1
00:00:27,569 --> 00:00:29,446
短命のはずだった

2
00:00:36,787 --> 00:00:40,082
２ヵ月早く生まれてしまった

3
00:00:44,169 --> 00:00:47,047
命は長くないと
みんなが思った

4
00:00:49,007 --> 00:00:52,386
そして父が家に
ある物を持ち帰る

5
00:00:54,596 --> 00:00:55,722
靴の箱だ

6
00:01:00,185 --> 00:01:02,479
﹁ＴＨＩＳ ＬＩＦＥ﹂
〝シドニ︱・ポワチエ著〟

7
00:01:02,604 --> 00:01:05,022
僕の埋葬用だった

8
00:01:12,447 --> 00:01:15,158
僕の人生には たくさんの––

9
00:01:15,284 --> 00:01:19,997
比類なき
すばらしい転機があった

10
00:01:25,169 --> 00:01:30,591
シドニー

11
00:01:35,470 --> 00:01:37,973
僕の世界はシンプルだった

12
00:01:40,726 --> 00:01:44,188
電気の存在さえ知らなかった

13
00:01:44,438 --> 00:01:46,899
1927年
バハマ キャット島

14
00:01:47,691 --> 00:01:51,820
家に水を流す
水道管というものが––

15
00:01:51,945 --> 00:01:54,364
あることも知らなかった

16
00:01:56,867 --> 00:02:00,704
観察することで
世界を学んできた

17
00:02:00,829 --> 00:02:03,207
動物や鳥を見て––

18
00:02:03,332 --> 00:02:06,668
それが何か
自力で理解していくんだ

19
00:02:12,174 --> 00:02:15,802
僕は兄弟の末っ子でね

20
00:02:16,386 --> 00:02:19,056
よくいじめられたものだ

21
00:02:19,181 --> 00:02:21,141
幼かった頃は––

22
00:02:21,266 --> 00:02:25,395
家に置いていかれることが
多かった

23
00:02:26,230 --> 00:02:30,025
両親はトマト農園を営んでいた

24
00:02:32,152 --> 00:02:35,697
学校教育は
ほとんど受けてない

25
00:02:37,032 --> 00:02:41,119
物事の価値観や善悪
自分が何者かなどは––

26
00:02:41,245 --> 00:02:46,083
すべて両親から
学ぶしかなかったんだ

27
00:02:47,292 --> 00:02:49,586
いつも２人を見てた

28
00:02:49,711 --> 00:02:53,465
レジナルド＆エブリン・
ポワチエ

29
00:02:50,045 --> 00:02:53,465
どんなふうに
互いを思いやるのか

30
00:02:53,590 --> 00:02:55,717
友達に対する振る舞いや

31
00:02:56,218 --> 00:02:59,346
村の人たちに対する態度とかね

32
00:03:00,222 --> 00:03:03,058
僕はそれをできる限りマネた

33
00:03:03,183 --> 00:03:06,728
両親の行動の結果を
見てきたからね

34
00:03:08,647 --> 00:03:10,983
フロリダ政府が––

35
00:03:11,108 --> 00:03:15,571
バハマからの
トマトの輸入を禁止して

36
00:03:16,071 --> 00:03:18,031
父の事業は破綻した

37
00:03:18,448 --> 00:03:21,243
母はナッソーへ送られ
僕を連れて––

38
00:03:21,368 --> 00:03:24,288
家を探すことになったんだ

39
00:03:24,538 --> 00:03:28,876
１９３８年
バハマ ナッソ︱

40
00:03:25,539 --> 00:03:28,876
船が港に近づくと
動く物が見えた

41
00:03:29,001 --> 00:03:32,171
カブトムシ型の物が
走ってくる

42
00:03:35,632 --> 00:03:37,718
母に質問すると––

43
00:03:38,218 --> 00:03:41,430
“車よ”と言われた

44
00:03:42,181 --> 00:03:45,058
僕は“車って何？”と

45
00:03:45,934 --> 00:03:49,813
母の説明を聞き
興味をそそられたよ

46
00:03:51,607 --> 00:03:54,026
通りの店の窓をのぞくと––

47
00:03:54,151 --> 00:03:56,778
さまざまな物を売ってた

48
00:03:56,904 --> 00:03:58,947
店内には女性がいて––

49
00:03:59,072 --> 00:04:05,120
まったく同じ顔の女性と
向かい合ってるのが見えてね

50
00:04:05,579 --> 00:04:09,958
女性が動くと
向かい側の女性も同様に動く

51
00:04:10,834 --> 00:04:12,294
鏡だったんだ

52
00:04:12,419 --> 00:04:15,380
だが僕は鏡を知らなかった

53
00:04:15,506 --> 00:04:19,051
鏡の存在さえ知らなかったんだ

54
00:04:20,010 --> 00:04:25,098
世間知らずで
外見を気にしたこともなかった

55
00:04:26,099 --> 00:04:29,686
キャット島にいた
白人は１人だけ

56
00:04:29,811 --> 00:04:33,690
ナッソーでも白人を見たが––

57
00:04:33,815 --> 00:04:36,652
それほど多くはなかった

58
00:04:37,027 --> 00:04:41,323
人口の90％は
黒人だったからね

59
00:04:42,908 --> 00:04:46,662
僕は同じ年頃の男子と
つるんでた

60
00:04:46,787 --> 00:04:49,456
数ヵ月しないうちに––

61
00:04:49,581 --> 00:04:51,834
友達３～４人が少年院へ

62
00:04:51,959 --> 00:04:57,339
息子が非行に走るのではと
心配した父は 僕を––

63
00:04:58,090 --> 00:05:00,008
フロリダへ行かせた

64
00:05:00,926 --> 00:05:02,970
1942年
フロリダ州 マイアミ

65
00:05:03,679 --> 00:05:08,225
15歳でバハマを離れた時
僕は自分を理解していた

66
00:05:08,350 --> 00:05:12,563
10年半 キャット島で
暮らし––

67
00:05:12,688 --> 00:05:15,023
４年半 ナッソーで過ごした

68
00:05:15,148 --> 00:05:19,111
その自己認識を持って
フロリダ州マイアミへ

69
00:05:19,486 --> 00:05:24,950
船から降りた瞬間に
フロリダの現実に言われた

70
00:05:25,534 --> 00:05:27,202
“勘違いするな”

71
00:05:27,327 --> 00:05:29,705
“有色人種専用”

72
00:05:29,121 --> 00:05:31,707
キャット島にいた時は

73
00:05:30,455 --> 00:05:34,001
オプラ・ウィンフリ︱

74
00:05:31,832 --> 00:05:34,001
全員が黒人だった

75
00:05:34,126 --> 00:05:39,089
みんな パワフルで
善人で優しい

76
00:05:39,214 --> 00:05:40,549
そして黒人なの

77
00:05:40,799 --> 00:05:44,303
でも人種という概念はなかった

78
00:05:44,428 --> 00:05:47,806
生きてきた中で
見てきたものが––

79
00:05:47,931 --> 00:05:51,226
彼の世界の
すべてだったからよ

80
00:05:51,351 --> 00:05:54,188
その世界観で自分を理解してた

81
00:05:54,313 --> 00:05:58,692
だから彼は
アメリカで困ることになる

82
00:05:59,234 --> 00:06:01,945
兄の家に置いてもらった

83
00:06:02,362 --> 00:06:04,615
アメリカで唯一の親戚だ

84
00:06:05,324 --> 00:06:07,075
マイアミでは兄に––

85
00:06:07,201 --> 00:06:11,455
デパートの配達員の仕事を
紹介された

86
00:06:11,580 --> 00:06:15,751
ある女性の家への配達を
言い渡され––

87
00:06:15,876 --> 00:06:19,087
自転車でマイアミビーチへ

88
00:06:19,213 --> 00:06:23,842
言われた住所に着いて
玄関前に立ち––

89
00:06:23,967 --> 00:06:26,512
呼び鈴を鳴らした

90
00:06:27,346 --> 00:06:30,516
すると女性が出てきて言った

91
00:06:30,641 --> 00:06:32,893
“玄関で何をしてるの？”

92
00:06:33,393 --> 00:06:39,066
当然 僕の答えは
“荷物を届けに来ました”

93
00:06:39,191 --> 00:06:42,152
彼女は
“裏口へ回りな”と言い––

94
00:06:42,277 --> 00:06:44,112
乱暴にドアを閉めた

95
00:06:44,238 --> 00:06:49,535
僕はそれまで人種差別を
経験したことがなかった

96
00:06:51,036 --> 00:06:53,080
理解できなかったんだ

97
00:06:53,205 --> 00:06:56,208
“目の前にいるのに
なぜ裏口へ？”

98
00:06:56,333 --> 00:07:00,212
どうすべきか
分からなくて––

99
00:07:00,337 --> 00:07:05,300
玄関前に荷物を
置いていくことにしたんだ

100
00:07:05,425 --> 00:07:09,888
そして仕事を終えて
兄の家へ帰ると––

101
00:07:10,764 --> 00:07:13,267
家は真っ暗に見えた

102
00:07:14,893 --> 00:07:16,979
明かりがついてない

103
00:07:17,104 --> 00:07:20,899
疑問に思いながら
玄関へ近づく

104
00:07:21,024 --> 00:07:23,277
すると兄の奥さんが––

105
00:07:23,402 --> 00:07:26,989
僕を家に引っ張り入れ
扉を閉めた

106
00:07:29,074 --> 00:07:34,037
“一体 何をしたの？”と
聞かれた僕は––

107
00:07:34,162 --> 00:07:39,501
“何もしてない
僕が何をした？”と答えた

108
00:07:40,043 --> 00:07:43,172
彼女は
“よ”

109
00:07:43,881 --> 00:07:45,799
“何かしたでしょ？”と

110
00:07:54,850 --> 00:08:00,355
だから街を出ようと
決めたんだ

111
00:08:02,024 --> 00:08:07,529
クリーニング店に
服を持っていった時のこと

112
00:08:08,363 --> 00:08:12,159
白人だけが住む地区に
店はあった

113
00:08:12,409 --> 00:08:15,913
帰り道に
バス停へ向かったが––

114
00:08:16,038 --> 00:08:18,040
バスは走っておらず

115
00:08:19,917 --> 00:08:23,045
１台の車が目の前に止まった

116
00:08:23,170 --> 00:08:25,923
中には警官が乗ってたんだ

117
00:08:28,675 --> 00:08:31,053
“何をしてる？”と聞かれ––

118
00:08:31,178 --> 00:08:35,182
“家へ帰ろうとしてるだけ”と
答えた

119
00:08:35,307 --> 00:08:38,184
“なぜここに？”と
問い詰められてね

120
00:08:38,769 --> 00:08:41,020
警官は銃を出して––

121
00:08:41,145 --> 00:08:46,818
車の窓ガラスの外側に
傾けたんだ

122
00:08:48,278 --> 00:08:51,615
そして銃口を
僕の額に押し付けた

123
00:08:52,574 --> 00:08:53,575
ここだ

124
00:08:55,786 --> 00:08:58,330
彼は同僚に聞いた

125
00:08:58,914 --> 00:09:02,417
“こいつをどうする？”とね

126
00:09:02,543 --> 00:09:05,629
実際は差別語で呼ばれた

127
00:09:06,421 --> 00:09:08,507
警官は こう続けた

128
00:09:08,632 --> 00:09:14,263
“お前を見逃したら 歩いて
ちゃんと家に帰るか？”

129
00:09:15,305 --> 00:09:18,350
“後ろを振り返らず
帰れるか？”

