違いが出ると思うからです

338
00:22:50,285 --> 00:22:55,290
ライアンが檻に入り
水深10メートルまで下ります

339
00:22:56,500 --> 00:22:57,959
始めましょう

340
00:23:09,930 --> 00:23:12,099
檻に向かってるぞ

341
00:23:13,308 --> 00:23:14,267
いいね

342
00:23:15,519 --> 00:23:20,607
サメをおびき寄せて
色見本と共に写真を撮ります

343
00:23:24,403 --> 00:23:25,404
もう１匹だ

344
00:23:26,363 --> 00:23:28,115
潜っていった

345
00:23:28,532 --> 00:23:32,702
海の中では
光が届きにくくなるので

346
00:23:32,828 --> 00:23:37,791
視界が悪くなり
色も正確には見えません

347
00:23:38,041 --> 00:23:44,131
だからこそ色見本とサメを
一緒に撮るのが重要です

348
00:23:44,256 --> 00:23:49,553
基準があれば
実際のサメの色が分かります

349
00:23:55,517 --> 00:23:56,435
また潜った

350
00:23:57,185 --> 00:23:58,770
いい写真が撮れる

351
00:24:13,618 --> 00:24:17,706
海中で獲物を探す
ホホジロザメの姿を——

352
00:24:18,790 --> 00:24:21,960
見事に写真に収めました

353
00:24:22,127 --> 00:24:23,962
大成功だね

354
00:24:24,421 --> 00:24:27,257
サメは周囲に溶け込んでた

355
00:24:28,091 --> 00:24:31,178
だから狩りが得意なんだろう

356
00:24:31,303 --> 00:24:34,723
周りの環境に
よく なじんでる

357
00:24:34,848 --> 00:24:38,101
海中は まさにモノクロだよ

358
00:24:38,602 --> 00:24:41,104
とにかく収穫ありだ

359
00:24:42,272 --> 00:24:44,691
データベースは完成間近

360
00:24:44,816 --> 00:24:49,863
ここでギブスが研究のために
南アフリカを離れます

361
00:24:50,071 --> 00:24:52,574
長距離を移動して——

362
00:24:53,325 --> 00:24:57,621
特殊な皮膚の適応を行う
サメを調査します

363
00:25:01,708 --> 00:25:04,836
あるサメを探しに来ました

364
00:25:01,917 --> 00:25:03,376
モルディブ　バア環礁

365
00:25:05,086 --> 00:25:11,676
この種は擬態のために変色を
行っているかもしれません

366
00:25:14,012 --> 00:25:20,227
オオセやカスザメなどは
ユニークな模様を生かし

367
00:25:20,352 --> 00:25:25,398
太古の時代から海中の環境に
溶け込んできました

368
00:25:26,942 --> 00:25:31,196
しかし模様が変わる種は
めったにいません

369
00:25:33,198 --> 00:25:37,244
ここモルディブでは
遺伝子の影響で

370
00:25:37,369 --> 00:25:41,456
驚きの適応を示す種が
確認されました

371
00:25:41,790 --> 00:25:46,002
僕らは この美しい
バア環礁の海で

372
00:25:46,127 --> 00:25:49,631
ツマグロというサメを
探します

373
00:25:50,257 --> 00:25:54,594
熱帯のサンゴ礁は　　
生命と適応の宝庫です

374
00:25:54,886 --> 00:25:56,930
あえて目立つものや——

375
00:25:57,472 --> 00:26:00,850
ひたすら　　　　　　
姿を隠すものがいます

376
00:26:01,059 --> 00:26:06,856
ツマグロの適応方法から　　
変色の謎が解けるでしょうか

377
00:26:06,982 --> 00:26:12,237
ホホジロザメとツマグロを
近づける要素は

378
00:26:12,362 --> 00:26:14,406
細胞レベルです

379
00:26:14,656 --> 00:26:16,866
数年前の調査で——

380