130
00:09:19,685 --> 00:09:24,273
“ええ できます”と
僕は答えた

131
00:09:24,940 --> 00:09:29,486
“一度でも後ろを見たら
撃つぞ”と脅された

132
00:09:32,489 --> 00:09:36,034
50以上の街区を通り過ぎる間

133
00:09:36,159 --> 00:09:41,915
窓のある建物を過ぎるたびに
目だけ動かしてみた

134
00:09:42,040 --> 00:09:48,505
すると僕の後方に
警官の車が見えた

135
00:09:53,427 --> 00:09:55,304
ついてきてたんだ

136
00:09:59,099 --> 00:10:03,395
兄が住んでる家の小道まで

137
00:10:04,438 --> 00:10:07,983
道中ずっとね

138
00:10:09,526 --> 00:10:12,905
家に着くと 車は去っていった

139
00:10:14,281 --> 00:10:17,534
２～３ヵ月ほどで––

140
00:10:17,659 --> 00:10:23,373
それまでの人生観がすべて
ひっくり返されたよ

141
00:10:25,125 --> 00:10:28,003
社会構造を理解し始め––

142
00:10:28,128 --> 00:10:33,509
権力が行使される状況を
目の当たりにしたんだ

143
00:10:44,603 --> 00:10:48,649
この街には
いられないと悟った

144
00:10:48,774 --> 00:10:50,442
出ていかないと

145
00:10:50,734 --> 00:10:52,653
フロリダと異なり––

146
00:10:52,945 --> 00:10:57,407
差別のない場所は
あるのだろうか

147
00:11:00,285 --> 00:11:03,413
数人から聞いた話では––

148
00:11:03,539 --> 00:11:07,000
黒人に優しい場所が
あるらしい

149
00:11:07,125 --> 00:11:08,210
ＮＹだ

150
00:11:11,463 --> 00:11:13,048
長距離バスで行き––

151
00:11:12,881 --> 00:11:16,301
１９４３年
ニュ︱ヨ︱ク市

152
00:11:13,173 --> 00:11:16,301
50丁目と８番街の角に
降り立った

153
00:11:16,677 --> 00:11:19,847
通りを歩いてみて––

154
00:11:20,222 --> 00:11:23,517
とにかく
ビックリ仰天だったよ

155
00:11:23,934 --> 00:11:26,812
黒人の男性に
声をかけられてね

156
00:11:26,937 --> 00:11:30,232
“調子は？
どこへ行くんだい？”

157
00:11:30,357 --> 00:11:33,902
“ハーレムに行きたい”と
答えると––

158
00:11:34,027 --> 00:11:35,529
彼は言った

159
00:11:35,654 --> 00:11:38,782
“階段を下りて
Ａラインに乗れ”と

160
00:11:38,907 --> 00:11:43,537
〝インタ︱ボロ︱・
ラピッド・トランジット〟

161
00:11:40,826 --> 00:11:42,202
本当か疑ったよ

162
00:11:42,327 --> 00:11:46,373
“階段で地下へ行け”と
言われたんだ

163
00:11:49,585 --> 00:11:51,086
僕は“了解”と

164
00:11:53,046 --> 00:11:56,466
恐る恐る階段を
下りていくと––

165
00:11:56,592 --> 00:12:00,053
が聞こえた

166
00:12:00,179 --> 00:12:03,557
次の瞬間 電車が来たんだ

167
00:12:14,401 --> 00:12:17,362
116丁目まで行き 下車した

168
00:12:17,487 --> 00:12:21,200
人の流れに身を任せ
階段を上ると––

169
00:12:21,325 --> 00:12:24,161
そこはハーレムだった

170
00:12:24,286 --> 00:12:25,495
ワオ！

171
00:12:28,749 --> 00:12:31,043
〝サヴォイ〟

172
00:12:35,839 --> 00:12:39,551
至る所に黒人がいて
挨拶を交わした

173
00:12:39,676 --> 00:12:41,762
すごく興奮したね

174
00:12:49,853 --> 00:12:53,440
黒人の芸術家が
ハ︱レムでは突出してた

175
00:12:51,188 --> 00:12:54,608
文化批評家／
ミュ︱ジシャン
グレッグ・テイト

176
00:12:53,565 --> 00:12:55,943
偉大な人物を輩出してる

177
00:12:56,068 --> 00:12:57,361
例えばエリントン

178
00:12:57,486 --> 00:12:59,446
レナ・ホーンや
ビリー・ホリデイ

179
00:12:59,571 --> 00:13:01,949
スターが大勢いたんだ

180
00:13:02,241 --> 00:13:05,160
当時のアーティストは––

181
00:13:05,285 --> 00:13:08,539
客の目の前で
生の実力を試される
〝バ︱ドランド〟

182
00:13:08,664 --> 00:13:11,124
それが当時のシドニーを––

183
00:13:11,250 --> 00:13:13,502
待ち受ける世界だった

184
00:13:11,250 --> 00:13:15,504
シドニ︱・ポワチエ
１９４３年

185
00:13:14,127 --> 00:13:16,004
何を求めてＮＹへ？

186
00:13:16,129 --> 00:13:18,090
自分探しのためさ

187
00:13:18,799 --> 00:13:22,052
だが長い間 成果はなかった

188
00:13:22,344 --> 00:13:25,722
49丁目と
ブロードウェイの角の––

189
00:13:25,848 --> 00:13:30,435
飲食店で求人の貼り紙を見て
店に入った

190
00:13:30,561 --> 00:13:33,438
“いつからできる？”と
聞かれて––

191
00:13:33,689 --> 00:13:35,941
“今すぐ”と答えたんだ

192
00:13:36,066 --> 00:13:37,484
雇ってくれたよ

193
00:13:38,569 --> 00:13:43,323
１晩４ドルの給料に
まかない付きだった

194
00:13:43,448 --> 00:13:45,742
初仕事が終わった夜は––

195
00:13:46,785 --> 00:13:48,453
バスターミナルへ

196
00:13:48,579 --> 00:13:52,249
〝グレイハウンド
バスタ︱ミナル
レストラン〟

197
00:13:48,954 --> 00:13:52,249
トイレで寝ようと
思ってね

198
00:13:52,374 --> 00:13:55,252
５セントの有料トイレに––

199
00:13:55,377 --> 00:13:58,088
お金を入れて入った

200
00:13:58,213 --> 00:14:01,884
便座に座って
ドアに対して足を上げ

201
00:14:02,009 --> 00:14:03,177
寝るんだ

202
00:14:03,302 --> 00:14:05,888
もちろん 快適ではない

203
00:14:07,139 --> 00:14:11,768
ある夜 僕はキッチンの
すぐそばで––

204
00:14:11,894 --> 00:14:13,687
新聞を読んでた

205
00:14:13,812 --> 00:14:17,065
ウェーターの１人に
見られて––

206
00:14:17,191 --> 00:14:20,068
“読み方を学んでる”と
説明した

207
00:14:20,194 --> 00:14:23,238
彼は“一緒に読もうか”と

208
00:14:23,822 --> 00:14:26,408
それから毎晩

209
00:14:26,867 --> 00:14:30,996
そのユダヤ人の
ウェーターが––

210
00:14:31,538 --> 00:14:36,418
新聞を読んでると
僕の所に来てくれた

211
00:14:36,543 --> 00:14:41,840
読み方を覚えるのに
付き合ってくれたんだ

212
00:14:41,965 --> 00:14:45,928
これが僕の旅の始まりさ

213
00:14:46,053 --> 00:14:49,431
何もしなければ
人は通り過ぎるだけ

214
00:14:49,848 --> 00:14:53,852
だが努力してれば
誰かが助けてくれる

215
00:14:50,140 --> 00:14:53,852
モ︱ガン・フリ︱マン

216
00:14:53,977 --> 00:14:57,147
その応援があれば
頑張れるんだ

217
00:14:57,648 --> 00:14:58,982
そういうものさ

218
00:15:01,193 --> 00:15:04,154
ハーレムの125丁目で––

219
00:15:04,279 --> 00:15:07,574
アムステルダムニュースの
新聞を買った

220
00:15:07,699 --> 00:15:10,327
求人広告のある黒人新聞だ

221
00:15:10,452 --> 00:15:13,914
いつも その新聞で
職を探してきた

222
00:15:14,039 --> 00:15:16,291
皿洗いやポ︱タ︱など

223
00:15:16,416 --> 00:15:18,752
僕ができる仕事が載ってた

224
00:15:18,877 --> 00:15:23,382
〝俳優求む
アメリカン・
〟

225
00:15:19,211 --> 00:15:23,382
そこに俳優募集の求人を
見つけたんだ

226
00:15:23,507 --> 00:15:28,178
僕は思った
“俳優を探してる？”

227
00:15:28,303 --> 00:15:31,014
“僕にもできるかな？”と

228
00:15:32,182 --> 00:15:37,062
そして劇場に行くと
少しして男性が出てきた

229
00:15:37,604 --> 00:15:42,401
巨大な男 フレデリック・
オニ︱ルだったんだ
ＡＮＴ 共同創設者
フレデリック・オニ︱ル

230
00:15:43,026 --> 00:15:46,822
僕は舞台に上がり
台本をめくった

231
00:15:46,947 --> 00:15:49,867
客席に座ってた
フレデリックが––

232
00:15:49,992 --> 00:15:52,536
“ジョンのセリフを読め”と

233
00:15:52,661 --> 00:15:55,581
僕は“はい”と答えて読んだ

234
00:15:56,206 --> 00:15:58,709
“彼は… 言った”

235
00:15:58,834 --> 00:16:01,587
“どこへ… 行く？”

236
00:16:01,712 --> 00:16:07,467
するとフレデリックに
“出ていけ”と どなられたよ

237
00:16:07,718 --> 00:16:09,595
“時間が無駄になった”

238
00:16:09,720 --> 00:16:12,181
“皿洗いの仕事でも
してろ”とね

239
00:16:12,306 --> 00:16:14,892
その瞬間 決意したんだ

240
00:16:15,309 --> 00:16:18,353
“俳優になってやる”

241
00:16:18,729 --> 00:16:24,443
“準備して 戻ってきて
見せつけるぞ”と

242
00:16:24,568 --> 00:16:27,696
昔はりに
悩んだらしいね

243
00:16:27,196 --> 00:16:30,991
﹁ディック・
キャベット・ショ︱﹂

244
00:16:27,821 --> 00:16:30,991
どんな感じか
聞かせてくれる？

245
00:16:31,116 --> 00:16:32,993
例えば このセリフ

246
00:16:33,952 --> 00:16:35,454
“家に帰る”を––

247
00:16:35,579 --> 00:16:37,539
こう言ってた

248
00:16:37,664 --> 00:16:39,082
“うちに けえる”

249
00:16:39,208 --> 00:16:42,085
“俳優なら訛りを直せ”と
言われた

250
00:16:42,669 --> 00:16:44,671
だから努力したよ

251
00:16:44,796 --> 00:16:47,841
14ドルでラジオを買ってね

252
00:16:47,966 --> 00:16:51,678
ノーマン・
ブロークンシャイアという––

253
00:16:51,803 --> 00:16:56,642
ニュ︱スキャスタ︱の
番組を聴いてた

254
00:16:52,262 --> 00:16:56,642
ノ︱マン・
ブロ︱クンシャイア

255
00:16:57,893 --> 00:16:59,478
すばらしい声なんだ

256
00:16:59,603 --> 00:17:01,396
〝放送中〟

257
00:17:00,020 --> 00:17:02,523
いかがお過ごしですか？

258
00:17:02,648 --> 00:17:04,233
ブロークンシャイアです

259
00:17:04,358 --> 00:17:08,444
彼の言葉を聴いて
繰り返し マネした

260
00:17:08,569 --> 00:17:11,823
25年間 マイクの前で
話してきたが––

261
00:17:11,949 --> 00:17:14,660
すごく緊張感のある仕事だ

262
00:17:14,785 --> 00:17:19,080
おかげで訛りは
ほとんどなくなった

263
00:17:19,330 --> 00:17:21,250
本を買って勉強もしたよ

264
00:17:21,375 --> 00:17:24,211
セリフを読めるようにね

265
00:17:24,336 --> 00:17:27,506
劇団のオーディションを
再び受けたら––

266
00:17:27,631 --> 00:17:28,966
合格できた

267
00:17:29,424 --> 00:17:31,718
僕にとって劇団や︱
アメリカン・
ニグロ・シアタ︱

268
00:17:31,844 --> 00:17:34,972
演じることは
心の癒やしだった

269
00:17:36,473 --> 00:17:38,976
劇団には仕事後に通った

270
00:17:39,101 --> 00:17:42,771
当時14～18ヵ所で
働いててね

271
00:17:43,438 --> 00:17:47,776
夜に劇団の講義を受けたり
稽古をしてたんだ

272
00:17:47,901 --> 00:17:50,571
当時 僕は17～18歳だった

273
00:17:50,696 --> 00:17:54,575
演技することで
人前に立つのが得意になり––

274
00:17:54,700 --> 00:17:57,327
ストレス発散もできた

275
00:17:57,452 --> 00:18:01,957
キャラクターを通して
心の中の混乱や苦しみも––

276
00:18:02,541 --> 00:18:04,668
表現できたんだ

277
00:18:04,793 --> 00:18:08,505
俳優でなら
自分を生かせると感じた

278
00:18:08,630 --> 00:18:10,799
何者にでもなれる

279
00:18:10,924 --> 00:18:15,387
社会的に人生を
制限されてきたが––

280
00:18:15,512 --> 00:18:20,225
演劇という魔法で
見返すことができる

281
00:18:21,727 --> 00:18:24,313
暴君　顔を見せよ

282
00:18:24,438 --> 00:18:25,731
名を名乗れ

283
00:18:26,982 --> 00:18:30,652
今や
黒人演劇は消えてしまった

284
00:18:31,486 --> 00:18:33,113
我が名はマクベス

285
00:18:33,322 --> 00:18:36,575
第二次世界大戦後から
80年代まで––

286
00:18:36,700 --> 00:18:39,786
黒人演劇は
黒人芸術の代表だった

287
00:18:39,912 --> 00:18:41,038
ＡＮＴは︱

288
00:18:40,746 --> 00:18:45,417
作家／歴史家
ネルソン・ジョ︱ジ

289
00:18:41,163 --> 00:18:45,417
数々の偉大な劇団の
先駆けだった

290
00:18:45,542 --> 00:18:47,544
“アメリカン・
ニグロ・シアター”

291
00:18:47,669 --> 00:18:49,129
優秀な若者が––

292
00:18:49,254 --> 00:18:52,841
舞台で才能を発揮できる場所だ

293
00:18:53,133 --> 00:18:55,719
黒人演劇に出演経験のない––

294
00:18:55,844 --> 00:18:59,806
黒人俳優が登場したのは
1990年代からだ

295
00:19:00,182 --> 00:19:03,727
オ︱ディションに行き
部屋に入ると︱

296
00:19:02,142 --> 00:19:05,229
ハリ︱・
ベラフォンテの肉声

297
00:19:03,852 --> 00:19:08,440
向かい側には
不愛想な黒人がいた

298
00:19:06,438 --> 00:19:10,442
シドニ︱・ポワチエ

299
00:19:08,565 --> 00:19:11,652
そっけない感じだったよ

300
00:19:11,777 --> 00:19:15,989
彼を見た時
ライバルになると察した

301
00:19:16,114 --> 00:19:18,116
これからずっとね

302
00:19:18,408 --> 00:19:21,286
シドニーのような
スターになり––

303
00:19:21,411 --> 00:19:26,917
ステキな経験をしなければと
思って生きてきた

304
00:19:27,584 --> 00:19:28,335
それで…

305
00:19:28,460 --> 00:19:30,087
緊張感があるね

306
00:19:31,338 --> 00:19:34,091
父とハリーは親友よ

307
00:19:34,216 --> 00:19:36,510
ＡＮＴの初期から︱

308
00:19:35,259 --> 00:19:39,221
娘　シドニ︱・
ポワチエ・ハ︱トソング

309
00:19:36,635 --> 00:19:39,221
ずっと一緒だったの

310
00:19:40,097 --> 00:19:42,391
仲がいい時もあれば––

311
00:19:42,891 --> 00:19:46,228
仲たがいしてた時期もあった

312
00:19:46,353 --> 00:19:48,522
夫婦みたいな関係ね

313
00:19:48,647 --> 00:19:52,109
別居して離婚して
元サヤに戻る

314
00:19:52,234 --> 00:19:54,152
口論もするよ

315
00:19:54,278 --> 00:19:57,364
いろいろなことで
意見が食い違う

316
00:19:57,489 --> 00:20:00,242
冗談抜きでね

317
00:20:00,367 --> 00:20:02,995
ちゃんと意見交換をする

318
00:20:03,120 --> 00:20:06,582
26年間 彼から
多くを学んできた

319
00:20:06,707 --> 00:20:09,626
彼が僕から学んだかは謎だ

320
00:20:09,877 --> 00:20:13,672
アーティストだから
互いにエゴがある

321
00:20:13,797 --> 00:20:15,090
言ってやれ　ハニー

322
00:20:18,302 --> 00:20:19,303
だから…

323
00:20:20,387 --> 00:20:23,640
18歳の時 バードランドで––

324
00:20:20,387 --> 00:20:24,433
〝バ︱ドランド〟

325
00:20:23,765 --> 00:20:26,268
シドニーを見た

326
00:20:25,017 --> 00:20:28,770
クインシ︱・
ジョ︱ンズ

327
00:20:26,518 --> 00:20:29,188
ハリーと
マーロン・ブランドもいた

328
00:20:29,313 --> 00:20:33,108
すごかったね
歴史的な俳優たちだ

329
00:20:33,567 --> 00:20:36,153
みんな激しい性格でね

330
00:20:36,278 --> 00:20:38,780
愛し合い ケンカもする

331
00:20:39,364 --> 00:20:42,075
親密で 結束が固かった

332
00:20:42,576 --> 00:20:43,619
共に働き––

333
00:20:43,744 --> 00:20:46,079
互いにムカつき合いもした

334
00:20:46,663 --> 00:20:48,498
それは今もだろう

335
00:20:48,624 --> 00:20:50,542
ある芝居でシドニ︱が

336
00:20:49,416 --> 00:20:52,503
﹁Ｄａｙｓ Ｏｆ
Ｏｕｒ Ｙｏｕｔｈ﹂
１９４８年

337
00:20:50,667 --> 00:20:52,503
俺の代役になってさ

338
00:20:52,628 --> 00:20:55,797
劇団は無給だから
生活のため︱

339
00:20:54,713 --> 00:20:58,467
ハリ︱・ベラフォンテ

340
00:20:56,256 --> 00:20:58,467
俺は清掃員をしてた

341
00:20:58,592 --> 00:21:02,971
公演の夜 ハリーが
主役の劇にも関わらず––

342
00:21:03,096 --> 00:21:07,768
清掃員の仕事に
行かなくてはならなかった

343
00:21:07,893 --> 00:21:10,687
だから父が代わりに出たの

344
00:21:10,812 --> 00:21:15,192
その夜 偶然 ブロードウェイの
プロデューサーが来てて––

345
00:21:15,317 --> 00:21:21,073
父を「女の平和」に
キャスティングした

346
00:21:21,198 --> 00:21:23,659
ハリーは怒ったでしょうね

347
00:21:23,784 --> 00:21:25,577
当時
２０世紀フォックスの︱
〝２０世紀フォックス〟

348
00:21:25,702 --> 00:21:29,915
スカウトが東海岸に来てて
シドニーを見た

349
00:21:30,040 --> 00:21:33,710
彼を西海岸へ送り
選考して採用したんだ

350
00:21:33,836 --> 00:21:36,630
俺は“謙虚でいろ”と
彼に常々言う

351
00:21:36,755 --> 00:21:40,259
彼のキャリアは
ゴミの上に築かれてるから

352
00:21:40,384 --> 00:21:43,929
成功してなければ
辛らつになってたね

353
00:21:44,054 --> 00:21:46,431
成功したけど辛らつだ

354
00:21:57,484 --> 00:21:58,068
よう

355
00:21:58,193 --> 00:21:59,027
ルーサー

356
00:21:59,152 --> 00:22:01,446
ずっと君を捜してた

357
00:22:01,572 --> 00:22:03,991
﹁﹂

358
00:22:02,114 --> 00:22:04,575
マンキウィッツ
監督の作品で︱

359
00:22:04,700 --> 00:22:06,034
キャリアが始まった

360
00:22:05,200 --> 00:22:07,828
監督　ジョセフ・Ｌ・
マンキウィッツ

361
00:22:06,159 --> 00:22:06,743
やあ

362
00:22:06,869 --> 00:22:07,828
どうも

363
00:22:07,953 --> 00:22:12,165
彼はアメリカの黒人映画を
作ろうとしてた

364
00:22:11,665 --> 00:22:14,042
１９５０年

365
00:22:12,291 --> 00:22:15,002
とても興味深い作品だ

366
00:22:15,127 --> 00:22:16,712
史上初だろう

367
00:22:16,837 --> 00:22:21,633
僕はＬＡ病院の
若い黒人医師を演じた

368
00:22:21,758 --> 00:22:23,135
医師のブルックスだ

369
00:22:23,260 --> 00:22:25,220
ああ 聞いてる

370
00:22:25,345 --> 00:22:28,056
革新的な作品だった

371
00:22:28,307 --> 00:22:29,808
白人の医師がいい

372
00:22:29,933 --> 00:22:31,685
違いは分かるまい

373
00:22:31,810 --> 00:22:33,020
選ぶ権利は？

374
00:22:33,145 --> 00:22:34,146
ない！

375
00:22:34,271 --> 00:22:37,524
黒人が中心人物の
映画を作る––

376
00:22:37,649 --> 00:22:40,736
度胸のある人は
業界にいなかった

377
00:22:40,861 --> 00:22:43,655
当時 映画の中での––

378
00:22:43,780 --> 00:22:48,660
黒人の描かれ方は
ひどいものだったよ

379
00:22:48,785 --> 00:22:52,456
マッシュポテトは
ナイフなしで食べられる

380
00:22:50,412 --> 00:22:53,832
ステピン・フェチット

381
00:22:52,581 --> 00:22:53,832
真面目に答えろ

382
00:22:53,957 --> 00:22:58,545
１９４０年代の
黒人俳優は三枚目ばかり

383
00:22:58,670 --> 00:23:00,380
ステピン・フェチットに––

384
00:23:00,506 --> 00:23:01,673
マンタン・モアランドだ

385
00:23:01,798 --> 00:23:04,718
一緒に夜ふかし
してもいいですか？

386
00:23:02,007 --> 00:23:04,718
マンタン・モアランド

387
00:23:04,843 --> 00:23:05,886
いいや

388
00:23:06,011 --> 00:23:08,931
他の使用人に示しがつかない

389
00:23:09,056 --> 00:23:09,973
確かに

390
00:23:10,098 --> 00:23:12,851
それが黒人のスターだった

391
00:23:12,976 --> 00:23:15,103
面白さが必須条件だ

392
00:23:15,521 --> 00:23:19,358
マンタンやステピン
ハティ・マクダニエルがいた

393
00:23:19,483 --> 00:23:21,527
つらかっただろうなと––

394
00:23:21,652 --> 00:23:24,446
自分が映画に出て
感じたよ

395
00:23:21,860 --> 00:23:24,446
ハティ・マクダニエル

396
00:23:24,571 --> 00:23:28,075
彼らのセリフや役柄を
考えるとね

397
00:23:28,450 --> 00:23:30,744
なんて怠惰な男なんだ

398
00:23:31,203 --> 00:23:35,082
怠けてない
のんびりしてるだけ

399
00:23:35,332 --> 00:23:39,586
映画業界の