00:26:16,992 --> 00:26:22,247
奇妙な斑状の模様を持つ
ツマグロが発見されました

381
00:26:22,581 --> 00:26:26,960
白変という遺伝性疾患が
原因かもしれません

382
00:26:27,419 --> 00:26:32,841
白変はメラニン細胞の
異常が起こす遺伝形質です

383
00:26:31,006 --> 00:26:32,841
白変

384
00:26:33,258 --> 00:26:38,930
細胞が正常に活動しないため
メラニンが形成されず——

385
00:26:39,055 --> 00:26:42,350
その箇所の皮膚が白化します

386
00:26:45,604 --> 00:26:49,524
ギブスは
新旧様々な手法を駆使し——

387
00:26:51,067 --> 00:26:55,697
この白変種の撮影と
試料採取を試みます

388
00:26:57,699 --> 00:27:03,788
白変が単なる異常ではなく　
適応の結果という可能性は？

389
00:27:03,913 --> 00:27:07,334
遺伝子異常とは
事故のようなものです

390
00:27:09,628 --> 00:27:15,008
ツマグロは擬態の必要に
迫られていたのかも

391
00:27:16,676 --> 00:27:20,430
白変種が擬態に
成功したとしましょう

392
00:27:20,555 --> 00:27:25,185
それはサメが
人間の起こした気候変動に

393
00:27:25,310 --> 00:27:28,647
適応したことを意味します

394
00:27:30,106 --> 00:27:35,612
気候変動はモルディブに
悪影響をもたらしました

395
00:27:35,945 --> 00:27:41,117
海面水温は30度を超え
サンゴが白化しています

396
00:27:41,242 --> 00:27:46,831
その結果 サンゴ礁に
サンゴの死骸が散らばり

397
00:27:46,956 --> 00:27:50,669
海中の環境の色が
まばらになりました

398
00:27:50,794 --> 00:27:55,090
だから白変種のほうが
通常のツマグロより

399
00:27:55,215 --> 00:27:58,635
周囲になじむかもしれません

400
00:28:00,970 --> 00:28:05,934
現状 白変が認められた
サメは子供だけです

401
00:28:06,059 --> 00:28:10,230
成長すると斑状の模様が
消えるのか

402
00:28:10,355 --> 00:28:15,860
遺伝子疾患のせいで
短命なのかもしれません

403
00:28:15,985 --> 00:28:20,115
まだら模様の大人を
１匹でも探し出し

404
00:28:20,240 --> 00:28:24,661
白変種が生き延びる
可能性を示したいですね

405
00:28:27,997 --> 00:28:31,626
モルディブは
ツマグロの生息地ですが

406
00:28:32,377 --> 00:28:34,879
このサメは非常に臆病です

407
00:28:45,765 --> 00:28:47,308
やあ ライアン

408
00:28:47,434 --> 00:28:51,146
調査のことを
早く聞かせてくれ

409
00:28:51,271 --> 00:28:55,650
サメの捕獲や試料の採取に
成功した？

410
00:28:55,775 --> 00:28:59,362
残念ながら
そこまで至ってない

411
00:28:59,487 --> 00:29:02,699
想像以上に難しくてね

412
00:29:02,824 --> 00:29:09,497
白変種のツマグロを１匹だけ
撮影することができた

413
00:29:09,622 --> 00:29:11,166
溶け込んでた？

414
00:29:11,291 --> 00:29:17,422
サンゴ礁の まばらな色に
斑状の模様がマッチしてた

415
00:29:17,547 --> 00:29:20,300
ただ子供よりも——

416
00:29:20,425 --> 00:29:24,137
白変の箇所が
薄くなっていたね

417
00:29:24,262 --> 00:29:27,390
成長と共に消えるようだ

418
00:29:28,767 --> 00:29:33,062
トラフザメも
大人になると模様が変わる

419
00:29:33,605 --> 00:29:38,610
ツマグロは大人になり　　　
襲われる可能性が低くなると

420