黒人に対する扱いは––

400
00:23:39,711 --> 00:23:41,505
ひどく無神経だった

401
00:23:41,630 --> 00:23:42,881
行かないで

402
00:23:43,006 --> 00:23:45,217
１９３９年に
ハティ・マクダニエルが

403
00:23:43,465 --> 00:23:47,052
第１２回 アカデミ︱賞

404
00:23:45,342 --> 00:23:47,386
アカデミ︱賞を取った

405
00:23:47,511 --> 00:23:50,889
でも彼女への待遇は
ひどかった

406
00:23:49,179 --> 00:23:52,349
娘
パメラ・ポワチエ

407
00:23:51,014 --> 00:23:54,643
彼女は所詮メイド役

408
00:23:55,310 --> 00:23:57,312
演技は見事でもね

409
00:23:57,938 --> 00:24:02,484
黒人に求められるのは
そんな役ばかりだった

410
00:24:02,609 --> 00:24:03,527
感謝を…

411
00:24:03,652 --> 00:24:08,365
シドニーは下働きの役は
やらなかったと思う

412
00:24:08,740 --> 00:24:10,659
変顔などはせず––

413
00:24:11,243 --> 00:24:12,828
こびも売らない

414
00:24:13,287 --> 00:24:15,289
ジョークも言わなかった

415
00:24:15,414 --> 00:24:17,666
彼が演じるのは一見––

416
00:24:17,791 --> 00:24:20,836
物静かで従順な男に見える

417
00:24:21,670 --> 00:24:24,423
だが実際は違うんだ

418
00:24:25,215 --> 00:24:28,051
人が死ねば
病院が責められる

419
00:24:28,177 --> 00:24:29,636
皆 僕を責める

420
00:24:29,761 --> 00:24:31,305
医者だからな

421
00:24:31,430 --> 00:24:34,308
いや違う　黒人だからだ

422
00:24:34,766 --> 00:24:37,394
シドニーが映画を変えた

423
00:24:37,519 --> 00:24:40,939
あんな黒人俳優は
いなかったよ

424
00:24:41,064 --> 00:24:45,569
それまでと異なる黒人像を
作り上げた

425
00:24:45,694 --> 00:24:47,696
がむしゃらだった

426
00:24:47,988 --> 00:24:50,657
僕は貧しい家の出身だ

427
00:24:50,782 --> 00:24:53,702
カリブ海の教養のない家庭さ

428
00:24:54,077 --> 00:24:58,498
だから僕の家族は
アメリカのことを––

429
00:24:58,624 --> 00:25:01,084
金稼ぎの場所と見てた

430
00:25:01,752 --> 00:25:05,756
稼ぎ始めたなら
実家に金を入れるべきだ

431
00:25:06,340 --> 00:25:08,133
だが送金できず––

432
00:25:08,258 --> 00:25:12,137
家族にひどいことを
してしまった

433
00:25:12,262 --> 00:25:13,347
見捨てたんだ

434
00:25:13,472 --> 00:25:17,100
金を同封できないから
手紙も書けない

435
00:25:17,226 --> 00:25:20,521
父は親思いで
愛してたからこそ––

436
00:25:20,646 --> 00:25:23,023
罪悪感もあったと思う

437
00:25:23,148 --> 00:25:25,192
８年離れてたからね

438
00:25:26,235 --> 00:25:29,988
両親と再会したのは
渡米の８年後だった

439
00:25:26,735 --> 00:25:29,988
ナッソ︱

440
00:25:30,447 --> 00:25:32,282
ナッソーの映画館で––

441
00:25:32,407 --> 00:25:35,744
「復讐鬼」を家族と見たんだ

442
00:25:35,869 --> 00:25:37,120
重要なんだ

443
00:25:37,246 --> 00:25:38,372
両親にとって––

444
00:25:38,497 --> 00:25:41,875
映画を見ること自体
初めてだった

445
00:25:42,000 --> 00:25:45,420
夢のような体験だっただろう

446
00:25:45,712 --> 00:25:49,508
内容を理解してたかは
分からないが

447
00:25:49,633 --> 00:25:52,010
夢中で見てくれてたよ

448
00:25:52,135 --> 00:25:57,391
“あれは うちの息子だ！”と
言ってね

449
00:25:57,516 --> 00:26:02,437
この成功のあと
僕はハーレムの皿洗いに戻った

450
00:26:02,563 --> 00:26:06,608
挫折したものの
また成功すると信じてた

451
00:26:06,733 --> 00:26:10,362
そして美しい
ファニ︱タと結婚し︱

452
00:26:09,278 --> 00:26:12,865
１９５０年４月２９日

453
00:26:10,487 --> 00:26:12,865
前向きに生きようとした

454
00:26:13,073 --> 00:26:16,201
長女の誕生後まもなくして

455
00:26:16,326 --> 00:26:18,954
第２子の妊娠が判明した

456
00:26:19,454 --> 00:26:22,624
母は とても楽観的な人で––

457
00:26:22,749 --> 00:26:25,252
父は少し悲観的だった

458
00:26:26,003 --> 00:26:29,673
でも母の楽天主義の方が
強かったわ

459
00:26:29,798 --> 00:26:34,761
人の気持ちも読める母に
父は引かれたんだと思う

460
00:26:34,887 --> 00:26:38,807
無条件に人を
愛することのできる母に––

461
00:26:38,932 --> 00:26:41,310
心を奪われたのよ

462
00:26:42,561 --> 00:26:47,524
当時コロンビア大の
クラスでは 私が︱

463
00:26:46,356 --> 00:26:49,943
ファニ︱タ・ハ︱ディ

464
00:26:48,317 --> 00:26:50,903
唯一の黒人女子だった

465
00:26:51,028 --> 00:26:53,739
“二重苦”ってやつね

466
00:26:54,573 --> 00:26:56,909
私はアメリカにおける––

467
00:26:57,034 --> 00:27:01,496
黒人と白人の現状について
論文を書いた

468
00:27:01,622 --> 00:27:04,416
“着想はどこから？”と
聞かれ––

469
00:27:04,541 --> 00:27:07,127
“経験者からよ”と答えたわ

470
00:27:07,377 --> 00:27:11,298
出会った時のシドニーの
学力は小３程度で––

471
00:27:11,423 --> 00:27:14,384
常に学習意欲にあふれてた

472
00:27:14,510 --> 00:27:16,303
とにかく––

473
00:27:16,428 --> 00:27:21,141
気になったことは全部
知りたがったの

474
00:27:21,642 --> 00:27:25,812
彼が知らないだろうと
思ったことは––

475
00:27:25,938 --> 00:27:28,565
必ず教えるようにしてた

476
00:27:28,690 --> 00:27:30,901
役に立てばと思ってね

477
00:27:31,026 --> 00:27:34,404
そのうち彼は
打診された映画を––

478
00:27:34,530 --> 00:27:37,241
吟味できるようになった

479
00:27:37,366 --> 00:27:39,618
お金がすべてじゃないわ

480
00:27:40,285 --> 00:27:44,957
父はある役を
エージェントに打診された

481
00:27:45,082 --> 00:27:48,126
でも父は断ったの

482
00:27:45,082 --> 00:27:50,128
娘
アニカ・ポワチエ

483
00:27:48,252 --> 00:27:50,629
驚かれたそうよ

484
00:27:50,754 --> 00:27:54,925
“ギャラは
君の年収より高いのに”とね

485
00:27:55,300 --> 00:27:58,929
次女が生まれる直前でね

486
00:27:59,263 --> 00:28:00,639
金はなかった

487
00:28:00,973 --> 00:28:04,142
﹁無警察地帯﹂

488
00:28:02,641 --> 00:28:04,810
清掃員の役を打診された

489
00:28:04,935 --> 00:28:07,229
清掃員を演じるのはいい

490
00:28:07,354 --> 00:28:11,191
だが その作品では
殺人が起きるんだ

491
00:28:11,316 --> 00:28:14,278
殺人の犯人や関係者たちに––

492
00:28:14,403 --> 00:28:17,281
こう思われてしまう

493
00:28:17,865 --> 00:28:21,201
“清掃員に
殺人を目撃された”と

494
00:28:21,410 --> 00:28:25,455
そのせいで清掃員の娘が
殺されてしまうの

495
00:28:26,123 --> 00:28:30,502
脚本上 芝生に倒れた
娘の遺体を見て––

496
00:28:30,627 --> 00:28:35,465
清掃員が気持ちを語るシーンは
なかったの

497
00:28:35,591 --> 00:28:39,678
でも制作陣は
変更する気はなかった

498
00:28:41,096 --> 00:28:44,558
そしてシドニーは こう言った

499
00:28:44,683 --> 00:28:49,438
“父のレジナルドなら
子供を殺されて––”

500
00:28:49,563 --> 00:28:51,690
“黙ってるわけがない”

501
00:28:51,815 --> 00:28:54,568
父は祖父の考えを
軸に︱

502
00:28:53,275 --> 00:28:57,029
娘
ビバリ︱・ポワチエ＝
ヘンダ︱ソン

503
00:28:54,693 --> 00:28:57,029
意思決定をしてた

504
00:28:57,571 --> 00:28:59,907
こんなことを言ってたわ

505
00:29:00,032 --> 00:29:04,953
“出演作のクレジットには
ポワチエと出る”

506
00:29:05,078 --> 00:29:07,539
“父の名は汚せない”

507
00:29:07,915 --> 00:29:10,000
そんな役はできない

508
00:29:10,959 --> 00:29:16,256
僕は父の息子だから

509
00:29:16,757 --> 00:29:20,219
引き受けることは
できなかった

510
00:29:21,136 --> 00:29:24,139
僕は母の息子だから

511
00:29:24,348 --> 00:29:27,017
そうして役を蹴ったの

512
00:29:27,601 --> 00:29:31,146
出産にかかる費用を
支払うために––

513
00:29:31,271 --> 00:29:34,399
ローンを組み
借金までしてね

514
00:29:34,525 --> 00:29:37,986
父は自分がすべき
決断をしたの

515
00:29:35,484 --> 00:29:37,986
娘
シェリ・ポワチエ

516
00:29:38,111 --> 00:29:43,033
世間が父に
期待してなかったとしても

517
00:29:43,325 --> 00:29:46,078
父は自分に期待してた

518
00:29:46,620 --> 00:29:51,166
自分を信じられるのは
母のおかげであり…

519
00:29:57,339 --> 00:29:58,841
父のおかげだ

520
00:30:10,143 --> 00:30:13,564
まず机の下に潜り 頭を守る

521
00:30:15,941 --> 00:30:18,694
冷戦時 アメリカでは––

522
00:30:18,819 --> 00:30:22,239
ある種の
被害妄想が広まった

523
00:30:20,737 --> 00:30:22,239
作家／歴史家
ネルソン・ジョ︱ジ

524
00:30:22,364 --> 00:30:25,367
“共産主義に
生活が脅かされる”と

525
00:30:25,492 --> 00:30:28,996
共産主義者は
秘密裏に工作員を––

526
00:30:29,121 --> 00:30:32,207
映画業界に送り込んでいた

527
00:30:32,332 --> 00:30:36,253
銀幕で宣伝工作すべく
あらゆる手を使ったのだ

528
00:30:36,378 --> 00:30:38,672
彼らは敵！　非国民よ

529
00:30:38,797 --> 00:30:41,675
同性愛者で共産主義者だ！

530
00:30:41,800 --> 00:30:43,385
共産主義者！

531
00:30:43,510 --> 00:30:46,180
共産主義者は
国務省に︱

532
00:30:44,386 --> 00:30:47,472
ジョセフ・マッカ︱シ︱

533
00:30:46,305 --> 00:30:49,183
１人も いてはならない

534
00:30:49,308 --> 00:30:53,729
ちょうどハワード大入学の
時期だった

535
00:30:53,854 --> 00:30:57,357
初めて見た
テレビ放送が︱

536
00:30:55,272 --> 00:30:59,693
政治家／活動家
アンドリュ︱・ヤング
元国連大使

537
00:30:57,482 --> 00:30:59,693
マッカ︱シ︱の
公聴会でね

538
00:30:59,818 --> 00:31:02,237
寮の共同スペースで見たよ

539
00:31:02,362 --> 00:31:03,697
すごく怖かった

540
00:31:03,822 --> 00:31:05,699
国や政府内では––

541
00:31:05,824 --> 00:31:10,037
忠誠宣誓を求める声が
高まっています

542
00:31:08,493 --> 00:31:10,746
〝共産主義から
国を守れ〟

543
00:31:10,162 --> 00:31:14,166
共産主義者や支持者と
疑われた者の中に––

544
00:31:14,291 --> 00:31:16,877
ポール・ロブソンがいた

545
00:31:17,002 --> 00:31:20,255
共産主義者なのに
モスクワから帰国を？

546
00:31:20,797 --> 00:31:24,051
なぜ私が
共産主義者だと言える？
ポ︱ル・ロブソン

547
00:31:24,384 --> 00:31:25,761
実に不快だ

548
00:31:25,886 --> 00:31:28,263
質問を言い直してくれ

549
00:31:30,599 --> 00:31:33,852
﹁巨人ジョ︱ンズ﹂
１９３３年

550
00:31:33,977 --> 00:31:36,021
１９３０年代 ポ︱ルは

551
00:31:36,146 --> 00:31:39,608
アフリカ系アメリカ人の
代表的人物で︱

552
00:31:39,733 --> 00:31:42,402
黒人エンタメ界の
頂点にいた

553
00:31:41,109 --> 00:31:45,239
ポワチエ伝記作家
アラム・グ︱ス︱ジアン

554
00:31:42,528 --> 00:31:45,614
後に登場する
シドニ︱やハリ︱に︱

555
00:31:45,739 --> 00:31:48,033
一目置かれていた

556
00:31:49,910 --> 00:31:54,915
労働者階級を支持したため
彼は“赤”だと疑われた

557
00:31:55,040 --> 00:31:57,125
本人は しらを切ったがね

558
00:31:58,168 --> 00:32:02,130
ポールは
シドニーやハリーにとって

559
00:32:02,548 --> 00:32:05,342
良くも悪くも手本となった

560
00:32:05,467 --> 00:32:10,806
どちら側について
闘っていくべきかを示したんだ

561
00:32:10,931 --> 00:32:15,227
〝ドル札から
ジムクロウを排除せよ〟

562
00:32:13,225 --> 00:32:15,227
業界を追放され––

563
00:32:15,352 --> 00:32:19,439
パスポートも剥奪され
国外でも働けなくなった

564
00:32:19,648 --> 00:32:23,485
自由のために
民衆は闘うだろう

565
00:32:23,610 --> 00:32:27,030
与えられないなら
奪いに行く

566
00:32:27,155 --> 00:32:31,827
どんなに たたかれても
耐えるポールの姿を––

567
00:32:31,952 --> 00:32:33,662
シドニーは見た

568
00:32:34,204 --> 00:32:37,875
それが身の振り方の
ヒントに︱
スパイク・リ︱

569
00:32:39,626 --> 00:32:41,420
なったんだ

570
00:32:42,504 --> 00:32:45,382
授業を聞け　サンティーニ

571
00:32:45,507 --> 00:32:46,884
聞いてるよ

572
00:32:47,593 --> 00:32:49,761
﹁暴力教室﹂

573
00:32:49,887 --> 00:32:51,722
１９５５年

574
00:32:51,221 --> 00:32:54,224
ミラ︱　来い
ちょっと話がある

575
00:32:54,349 --> 00:32:58,187
﹁暴力教室﹂では
忠誠を求められた

576
00:32:54,933 --> 00:32:58,187
監督
リチャ︱ド・
ブルックス

577
00:32:58,312 --> 00:32:58,937
数回ね

578
00:32:59,062 --> 00:33:00,063
どうして？

579
00:32:59,062 --> 00:33:00,063
どうして？

580
00:32:59,313 --> 00:33:03,692
スタッズ・タ︱ケルの
ラジオインタビュ︱

581
00:32:59,313 --> 00:33:03,692
スタッズ・タ︱ケルの
ラジオインタビュ︱

582
00:33:00,397 --> 00:33:03,692
ポ︱ルと
知り合いだったし︱

583
00:33:03,817 --> 00:33:07,279
彼を称賛してた
からだろう

584
00:33:07,404 --> 00:33:11,241
それで目を付けられたのさ

585
00:33:11,366 --> 00:33:13,035
謙遜するな

586
00:33:13,160 --> 00:33:15,954
お前は他のらより賢い

587
00:33:16,079 --> 00:33:16,663
俺が？

588
00:33:16,788 --> 00:33:17,623
ああ

589
00:33:18,123 --> 00:33:19,917
リーダーが必要だ

590
00:33:20,042 --> 00:33:22,252
カウンターアタックという––

591
00:33:22,377 --> 00:33:26,131
反共産主義の会報に
シドニーが載った

592
00:33:24,796 --> 00:33:30,511
〝シドニ︱・ポワチエ
共産主義団体を支援〟

593
00:33:26,256 --> 00:33:30,511
さまざまな左派の著名人を
調査する会報だ

594
00:33:30,636 --> 00:33:34,014
1950年代 彼は
要注意人物とされた

595
00:33:34,556 --> 00:33:39,186
当時 映画業界で
仕事をしたい場合––

596
00:33:39,311 --> 00:33:41,188
ある条件があった

597
00:33:41,313 --> 00:33:46,568
ブラックリストを作る権力者と
親しいことだ

598
00:33:46,693 --> 00:33:47,528
君は？

599
00:33:48,779 --> 00:33:50,239
行こうぜ

600
00:33:50,489 --> 00:33:52,908
俺を誘ったんだよ

601
00:33:53,033 --> 00:33:55,577
すべてを失う覚悟で拒んだ

602
00:33:55,702 --> 00:33:59,081
ノーと言わざるを
得ないこともある

603
00:33:59,206 --> 00:34:03,418
損得で行動するより
自分に正直でいたい

604
00:34:03,877 --> 00:34:05,128
勇敢な人だ

605
00:34:05,254 --> 00:34:08,924
あんなリスクを冒せば
追放もあり得た

606
00:34:06,713 --> 00:34:08,924
デンゼル・ワシントン

607
00:34:09,049 --> 00:34:13,554
意見を言う者は
潰される時代だったんだ

608
00:34:15,639 --> 00:34:19,476
父の教えで
ずっと頭にあるのが––

609
00:34:19,601 --> 00:34:22,103
真の男を測る基準だ

610
00:34:22,228 --> 00:34:25,940
どれだけ子供に
与えられたかで決まる

611
00:34:26,065 --> 00:34:30,237
それが僕の脳に
くっきりと刻まれてる

612
00:34:30,779 --> 00:34:32,822
先は分からなかったが––

613
00:34:32,947 --> 00:34:36,451
負けるわけには
いかなかった

614
00:34:37,452 --> 00:34:42,456
そんな時 リチャードから
「黒い牙」に誘われた

615
00:34:42,583 --> 00:34:45,835
おかげで
僕のキャリアは花開く

616
00:34:46,210 --> 00:34:49,422
当時のアメリカは
目覚め始め––

617
00:34:49,547 --> 00:34:53,844
変化が不可避だと
認識し始めてたのか？

618
00:34:51,550 --> 00:34:53,844
〝州内白人乗客専用
待合室〟

619
00:34:53,969 --> 00:34:55,429
それはない

620
00:34:55,721 --> 00:34:59,558
黒人の子供が学校に通ってる

621
00:34:59,683 --> 00:35:03,270
愛情に満ちた
真っ当な白人の親は︱
レアンダ︱・ペレス判事
愛情に満ちた
真っ当な白人の親は︱
レアンダ︱・ペレス判事