00:29:38,735 --> 00:29:41,404
模様が薄れると考えられます

421
00:29:41,529 --> 00:29:46,701
白変とメラニン細胞に　
関係があるのは確かです

422
00:29:47,035 --> 00:29:51,164
ただしホルモンによる
急速な変色とは

423
00:29:51,289 --> 00:29:53,875
仕組みが異なります

424
00:29:54,167 --> 00:29:56,252
ツマグロの変色は

425
00:29:56,377 --> 00:30:00,548
我々の研究対象である
擬態とは違う

426
00:30:00,673 --> 00:30:06,596
ホホジロザメの皮膚を使った
実験を再度 行いたい

427
00:30:06,721 --> 00:30:09,641
何か別の方法を考えよう

428
00:30:09,766 --> 00:30:12,435
死んだ細胞ではダメだ

429
00:30:12,560 --> 00:30:15,855
もう一度 実験を行うなら

430
00:30:15,980 --> 00:30:22,445
生きたホホジロザメから
組織を採取すべきだと思う

431
00:30:23,530 --> 00:30:27,951
最後の試料採取の準備が
進む中で——

432
00:30:27,659 --> 00:30:30,036
南アフリカ　モーセル湾

433
00:30:28,076 --> 00:30:33,331
ライアンが色見本のデータの
整理を開始しました

434
00:30:34,165 --> 00:30:37,168
檻に色見本を取りつけて

435
00:30:37,669 --> 00:30:40,964
獲物を探すサメを
撮影しました

436
00:30:41,089 --> 00:30:45,802
また水深の深い地点にいる
サメの姿や——

437
00:30:46,511 --> 00:30:48,680
休息中の様子も撮りました

438
00:30:49,097 --> 00:30:52,267
大変だけど楽しかったのが

439
00:30:52,392 --> 00:30:56,354
跳ねるサメと色見本を
一緒に撮ることです

440
00:30:56,479 --> 00:31:00,942
狩りの時こそ
擬態が必要になるでしょう

441
00:31:03,987 --> 00:31:10,869
こうしたデータを比較して
実際に変色しているか確認し

442
00:31:11,035 --> 00:31:16,416
色と行動の関連性についても
調べたいと思います

443
00:31:16,541 --> 00:31:20,628
まず様々な　　　　　
サメの映像を比較して

444
00:31:20,753 --> 00:31:23,506
個体を特定していきます

445
00:31:23,631 --> 00:31:27,719
状況の異なる映像の中から
特徴を見つけて——

446
00:31:27,844 --> 00:31:31,055
サメを見分けていきます

447
00:31:31,306 --> 00:31:35,435
アゴに特徴的なコブを持つ
このサメは——

448
00:31:35,560 --> 00:31:39,230
複数の地点で
撮影できていました

449
00:31:40,773 --> 00:31:46,321
すべての画像の色見本が　
同じになるよう調整します

450
00:31:46,446 --> 00:31:52,493
色見本の両端を完璧な白色と
黒色に設定することで

451
00:31:52,744 --> 00:31:57,081
全データの基準値が
そろうはずです

452
00:31:57,206 --> 00:32:02,462
色の調整が終わったら　
サメの皮膚の色を分析し

453
00:32:02,587 --> 00:32:07,258
それぞれの評価を
数値化していきます

454
00:32:07,383 --> 00:32:09,427
１点が真っ黒で

455
00:32:09,552 --> 00:32:13,306
１００点が真っ白を
意味しています

456
00:32:13,681 --> 00:32:17,477
全身がフレームに
収まってなくても

457
00:32:17,602 --> 00:32:21,147
特定の部位で
比較することは可能です

458
00:32:26,653 --> 00:32:28,154
このサメは

459
00:32:28,279 --> 00:32:33,117
狩りモードで22点と
かなり暗い色です

460
00:32:33,242 --> 00:32:36,204
一方 これも同じサメで

461
00:32:36,496 --> 00:32:40,083
船の近くにいる時は
53点となってます

462
00:32:40,208 --> 00:32:42,669
先ほどより明るいですね

463
00:32:42,877 --> 00:32:46,881
この結果だけで
結論は出せませんが

464
00:32:47,006 --> 00:32:52,845
このサメに限って言えば
変色できることは明らかです

465
00:32:53,096 --> 00:32:55,765
今後も調査を重ねて

466
00:32:55,890 --> 00:33:00,436
ホホジロザメの
変色の様子を記録します

467
00:33:00,561 --> 00:33:05,942
それで色と行動の関連性が
見えてくるはずです

468
00:33:06,067 --> 00:33:09,320
大満足の結果となりました

469
00:33:09,946 --> 00:33:12,365
しかし次の調査こそ——

470
00:33:12,490 --> 00:33:17,286
ホホジロザメの擬態能力を
実証するうえで重要です

471
00:33:17,787 --> 00:33:20,373
細胞レベルでの調査です

472
00:33:20,498 --> 00:33:24,836
生きたホホジロザメから
組織を採取し

473
00:33:24,961 --> 00:33:27,005
ラボで分析します

474
00:33:27,130 --> 00:33:32,719
それで変色が可能かどうかの
答えが出ます

475
00:33:38,141 --> 00:33:43,521
ギブスとライアンは　　　　
大胆な調査を計画しています

476
00:33:43,730 --> 00:33:45,857
行動観察と同じく——

477
00:33:45,982 --> 00:33:50,111
細胞の分析も
この調査では重要です

478
00:33:50,695 --> 00:33:53,406
今回は　　　　　　　　
生きたホホジロザメから

479
00:33:53,531 --> 00:33:56,284
皮膚を　　　　　　　　
採取する必要があります

480
00:33:57,285 --> 00:34:00,663
生きたサメから
採取した組織なら

481
00:34:00,788 --> 00:34:06,127
ホルモンに対して
何らかの反応を示すはずです

482
00:34:06,252 --> 00:34:09,839
工夫を凝らし
絶対に成功させます

483
00:34:10,923 --> 00:34:12,675
準備は万全です

484
00:34:13,301 --> 00:34:16,763
採取にはダート銃を使います

485
00:34:16,888 --> 00:34:19,557
組織が死なないように——

486
00:34:19,682 --> 00:34:24,187
保存用の溶液に入れて
ラボに運びます

487
00:34:26,105 --> 00:34:29,734
生きた組織に
ホルモンを投与し

488
00:34:29,859 --> 00:34:35,114
色素に変化が現れるかどうか
顕微鏡で確認します

489
00:34:35,281 --> 00:34:37,700
死んだら意味がありません

490
00:34:38,201 --> 00:34:39,911
実験が成功すれば

491
00:34:40,036 --> 00:34:44,290
仮説を裏づける　　　　
決定的な証拠になります

492
00:34:46,209 --> 00:34:49,295
しかし まずは
試料が必要です

493
00:34:49,420 --> 00:34:55,176
確実に採取するために
檻に入って 海に潜ります

494
00:34:55,301 --> 00:34:57,470
当然 怖いですよ

495
00:34:57,595 --> 00:35:00,807
サメは危険な動物ですから

496
00:35:03,434 --> 00:35:06,938
檻の前を通るように
餌を動かし——

497
00:35:07,480 --> 00:35:12,985
サメが近づくように
誘導するから あとは頼む

498
00:35:13,111 --> 00:35:14,028
やってやろう

499
00:35:14,153 --> 00:35:14,946
よし

500
00:35:21,536 --> 00:35:22,245
あれは…

501
00:35:22,370 --> 00:35:23,037
来たぞ

502
00:35:24,080 --> 00:35:26,457
食われてしまった

503
00:35:26,707 --> 00:35:29,252