622
00:35:03,395 --> 00:35:07,399
子供を腐敗した学校から
転校させるべきだ

623
00:35:07,900 --> 00:35:10,360
これが1950年のアメリカだ

624
00:35:10,485 --> 00:35:11,612
〝有色人種席〟

625
00:35:11,737 --> 00:35:15,782
俳優で成功しただけでも
夢のようだが––

626
00:35:15,908 --> 00:35:19,953
映画業界で
史上初の出来事が起きた

627
00:35:20,078 --> 00:35:22,372
黒人が主役になったのだ

628
00:35:26,126 --> 00:35:29,463
﹁手錠のままの脱獄﹂

629
00:35:27,669 --> 00:35:30,506
言われただろ
ニガ︱　黙れ

630
00:35:33,842 --> 00:35:37,221
監督
スタンリ︱・
クレイマ︱

631
00:35:34,635 --> 00:35:37,221
ニガ︱と呼ぶな
殺すぞ

632
00:35:37,888 --> 00:35:39,056
やってみろ

633
00:35:41,225 --> 00:35:41,892
危ない！

634
00:35:41,475 --> 00:35:43,894
１９５８年

635
00:35:50,150 --> 00:35:56,114
ユダヤ人と黒人には
通ずるものがあると思ってるの

636
00:35:56,240 --> 00:35:58,200
﹁手錠のままの脱獄﹂に
出た︱

637
00:35:56,823 --> 00:36:00,327
バ︱ブラ・
ストライサンド

638
00:35:56,823 --> 00:36:00,327
バ︱ブラ・
ストライサンド

639
00:35:58,325 --> 00:36:00,702
ユダヤ人のトニ︱と︱

640
00:35:58,325 --> 00:36:00,702
ユダヤ人のトニ︱と︱

641
00:36:00,994 --> 00:36:04,248
黒人のシドニー・ポワチエね

642
00:36:04,373 --> 00:36:08,252
手錠でつながれた２人が
化学反応を起こす

643
00:36:08,377 --> 00:36:10,838
遺伝子レベルで通じ合う

644
00:36:11,672 --> 00:36:14,800
初めて見た映画だったの

645
00:36:14,925 --> 00:36:16,927
すごく印象的だった

646
00:36:17,052 --> 00:36:20,389
今でもシドニ︱の
セリフを覚えてる

647
00:36:17,845 --> 00:36:21,515
ハル・ベリ︱

648
00:36:20,514 --> 00:36:22,850
〝イライラしてる
半人前扱いするな〟

649
00:36:22,975 --> 00:36:25,602
ああ 俺もイライラしてる

650
00:36:25,727 --> 00:36:27,729
半人前扱いするな

651
00:36:28,021 --> 00:36:32,901
映画の中で
黒人が力を主張し––

652
00:36:33,026 --> 00:36:36,738
白人から敬意を得る姿を
初めて見た

653
00:36:37,030 --> 00:36:41,034
物語の中で
黒人ノアは ある決断をした

654
00:36:44,454 --> 00:36:47,082
自由への道を犠牲にして…

655
00:36:47,207 --> 00:36:48,208
来い！

656
00:36:48,792 --> 00:36:51,461
届かない　無理だ！

657
00:36:51,587 --> 00:36:53,255
白人の友を救う

658
00:36:58,969 --> 00:37:03,140
多くの黒人にとっては
信じ難い行動だろう

659
00:37:03,432 --> 00:37:06,351
「手錠のままの脱獄」は––

660
00:37:06,476 --> 00:37:10,480
黒人が白人を助ける映画の
典型的な例だ

661
00:37:10,606 --> 00:37:15,819
黒人がリスクを冒してまで
自己を犠牲にする

662
00:37:15,944 --> 00:37:20,657
窮地に立つ白人を
助けるためにね

663
00:37:20,782 --> 00:37:26,747
それが長年続く
お決まりのパターンになった

664
00:37:26,872 --> 00:37:30,209
そうやって
困難な時でも見せる––

665
00:37:30,334 --> 00:37:33,921
黒人の人間性や共感力を
描いたんだ

666
00:37:35,005 --> 00:37:38,634
だが くだらないと思う
黒人もいたようだ

667
00:37:38,884 --> 00:37:41,845
少しだけ考えてしまった

668
00:37:42,262 --> 00:37:45,015
俺は どうするだろう？

669
00:37:47,017 --> 00:37:48,727
俺も飛び降りるね

670
00:37:50,062 --> 00:37:52,856
苦労を共にした仲間だ

671
00:37:54,358 --> 00:37:56,193
見捨てはしない

672
00:37:57,069 --> 00:37:58,904
こんな意見もある

673
00:37:57,361 --> 00:38:01,114
ジェ︱ムズ・
ボ︱ルドウィン

674
00:37:57,361 --> 00:38:01,114
ジェ︱ムズ・
ボ︱ルドウィン

675
00:37:59,029 --> 00:38:02,199
〝中流階級の白人は
好むだろうが〟

676
00:37:59,029 --> 00:38:02,199
〝中流階級の白人は
好むだろうが〟

677
00:38:02,324 --> 00:38:04,326
〝黒人たちは叫ぶよ〟

678
00:38:03,450 --> 00:38:07,538
スタッズ・タ︱ケルの
ラジオインタビュ︱

679
00:38:04,451 --> 00:38:06,411
〝列車に戻れ　バカ！〟

680
00:38:06,870 --> 00:38:08,247
どう思う？

681
00:38:08,372 --> 00:38:09,623
特に何も

682
00:38:09,748 --> 00:38:12,376
あれは革命的な映画だった

683
00:38:12,501 --> 00:38:13,168
ええ

684
00:38:13,293 --> 00:38:17,172
その事実は今も変わらない

685
00:38:17,714 --> 00:38:19,383
俺たちは大丈夫だ

686
00:38:19,675 --> 00:38:20,509
ああ

687
00:38:22,261 --> 00:38:25,138
「手錠のままの脱獄」で––

688
00:38:25,264 --> 00:38:28,684
シドニ︱は俳優としての
実力を示した

689
00:38:28,809 --> 00:38:32,604
名前が作品名より先に
書かれたのは︱

690
00:38:31,854 --> 00:38:35,899
〝トニ︱・カ︱ティス
シドニ︱・ポワチエ出演
﹁手錠のままの脱獄﹂〟

691
00:38:32,729 --> 00:38:35,899
主役級スターになった証しだ

692
00:38:36,024 --> 00:38:39,903
主役の２人がアカデミー賞に
ノミネートされた

693
00:38:40,028 --> 00:38:44,491
ハティ以来
黒人のノミネートは初めてよ

694
00:38:44,616 --> 00:38:49,079
父はノミネートの盾を
壁に飾ってたわ

695
00:38:49,204 --> 00:38:51,957
それほどの一大事だったの

696
00:38:53,000 --> 00:38:56,003
シドニーへの注目は高まり––

697
00:38:56,628 --> 00:39:00,716
黒人誌の表紙を飾る
スターとなった

698
00:39:03,677 --> 00:39:06,388
彼は あらゆる点でステキだわ

699
00:39:06,513 --> 00:39:08,557
あんな笑顔の人いる？

700
00:39:08,682 --> 00:39:11,560
マーロン・ブランドくらいよ

701
00:39:15,814 --> 00:39:18,400
シドニーは まるで––

702
00:39:18,525 --> 00:39:21,862
歩くヨルバ族の美しき仮面だ

703
00:39:21,987 --> 00:39:24,114
ベニン・ブロンズとかね

704
00:39:24,489 --> 00:39:25,741
まるで彫刻だ

705
00:39:25,866 --> 00:39:28,827
とても華やかで魅力的よね

706
00:39:28,952 --> 00:39:32,414
彼と結婚したかった
分かるでしょ？

707
00:39:32,539 --> 00:39:37,920
完璧で理想的な黒人像を
体現してる人だと思う

708
00:39:38,212 --> 00:39:39,838
彼は確信犯さ

709
00:39:39,963 --> 00:39:45,010
シドニーはイメージの重要性を
理解してたんだ

710
00:39:45,469 --> 00:39:47,596
父を見て泣く女性や––

711
00:39:47,721 --> 00:39:49,723
卒倒する女性もいた

712
00:39:49,848 --> 00:39:51,767
夫たちも倒れてたわ

713
00:39:51,892 --> 00:39:56,438
みんなが父に
夢中になる姿を見てきた

714
00:39:56,897 --> 00:40:00,692
彼はとても優雅で
威厳があったわ

715
00:40:00,817 --> 00:40:02,152
彼を見ると“ワオ”

716
00:40:02,277 --> 00:40:04,988
映画スターはそうでなきゃ

717
00:40:07,908 --> 00:40:10,911
〝﹁レ︱ズン・
イン・ザ・サン﹂〟

718
00:40:08,784 --> 00:40:10,911
1959年に共演したから––

719
00:40:11,036 --> 00:40:14,748
シドニ︱とは
かなり仲よくなったよ

720
00:40:11,954 --> 00:40:14,748
ルイス・
ゴセット・Ｊｒ

721
00:40:19,002 --> 00:40:21,964
「レーズン・イン・
ザ・サン」の原作は––

722
00:40:22,089 --> 00:40:25,551
学校で黒人に
必ず読まれてきた

723
00:40:33,517 --> 00:40:37,521
ミンクのコ︱トを
シドニ︱が買ってきたの

724
00:40:36,144 --> 00:40:39,857
ファニ︱タ・ハ︱ディ

725
00:40:37,771 --> 00:40:41,775
私はコ︱トなんて
要らないと断ったわ

726
00:40:42,109 --> 00:40:44,903
コートを返品した お金で––

727
00:40:45,028 --> 00:40:48,240
「レーズン・イン・
ザ・サン」に投資した

728
00:40:48,365 --> 00:40:50,492
私が最大の投資家となり––

729
00:40:50,617 --> 00:40:54,037
彼はブロードウェイで
舞台を上演した

730
00:40:54,162 --> 00:40:58,709
成功するかは分からなかったが
感触はよかった

731
00:40:59,042 --> 00:41:02,629
１幕の終了後
客席がすごく静かでね

732
00:41:03,213 --> 00:41:05,007
失敗だと思った

733
00:41:05,132 --> 00:41:10,304
だが２幕では
観客が役者に感情移入してた

734
00:41:10,429 --> 00:41:12,681
劇が終わる頃には皆––

735
00:41:13,015 --> 00:41:14,183
息をのんでた

736
00:41:14,308 --> 00:41:18,103
そして“ブラボー！”と
叫んでくれたよ

737
00:41:18,228 --> 00:41:19,313
最高だった

738
00:41:19,980 --> 00:41:22,649
〝俳優は僕の天職だ〟と

739
00:41:21,857 --> 00:41:23,817
〝ニュ︱ヨ︱ク
演劇批評家協会賞 受賞〟

740
00:41:22,774 --> 00:41:25,736
この舞台の初日に思った

741
00:41:26,111 --> 00:41:29,781
長年 蓄積してきた疑念は
消えたんだ

742
00:41:29,907 --> 00:41:33,035
最初のＡＮＴでの
オーディションでは––

743
00:41:33,160 --> 00:41:35,662
邪険に扱われた

744
00:41:36,038 --> 00:41:39,666
だが あの夜 僕は確信した

745
00:41:39,791 --> 00:41:42,419
天職に導かれたんだ

746
00:41:42,544 --> 00:41:43,879
僕は俳優だ

747
00:41:45,130 --> 00:41:47,382
﹁レ︱ズン・
イン・ザ・サン﹂

748
00:41:45,631 --> 00:41:47,382
俺には計画がある

749
00:41:47,508 --> 00:41:50,177
１９６１年

750
00:41:47,508 --> 00:41:51,011
この街をひっくり返してやる

751
00:41:51,136 --> 00:41:52,179
分かるか？

752
00:41:52,304 --> 00:41:55,724
翌年 映画化され
舞台も盛況

753
00:41:52,804 --> 00:41:55,724
監督
ダニエル・ペトリ

754
00:41:56,141 --> 00:41:59,061
非常に刺激的な演技だったよ

755
00:41:59,186 --> 00:42:05,025
初期の公民権運動の中で
黒人による作品がヒットした

756
00:42:05,150 --> 00:42:09,404
白人の脚本家が書いた
他の作品とは違う

757
00:42:09,530 --> 00:42:13,450
ロレインが描く黒人には
現実味があった

758
00:42:10,405 --> 00:42:13,450
ロレイン・ハンズベリ︱

759
00:42:13,575 --> 00:42:15,827
そこが他と異なるんだ

760
00:42:15,953 --> 00:42:18,372
あんたは忙しいんだろ

761
00:42:18,497 --> 00:42:19,957
ウォルター

762
00:42:21,333 --> 00:42:24,962
黒人の大学生ほど
忙しい奴はいないよな

763
00:42:23,377 --> 00:42:26,505
ルイス・ゴセット・Ｊｒ

764
00:42:25,087 --> 00:42:27,297
友愛会のバッジに
白い靴で・・・

765
00:42:27,422 --> 00:42:28,006
ねえ

766
00:42:28,131 --> 00:42:33,345
本を脇に抱えて
授業に行く姿を俺は見てる

767
00:42:33,720 --> 00:42:36,223
何を頭に詰め込んでる？

768
00:42:36,348 --> 00:42:40,727
黒人の可能性には
ある意味 限界があった

769
00:42:40,853 --> 00:42:44,231
特に野心的な
若い黒人にとってはね

770
00:42:44,439 --> 00:42:47,067
それをシドニーが表現した

771
00:42:47,192 --> 00:42:49,444
この作品のシドニーと––

772
00:42:49,570 --> 00:42:53,991
「ボーイズ’ン・ザ・フッド」の
少年は ほぼ同じ

773
00:42:54,116 --> 00:42:56,827
君は苦痛に満ちてる

774
00:42:58,495 --> 00:43:00,664
あんたは どうなんだ？

775
00:43:00,789 --> 00:43:03,500
成功はつかめそうか？

776
00:43:05,210 --> 00:43:06,211
聞けよ

777
00:43:09,089 --> 00:43:10,090
苦痛だと？

778
00:43:11,008 --> 00:43:14,261
俺は火山で巨人だ
アリに囲まれてる

779
00:43:14,386 --> 00:43:16,930
俺の話も理解できないアリだ

780
00:43:17,347 --> 00:43:20,726
彼は先を読んだ上で
芸術を紡ぐんだ

781
00:43:20,851 --> 00:43:23,729
カメラの位置や役者の動き

782
00:43:23,854 --> 00:43:25,397
すべて把握してた

783
00:43:25,522 --> 00:43:28,483
マネしたくなる役者だよ

784
00:43:33,822 --> 00:43:36,867
﹁パリの旅愁﹂

785
00:43:37,159 --> 00:43:38,368
１９６１年

786
00:43:38,869 --> 00:43:42,206
監督
マ︱ティン・リット

787
00:43:41,288 --> 00:43:44,333
シドニ︱と会った
きっかけは︱

788
00:43:44,458 --> 00:43:47,336
伯母のダイアンと
恋仲だったからだ

789
00:43:47,461 --> 00:43:49,046
俺は５歳だった

790
00:43:49,171 --> 00:43:52,716
２人が
どんな関係だったかは

791
00:43:51,340 --> 00:43:55,427
レニ︱・クラヴィッツ

792
00:43:53,133 --> 00:43:57,804
シドニ︱の自叙伝を
読んで 知ったんだ

793
00:43:58,096 --> 00:44:03,352
当時の伯母は２人について
多くを語らなかった

794
00:44:03,477 --> 00:44:07,898
俺が大人になってから
話を聞いたよ

795
00:44:08,023 --> 00:44:09,942
“今なら話せる”と

796
00:44:10,651 --> 00:44:13,737
初めて聞いた時は驚いた

797
00:44:13,862 --> 00:44:16,323
複雑な関係だったとはね

798
00:44:17,324 --> 00:44:18,242
ステキね

799
00:44:18,951 --> 00:44:21,703
私までステキになった気分

800
00:44:22,287 --> 00:44:23,997
あなたといると––

801
00:44:24,122 --> 00:44:27,459
自分が特別だと思える

802
00:44:27,584 --> 00:44:29,545
セクシーな映画だよ

803
00:44:29,670 --> 00:44:31,922
美しい白黒映画で––

804
00:44:32,214 --> 00:44:34,091
優雅なパリが舞台だ

805
00:44:34,424 --> 00:44:37,469
洞窟みたいな
ジャズクラブもいい

806
00:44:37,594 --> 00:44:39,096
出演者はポール・ニューマン

807
00:44:39,763 --> 00:44:42,099
そして伯母のダイアン

808
00:44:42,224 --> 00:44:46,478
作品中で
驚くべき魅力を放ってる

809
00:44:46,603 --> 00:44:50,524
シドニーとダイアンは
最も美しいカップルだ

810
00:44:50,649 --> 00:44:53,861
トレンチコートで
夜のパリを歩き––

811
00:44:53,986 --> 00:44:57,322
公民権運動や愛について
語り合う

812
00:44:57,614 --> 00:45:00,242
もう少しパリにいろよ

813
00:45:00,367 --> 00:45:02,578
のんびりランチするんだ

814
00:45:02,703 --> 00:45:04,705
ある朝 海を見渡し––

815
00:45:04,830 --> 00:45:06,331
“ここだ”と思うはず

816
00:45:06,957 --> 00:45:10,669
彼は国民的スターに
なっていく中で––

817
00:45:10,794 --> 00:45:13,130
私的な悩みも抱えてた

818
00:45:13,255 --> 00:45:18,343
ダイアンとの深い絆を感じ
妻とは距離を感じる

819
00:45:18,468 --> 00:45:20,345
だが彼は父親だ

820
00:45:20,470 --> 00:45:25,517
どれだけ子供に与えたかが
重要だと教えられてる

821
00:45:25,642 --> 00:45:29,188
その教えに逆らって
不倫をするのか？

822
00:45:29,813 --> 00:45:31,648
行かせたくない

823
00:45:32,774 --> 00:45:34,443
じゃあ一緒に来て

824
00:45:35,360 --> 00:45:39,198
撮影が終わる頃もまだ
半端な関係だった

825
00:45:39,323 --> 00:45:42,993
互いの人生も
２人の関係も先が見えず

826
00:45:43,118 --> 00:45:46,246
家庭をどうすべきかも
分からなかった

827
00:45:46,788 --> 00:45:49,249
“忙しい”と言われたわ

828
00:45:49,374 --> 00:45:52,836
“だから家にいられない”