ギブス　サメが来てるぞ

504
00:35:29,544 --> 00:35:32,046
ミスは許されません

505
00:35:32,171 --> 00:35:37,635
採取する箇所を間違うと
致命傷を与えてしまいます

506
00:35:37,760 --> 00:35:38,594
来たぞ

507
00:35:43,724 --> 00:35:45,101
素早いな

508
00:35:45,351 --> 00:35:46,352
すごい！

509
00:36:09,750 --> 00:36:10,710
目がいいね

510
00:36:12,003 --> 00:36:13,379
ダメだ

511
00:36:14,797 --> 00:36:16,507
ギブスが撃った

512
00:36:18,134 --> 00:36:20,803
見事な狙いだったぞ

513
00:36:22,597 --> 00:36:24,015
でかした

514
00:36:24,807 --> 00:36:25,933
すばらしい

515
00:36:27,018 --> 00:36:27,727
どうだ？

516
00:36:27,852 --> 00:36:29,562
うまくいったよ

517
00:36:30,855 --> 00:36:32,106
お手柄だ

518
00:36:32,857 --> 00:36:34,734
私が処理しとくよ

519
00:36:34,942 --> 00:36:38,196
これが求めていた皮膚です

520
00:36:38,738 --> 00:36:44,076
最初の試料を採取してから
１時間で残りを集めます

521
00:36:44,619 --> 00:36:48,164
組織が死ぬ前に
ラボに運びます

522
00:36:48,372 --> 00:36:49,415
あれを見ろ

523
00:36:51,292 --> 00:36:52,293
ご登場だ

524
00:36:52,543 --> 00:36:54,462
皮膚の色が濃いな

525
00:36:54,587 --> 00:36:55,630
確かに

526
00:36:58,591 --> 00:37:00,134
やったな　お見事！

527
00:37:01,010 --> 00:37:02,428
２つ目を採取

528
00:37:03,179 --> 00:37:06,724
完璧だったね
ギブスは射撃の達人だ

529
00:37:07,099 --> 00:37:13,314
尾ビレ付近なら肉が厚く
重要臓器もないので安全です

530
00:37:13,564 --> 00:37:15,274
完璧な皮膚だ

531
00:37:17,485 --> 00:37:18,069
よし

532
00:37:18,861 --> 00:37:22,365
ギブスはナーバスに
なってたが

533
00:37:22,490 --> 00:37:26,327
尾ビレの付け根に
見事 命中させたよ

534
00:37:26,535 --> 00:37:27,119
完璧だ

535
00:37:27,245 --> 00:37:28,746
誇らしいね

536
00:37:32,375 --> 00:37:33,709
突然 現れた

537
00:37:34,460 --> 00:37:35,711
初めて見るな

538
00:37:36,504 --> 00:37:39,048
ずっと隠れてたのに

539
00:37:40,091 --> 00:37:43,386
これがサメの恐ろしさだ

540
00:37:43,511 --> 00:37:45,221
また現れたぞ

541
00:37:45,346 --> 00:37:49,934
撃たれた痕がないか
ちゃんと確認しないと

542
00:37:50,059 --> 00:37:52,478
２度も撃ったら大変だ

543
00:37:52,603 --> 00:37:53,646
違うな

544
00:37:54,021 --> 00:37:55,773
痕はなさそうだ

545
00:37:55,898 --> 00:37:58,359
特徴的な尾ビレだ

546
00:37:58,484 --> 00:37:59,068
確かに

547
00:37:59,193 --> 00:38:00,528
傷がある

548
00:38:05,950 --> 00:38:07,201
頼むぞ

549
00:38:12,873 --> 00:38:17,837
３つ目の試料を取れそうだ
ギブスは気づいてるかな

550
00:38:21,132 --> 00:38:22,341
来たぞ

551
00:38:27,179 --> 00:38:30,474
チャンスだ　近づいてる

552
00:38:33,269 --> 00:38:33,894
ヤバい

553
00:38:42,570 --> 00:38:45,406
ギブス　頼んだぞ

554
00:38:45,740 --> 00:38:48,367
タイムリミットが近づきます

555
00:38:48,492 --> 00:38:51,037
さすがにビビってるかも

556
00:38:52,163 --> 00:38:54,707
なかなか撃とうとしない

557
00:38:55,041 --> 00:38:58,669
組織は採取した瞬間から
劣化します

558
00:38:59,462 --> 00:39:05,092
最後の試料を早く入手し　
ラボに急がねばなりません

559
00:39:07,261 --> 00:39:07,887
近いぞ

560
00:39:12,391 --> 00:39:12,975
やった

561
00:39:13,100 --> 00:39:15,936
さすがだ　見事に命中した

562
00:39:19,273 --> 00:39:20,107
いいね

563
00:39:20,608 --> 00:39:21,609
すごかった

564
00:39:21,734 --> 00:39:23,694
いい実験になる

565
00:39:27,990 --> 00:39:29,533
お手柄だよ

566
00:39:29,658 --> 00:39:30,826
着替えろ

567
00:39:30,951 --> 00:39:32,745
ああ 出発だな

568
00:39:33,496 --> 00:39:37,208
ラボまでは
４～５時間かかります

569
00:39:38,542 --> 00:39:40,169
早く行こう

570
00:39:42,380 --> 00:39:46,175
ライアンとギブスが
ケープタウンに急行

571
00:39:44,715 --> 00:39:46,175
南アフリカ
ケープタウン

572
00:39:47,593 --> 00:39:50,596
画像解析を
担当するのは

573
00:39:50,721 --> 00:39:54,100
細胞生物学者の
ラング博士です

574
00:39:52,973 --> 00:39:54,475
細胞生物学者／
画像スペシャリスト
ダーク･ラング博士

575
00:39:54,767 --> 00:39:58,229
君たち 今日は大忙しだね

576
00:39:58,354 --> 00:40:03,526
２時間で最低３つの試料を
採取しようと頑張った

577
00:40:03,651 --> 00:40:04,276
なるほど

578
00:40:04,985 --> 00:40:10,825
ホホジロザメの皮膚の色が
ホルモンで変わると分かれば

579
00:40:10,950 --> 00:40:15,121
課題の半分以上は
解決したようなものです

580
00:40:15,830 --> 00:40:18,499
ホルモン溶液を用意しつつ

581
00:40:18,999 --> 00:40:23,087
組織が実験中に死なないよう
処置を施します

582
00:40:24,463 --> 00:40:25,256
やあ

583
00:40:25,381 --> 00:40:26,340
調子は？

584
00:40:26,465 --> 00:40:30,219
海からラボに直行なんて
初体験だ

585
00:40:31,303 --> 00:40:34,598
ホルモンに対する反応を
見るべく

586
00:40:35,224 --> 00:40:38,227
共焦点顕微鏡を使用します

587
00:40:39,061 --> 00:40:45,568
顕微鏡レベルで色素細胞の
凝集や拡散が確認できれば

588
00:40:45,693 --> 00:40:48,612
変色の裏づけになります

589
00:40:49,613 --> 00:40:54,994
この顕微鏡でメラニン細胞を
目視で確認し——

590
00:40:55,494 --> 00:40:58,747
ホルモンへの反応を
確かめます

591
00:40:58,873 --> 00:41:04,086
画像をコマ送りで見れば
変色の過程が分かるでしょう

592
00:41:05,588 --> 00:41:09,425
最初に投与するのは
ＭＳＨです

593
00:41:10,050 --> 00:41:11,886
仮説が正しければ

594
00:41:12,094 --> 00:41:16,849
メラニンが増加して　　
色素が濃くなるはずです

595
00:41:17,516 --> 00:41:19,810
２つ目はアドレナリン

596