829
00:45:52,961 --> 00:45:56,590
“執筆のために
アパートを借りる”

830
00:45:56,715 --> 00:45:59,092
“仕事のためだ”とね

831
00:45:59,510 --> 00:46:01,887
もちろん 後になって––

832
00:46:02,012 --> 00:46:04,640
ウソだったと判明した

833
00:46:04,765 --> 00:46:08,060
仕事のためじゃなかったわ

834
00:46:14,942 --> 00:46:17,236
今こそ自由を求めましょう

835
00:46:17,361 --> 00:46:19,446
〝公民権を求めて
行進しよう〟

836
00:46:18,445 --> 00:46:21,782
皆で首都ワシントンへ
行くのです

837
00:46:21,907 --> 00:46:26,328
飛行機でも車でもバスでも
何としても行きましょう

838
00:46:23,450 --> 00:46:25,410
〝ワシントンの行進に
参加を〟

839
00:46:29,373 --> 00:46:31,959
“彼らは至る所から流れ込む”

840
00:46:35,379 --> 00:46:40,300
すべてにおいて黒人も
白人と同等の権利を求める

841
00:46:40,425 --> 00:46:43,011
自由を！　自由を！

842
00:46:51,895 --> 00:46:56,233
ワシントン大行進
１９６３年

843
00:46:56,400 --> 00:46:59,194
ケネディ大統領の
公民権法案への––

844
00:46:59,319 --> 00:47:02,281
支持を表明するための
行進です

845
00:47:02,406 --> 00:47:05,242
南部の黒人運動を
やってた

846
00:47:03,031 --> 00:47:05,242
政治家／活動家
アンドリュ︱・ヤング
元国連大使

847
00:47:05,367 --> 00:47:07,619
1963年８月までね

848
00:47:07,744 --> 00:47:09,079
〝共に生き 働こう〟

849
00:47:07,995 --> 00:47:11,456
南部の黒人の
夢を語ったのは––

850
00:47:11,582 --> 00:47:14,126
キング牧師だけじゃない

851
00:47:14,251 --> 00:47:19,131
ハリウッドのスターたちも
同じだったんだ

852
00:47:35,772 --> 00:47:40,027
ハリーとシドニーの参加で
世界的なイベントに

853
00:47:40,152 --> 00:47:42,779
キング牧師が出てくる前の話さ

854
00:47:44,239 --> 00:47:47,075
牧師はマーロンを知らなかった

855
00:47:48,202 --> 00:47:50,621
ポール・ニューマンも

856
00:47:51,538 --> 00:47:55,709
牧師の運動に賛同し
行進したスターだがね

857
00:47:55,834 --> 00:48:00,047
シドニーとハリーが
橋渡し役だった

858
00:48:00,380 --> 00:48:04,134
抗議者は皆
繰り返し訴えてるね

859
00:48:04,259 --> 00:48:08,180
“今だ　今だ　今だ！”と

860
00:48:08,305 --> 00:48:08,889
今だ！

861
00:48:09,014 --> 00:48:11,975
何年もの間
“今だ”という思いを––

862
00:48:12,100 --> 00:48:14,353
膨らませてきたんだ

863
00:48:14,478 --> 00:48:16,897
大人になってからは––

864
00:48:17,022 --> 00:48:20,776
人権としての
公民権に興味を持った

865
00:48:20,901 --> 00:48:25,364
以前から
興味は持ってたけれど––

866
00:48:25,489 --> 00:48:29,326
積極的に
活動したことはなかった

867
00:48:29,451 --> 00:48:30,827
皆さん そろそろ…

868
00:48:30,953 --> 00:48:33,830
シドニーの積極的な行動が––

869
00:48:33,956 --> 00:48:36,500
きっかけをくれたんだ

870
00:48:33,956 --> 00:48:37,668
ロバ︱ト・
レッドフォ︱ド

871
00:48:36,625 --> 00:48:38,961
〝僕にも何かできる〟

872
00:48:39,086 --> 00:48:41,797
“僕なりの何かを
見つければいい”

873
00:48:41,922 --> 00:48:44,007
“発信しよう”と思えた

874
00:48:44,132 --> 00:48:46,134
彼はハンデを背負ってた

875
00:48:46,260 --> 00:48:49,471
まず“何様だ？”と
言われるからね

876
00:48:49,721 --> 00:48:50,889
不公平だよ

877
00:48:51,014 --> 00:48:55,310
立場を利用して
意見を言って何が悪いんだ

878
00:48:55,435 --> 00:48:58,605
俳優にも
意見を言う権利はある

879
00:48:58,897 --> 00:49:03,402
残念ながら
多くのアメリカ人には––

880
00:49:03,986 --> 00:49:07,030
信用してもらえなかった

881
00:49:07,614 --> 00:49:10,617
腹が立つこともあったよ

882
00:49:10,742 --> 00:49:14,705
黒人の扱いは
僕には変えられないと––

883
00:49:14,830 --> 00:49:17,666
突き付けられてるようだった

884
00:49:18,166 --> 00:49:20,043
映画業界は遅れてて––

885
00:49:20,169 --> 00:49:23,672
主役級の黒人は
１人だけだった

886
00:49:23,797 --> 00:49:26,258
他にも黒人俳優はいたけどね

887
00:49:26,383 --> 00:49:28,343
〝プライベ︱ト・
パ︱ティ︱〟

888
00:49:26,717 --> 00:49:29,887
かなり保守的な業界だ

889
00:49:30,012 --> 00:49:34,057
進歩的な政策に追いつくには
時間がかかった

890
00:49:34,308 --> 00:49:36,894
“第２のシドニー・ポワチエ”は

891
00:49:37,019 --> 00:49:39,188
必然的に育たなかった

892
00:49:39,396 --> 00:49:44,359
彼は いろいろな要素を持つ
いわば複合施設だ

893
00:49:44,484 --> 00:49:48,280
よって人種に関する
映画業界のスタンスは…

894
00:49:48,405 --> 00:49:49,531
“シドニーがいる”

895
00:49:49,656 --> 00:49:52,451
“他の黒人は不要だろ？”

896
00:49:52,576 --> 00:49:57,998
シドニーは軍を率いて
人種差別と闘う兵士なの

897
00:49:58,373 --> 00:50:03,504
彼は肌の色は関係ないことを
よく理解していた

898
00:50:03,921 --> 00:50:09,718
社会への反発や弁明のために
言ってるわけじゃない

899
00:50:09,843 --> 00:50:11,595
単に事実だからよ

900
00:50:11,762 --> 00:50:14,806
さまざまなことがあったよ

901
00:50:15,098 --> 00:50:18,936
人生で方向転換や
選択をする時に––

902
00:50:19,061 --> 00:50:21,104
役立ったことがね

903
00:50:21,480 --> 00:50:26,068
人生の選択というのは
功績を求めて––

904
00:50:26,193 --> 00:50:30,697
“こうすべきだ”と
決めるものじゃない

905
00:50:30,822 --> 00:50:35,160
自分を突き動かすものを––

906
00:50:35,285 --> 00:50:38,121
選んでいくべきだ

907
00:50:39,456 --> 00:50:42,042
「野のユリ」

908
00:50:46,171 --> 00:50:49,466
1963年

909
00:50:49,883 --> 00:50:52,719
監督
ラルフ・ネルソン

910
00:50:52,845 --> 00:50:55,305
「野のユリ」は低予算映画だ

911
00:50:55,430 --> 00:50:57,724
黒人の便利屋が南西部で––

912
00:50:57,850 --> 00:51:02,479
修道女たちの教会を建てる
地味な物語だ

913
00:51:02,604 --> 00:51:06,608
神が大きくて強い男を
与えてくれた

914
00:51:06,984 --> 00:51:08,902
神からは聞いてない

915
00:51:09,027 --> 00:51:10,279
通りがかりだ

916
00:51:10,404 --> 00:51:12,948
1963年 俺は６歳だった

917
00:51:13,073 --> 00:51:17,452
“シドニー　逃げろ
面倒なことになるぞ”と

918
00:51:18,203 --> 00:51:20,330
思ったもんだね

919
00:51:20,455 --> 00:51:22,833
それが６歳児の感想だ

920
00:51:22,958 --> 00:51:28,922
“出演料が少なすぎる”と
シドニーは言ってたわ

921
00:51:29,256 --> 00:51:31,008
だから言ったの

922
00:51:31,216 --> 00:51:34,344
“ギャラのためでなく––”

923
00:51:34,469 --> 00:51:38,515
“映画の所有者の１人として
出たらいい”

924
00:51:38,640 --> 00:51:42,144
彼にとって
新鮮な考え方だったみたい

925
00:51:42,269 --> 00:51:44,980
最初に打診されたハリーは––

926
00:51:45,105 --> 00:51:48,400
“現実味に欠ける役だ”と
言って断った

927
00:51:48,734 --> 00:51:50,736
つまらない映画だ

928
00:51:50,110 --> 00:51:55,073
ハリ︱・
ベラフォンテの肉声

929
00:51:50,861 --> 00:51:52,863
ひどい脚本だったよ

930
00:51:52,988 --> 00:51:56,283
だからオファ︱を
潔く断った

931
00:51:56,408 --> 00:51:58,702
結局シドニーが受けた

932
00:51:59,369 --> 00:52:01,330
好演してたね

933
00:52:01,455 --> 00:52:05,542
ハリーは歌手としても
活躍してたから––

934
00:52:05,667 --> 00:52:07,503
打診を断れたんだ

935
00:52:07,628 --> 00:52:10,839
金があれば 仕事を選べる

936
00:52:10,964 --> 00:52:15,302
“デーオ”って歌ってたからね
悪口じゃないよ

937
00:52:16,929 --> 00:52:17,930
ね？

938
00:52:20,265 --> 00:52:21,725
「ハロー・ドーリー！」で––

939
00:52:21,850 --> 00:52:24,520
パ︱ル・ベイリ︱と
共演した

940
00:52:24,228 --> 00:52:27,064
パ︱ル・ベイリ︱

941
00:52:24,645 --> 00:52:27,773
彼女は著名人が
見に来ると︱

942
00:52:27,898 --> 00:52:29,942
必ず舞台上に呼ぶんだ

943
00:52:30,067 --> 00:52:31,735
皆 応えてたよ

944
00:52:34,821 --> 00:52:37,616
シドニーを舞台に上げた時––

945
00:52:37,741 --> 00:52:40,035
彼女は歌おうと誘った

946
00:52:40,160 --> 00:52:43,288
彼は“歌えない！”と
拒んだんだ

947
00:52:43,830 --> 00:52:45,040
よし　いくぞ

948
00:52:47,960 --> 00:52:52,297
“映画で歌ってたわ”と
彼女は言い返した

949
00:52:52,422 --> 00:52:54,508
彼の返事は“僕じゃない！”

950
00:53:01,265 --> 00:53:02,474
ほら 歌って

951
00:53:05,060 --> 00:53:08,105
この低予算映画が
ロングヒットした

952
00:53:08,230 --> 00:53:10,649
国のムードに共鳴したんだ

953
00:53:10,774 --> 00:53:14,111
特にホーマー役の
シドニーの演技が––

954
00:53:14,236 --> 00:53:15,904
評価された

955
00:53:16,029 --> 00:53:19,199
彼の愛らしく
親しみやすい雰囲気が––

956
00:53:19,324 --> 00:53:21,326
作品にハマった

957
00:53:21,451 --> 00:53:22,995
ホーマーは––

958
00:53:23,120 --> 00:53:28,000
があり 明るくて
すばらしい青年だ

959
00:53:28,125 --> 00:53:31,920
誰もが持つ
人間のいい部分を––

960
00:53:32,045 --> 00:53:33,463
体現してる

961
00:53:35,549 --> 00:53:39,595
１９６４年
アカデミ︱賞

962
00:53:38,010 --> 00:53:39,595
大事な夜です

963
00:53:39,720 --> 00:53:42,681
第36回のアカデミー賞です

964
00:53:42,806 --> 00:53:47,728
年間のトップスターたちへ
オスカーが贈られます

965
00:53:47,853 --> 00:53:50,731
10歳の時
ミルウォーキーで––

966
00:53:50,856 --> 00:53:54,651
アカデミー賞の授賞式を見てた

967
00:53:55,319 --> 00:53:58,113
リムジンで
次々にスターが現れる

968
00:53:58,530 --> 00:54:01,992
黒人がテレビに映るたびに

969
00:54:02,117 --> 00:54:04,703
電話をかけまくった

970
00:54:04,828 --> 00:54:06,705
“黒人よ　黒人が出てる！”