00:41:20,102 --> 00:41:23,939
狩りの際に分泌されると
考えられます

597
00:41:26,859 --> 00:41:30,738
３つ目のメラトニンは
休息に関わるものです

598
00:41:31,280 --> 00:41:34,950
休んでいるサメの状態を
再現します

599
00:41:35,326 --> 00:41:40,080
どのホルモンも異なる状況で
分泌されるものです

600
00:41:40,206 --> 00:41:43,626
それを組織に与え
反応を促します

601
00:41:44,710 --> 00:41:47,922
屋外調査は
一見 楽しそうですが

602
00:41:48,547 --> 00:41:52,426
ラボで味わう高揚感は
別次元です

603
00:41:52,593 --> 00:41:58,015
撮影データを確認すると　
試料に変色が見られました

604
00:42:00,809 --> 00:42:04,480
ＭＳＨが投与された試料は

605
00:42:05,272 --> 00:42:09,235
色素細胞が拡散し　　
色が濃くなっています

606
00:42:09,360 --> 00:42:12,238
生きたサメから採取した

607
00:42:12,363 --> 00:42:13,113
今朝だ

608
00:42:13,239 --> 00:42:13,948
５時間前

609
00:42:14,073 --> 00:42:15,533
すばらしいね

610
00:42:16,200 --> 00:42:20,538
アドレナリンを投与した
試料では 予想に反し

611
00:42:20,955 --> 00:42:25,125
色素細胞が凝縮し　　
色が明るくなりました

612
00:42:25,251 --> 00:42:26,919
薄くなったね

613
00:42:28,337 --> 00:42:30,297
メラトニンでは…

614
00:42:30,506 --> 00:42:33,342
薄い箇所と濃い箇所がある

615
00:42:35,135 --> 00:42:36,095
大発見だ

616
00:42:36,470 --> 00:42:41,350
ずっと思い描いてたとおりに
変化したんです

617
00:42:41,767 --> 00:42:45,813
細胞がホルモンに
反応するのを見て

618
00:42:45,938 --> 00:42:48,023
本当に感激しました

619
00:42:48,941 --> 00:42:50,442
最高ですよ

620
00:42:50,568 --> 00:42:52,820
色の変化が証明された

621
00:42:52,945 --> 00:42:54,655
興奮するね

622
00:42:54,822 --> 00:42:58,867
ホルモンとサメの行動の
関連性については

623
00:42:58,993 --> 00:43:02,913
さらなる研究が　　
必要となるでしょう

624
00:43:03,539 --> 00:43:08,961
しかしメラニン細胞の反応が
確認できたのは重要です

625
00:43:09,211 --> 00:43:12,798
ホホジロザメには
変色の能力があり

626
00:43:12,923 --> 00:43:18,512
それがホルモンによって
起きることを意味します

627
00:43:18,637 --> 00:43:24,602
ラボでここまで感動するとは
思いもよりませんでした

628
00:43:24,893 --> 00:43:28,731
本当にすばらしい結果が
得られましたし——

629
00:43:28,856 --> 00:43:33,110
科学に貢献できると思うと
うれしいです

630
00:43:33,235 --> 00:43:38,866
ホホジロザメについての　
定説を完全に覆す発見です

631
00:43:38,991 --> 00:43:44,288
最高の結果に 言葉を
失うほど感動してます

632
00:43:44,872 --> 00:43:48,667
一生に一度の
発見かもしれません

633
00:43:49,376 --> 00:43:51,962
ホホジロザメの
変色能力が

634
00:43:52,087 --> 00:43:56,383
今回の実験により
立証されました

635
00:43:57,635 --> 00:44:01,680
しかしホホジロザメの
擬態に関する研究は

636
00:44:01,889 --> 00:44:04,350
まだ始まったばかりです

637
00:44:07,811 --> 00:44:09,813
日本版字幕　安本 熙生