971
00:54:06,830 --> 00:54:07,998
“テレビつけて”

972
00:54:08,123 --> 00:54:10,000
肝心な部分は見逃した

973
00:54:10,584 --> 00:54:12,878
最優秀男優賞の候補は––

974
00:54:13,003 --> 00:54:15,214
アルバート・フィニー

975
00:54:15,839 --> 00:54:18,175
リチャード・ハリス

976
00:54:19,092 --> 00:54:21,053
レックス・ハリソン

977
00:54:22,930 --> 00:54:24,556
ポール・ニューマン

978
00:54:25,349 --> 00:54:27,559
シドニー・ポワチエ

979
00:54:29,478 --> 00:54:32,147
最優秀賞は
シドニー・ポワチエ

980
00:54:33,440 --> 00:54:37,027
名前を呼ばれて
飛び上がって叫んだ

981
00:54:37,152 --> 00:54:41,406
“受賞した
僕が最優秀賞だ！”

982
00:54:41,532 --> 00:54:43,492
我慢できなかった

983
00:54:43,909 --> 00:54:46,787
自分が抑えられなくてね

984
00:54:46,912 --> 00:54:51,667
だが多くの人が
同じ気持ちでいてくれただろう

985
00:54:51,792 --> 00:54:53,335
想像できる？

986
00:54:53,460 --> 00:54:56,171
公民権法の制定前よ

987
00:54:56,296 --> 00:54:58,215
衝撃的だったはず

988
00:54:58,340 --> 00:55:03,679
会場は純粋な喜びと魔法に
包まれたでしょうね

989
00:55:03,804 --> 00:55:07,975
黒人が抱える問題を
超越するような––

990
00:55:08,100 --> 00:55:12,938
ものすごく
美しい出来事が起きたの

991
00:55:13,063 --> 00:55:16,024
黒人初の最優秀男優賞です

992
00:55:16,149 --> 00:55:18,944
観客から祝福されています

993
00:55:24,575 --> 00:55:27,035
受賞が転換点となった

994
00:55:27,160 --> 00:55:32,291
映画業界における真の転換点だ

995
00:55:32,416 --> 00:55:37,087
現実とは異なる黒人像を––

996
00:55:37,671 --> 00:55:42,134
描き続けてきた
ハリウッドが変わった

997
00:55:42,259 --> 00:55:43,468
ここまで…

998
00:55:44,761 --> 00:55:48,599
本当に長い旅路だった

999
00:55:49,266 --> 00:55:53,187
数え切れないほど
多くの人に––

1000
00:55:53,770 --> 00:55:56,106
お世話になってきた

1001
00:55:56,315 --> 00:55:58,609
私にとって 彼が––

1002
00:55:58,734 --> 00:56:01,236
黒人の期待の星になった

1003
00:56:01,361 --> 00:56:03,989
あの時の気持ちは忘れない

1004
00:56:04,573 --> 00:56:06,909
黒人の彼にできたなら––

1005
00:56:07,242 --> 00:56:10,120
私も成功できるかもと思った

1006
00:56:10,329 --> 00:56:14,291
皆さんに
心からの感謝を伝えたい

1007
00:56:44,738 --> 00:56:48,617
彼の成功は
後輩俳優だけでなく––

1008
00:56:48,742 --> 00:56:53,121
両親や奴隷時代の人々の
成功でもあった

1009
00:56:53,247 --> 00:56:57,209
彼らが大喜びした姿が
見えるようだ

1010
00:56:57,835 --> 00:57:00,295
１９６４年
バハマ ナッソ︱

1011
00:57:04,258 --> 00:57:08,387
バハマ出身の黒人が初めて––

1012
00:57:08,595 --> 00:57:10,097
受賞したんだ

1013
00:57:10,222 --> 00:57:13,600
他の俳優より
100倍優れてないと––

1014
00:57:13,725 --> 00:57:16,353
受賞できない時代だった

1015
00:57:21,275 --> 00:57:23,193
予想だにしなかった

1016
00:57:23,318 --> 00:57:26,446
自分は特に優秀な役者でもなく

1017
00:57:26,572 --> 00:57:30,117
純粋な気持ちで
始めたわけでもない

1018
00:57:30,701 --> 00:57:34,329
だが内なる力によって
続けてきた

1019
00:57:34,705 --> 00:57:36,582
昔の母も同じだ

1020
00:57:36,915 --> 00:57:42,421
母なる本能によって
僕の命を救ってくれた

1021
00:57:44,339 --> 00:57:46,383
僕は短命のはずだった

1022
00:57:46,508 --> 00:57:48,468
皆 悲しんでた

1023
00:57:48,594 --> 00:57:52,764
２ヵ月早く
生まれてしまったんだ

1024
00:57:53,265 --> 00:57:56,226
翌朝 父は出かけた

1025
00:57:56,351 --> 00:57:58,729
僕の命は長くないと––

1026
00:57:58,854 --> 00:58:01,648
助産師を含め みんなが思った

1027
00:58:02,941 --> 00:58:05,736
そして父が ある物を持ち帰る

1028
00:58:06,862 --> 00:58:08,322
靴の箱だ

1029
00:58:10,490 --> 00:58:11,700
それは…

1030
00:58:14,328 --> 00:58:17,456
僕の埋葬用だった

1031
00:58:18,790 --> 00:58:20,792
でも母は抵抗した

1032
00:58:20,918 --> 00:58:22,961
“諦めてはダメ”と言い––

1033
00:58:23,795 --> 00:58:24,963
家を出た

1034
00:58:25,088 --> 00:58:29,801
考え得る限りの所へ行き
助けを求めたんだ

1035
00:58:29,927 --> 00:58:34,806
その時 予言者の家の前を
通りかかってね

1036
00:58:34,932 --> 00:58:37,142
母は予言者に尋ねた
〝マダム・ベス
あなたに特別な幸運を〟

1037
00:58:37,267 --> 00:58:40,020
“早産の赤ん坊がいるの”

1038
00:58:40,145 --> 00:58:43,106
“息子は この先どうなる？”

1039
00:58:44,274 --> 00:58:48,946
予言者が目を閉じると
その顔がし––

1040
00:58:49,071 --> 00:58:52,407
まぶたの裏で
目が激しく動いた

1041
00:58:54,535 --> 00:58:58,830
そして突然
目を見開いて言ったんだ

1042
00:58:58,956 --> 00:59:00,958
“心配要らない”

1043
00:59:04,336 --> 00:59:05,546
“彼は生き延びる”

1044
00:59:06,296 --> 00:59:09,132
“世界中を飛び回り––”

1045
00:59:09,258 --> 00:59:13,470
“富と名声を
手に入れるでしょう”

1046
00:59:14,179 --> 00:59:17,140
母の名と共に
世界を旅すると

1047
00:59:18,392 --> 00:59:21,812
予言者の言ったとおりだ

1048
00:59:23,856 --> 00:59:25,566
僕は生き延びたんだ

1049
00:59:27,693 --> 00:59:32,072
ＮＢＣニュ︱スの
特別リポ︱トです

1050
00:59:32,197 --> 00:59:35,075
３人の公民権運動家が

1051
00:59:35,200 --> 00:59:36,994
行方不明のままです

1052
00:59:37,119 --> 00:59:40,330
チェイニ︱とグッドマン
シュワ︱ナ︱は︱

1053
00:59:37,578 --> 00:59:41,248
１９６４年
ミシシッピ州

1054
00:59:40,455 --> 00:59:43,000
公民権運動の
支援中でした

1055
00:59:43,125 --> 00:59:45,544
私も運動に参加した

1056
00:59:44,710 --> 00:59:49,006
人権活動家
ウィリ︱・ブル︱牧師

1057
00:59:46,962 --> 00:59:49,006
ヒッチハイクで
ミシシッピへ

1058
00:59:49,131 --> 00:59:51,758
グッドマン以外は知り合いだ

1059
00:59:52,092 --> 00:59:53,635
彼らは先生だった

1060
00:59:53,760 --> 00:59:57,139
人々に選挙権とは何か

1061
00:59:57,264 --> 01:00:00,392
何が変わるかを教えてくれた

1062
00:59:57,264 --> 01:00:00,392
何が変わるかを教えてくれた

1063
00:59:58,640 --> 01:00:00,392
〝１人１票
至急 登録を！〟

1064
00:59:58,640 --> 01:00:00,392
〝１人１票
至急 登録を！〟

1065
01:00:00,517 --> 01:00:04,104
アメリカン・ドリームを
説いてくれたんだ

1066
01:00:04,396 --> 01:00:07,399
投票して 意思を示そう

1067
01:00:07,524 --> 01:00:09,902
シドニ︱・ポワチエ

1068
01:00:07,941 --> 01:00:09,902
しなければ 変化はない

1069
01:00:10,235 --> 01:00:13,280
意思を示すため 必ず投票を

1070
01:00:13,405 --> 01:00:15,824
南部へ行った時に––

1071
01:00:15,949 --> 01:00:19,119
恐ろしいことが
あったそうだね

1072
01:00:19,244 --> 01:00:20,746
話を聞かせて

1073
01:00:21,079 --> 01:00:23,540
シドニーは 26年来の友人だ

1074
01:00:24,625 --> 01:00:27,961
あの時ほど
２人の絆が強まった––

1075
01:00:28,086 --> 01:00:30,422
出来事は他にない

1076
01:00:31,006 --> 01:00:33,842
親友のハリーが
ミシシッピに––

1077
01:00:33,967 --> 01:00:36,929
一緒に来てくれと言ってきた

1078
01:00:37,054 --> 01:00:40,265
公民権運動を
支援するためだった

1079
01:00:40,390 --> 01:00:45,187
現地の団体が
資金不足で困ってたんだ

1080
01:00:45,312 --> 01:00:48,899
ミシシッピでは
敬意を持って対応する

1081
01:00:48,398 --> 01:00:52,444
ロス・バ︱ネット元知事

1082
01:00:49,024 --> 01:00:53,946
法に背かない者に
対してはね

1083
01:00:54,154 --> 01:00:57,824
昼夜問わず
強迫電話がかかってきた

1084
01:00:57,950 --> 01:01:02,621
ハリーとシドニーを
暗殺すると脅された

1085
01:01:02,746 --> 01:01:06,333
グリーンウッドに来る
黒人は殺すとね

1086
01:01:06,458 --> 01:01:10,546
ロバート・ケネディと
交友関係にあったから––

1087
01:01:10,671 --> 01:01:12,798
司法省に連絡が行き︱

1088
01:01:11,505 --> 01:01:13,715
公民権局

1089
01:01:12,923 --> 01:01:18,136
護衛が来るものと
考えてたんだ

1090
01:01:18,345 --> 01:01:19,721
だが現地に着くと––

1091
01:01:19,847 --> 01:01:23,016
連邦保安官も護衛も
いなかった

1092
01:01:23,141 --> 01:01:25,269
移動車は２台で––

1093
01:01:25,394 --> 01:01:29,022
俺たちが乗る車と
護衛用の車があった

1094
01:01:29,147 --> 01:01:31,233
誰も運転したがらず––

1095
01:01:32,234 --> 01:01:33,777
私が運転した

1096
01:01:33,902 --> 01:01:38,407
互いに握手や挨拶を
済ませたあと

1097
01:01:38,532 --> 01:01:41,368
私の車に荷物が積まれた

1098
01:01:42,077 --> 01:01:45,914
そしてシドニーとハリーは––

1099
01:01:46,039 --> 01:01:48,458
前の車に乗ったんだ

1100
01:01:49,001 --> 01:01:52,838
車に乗り込むと
“奴らだ”と誰かが言った

1101
01:01:54,548 --> 01:01:58,135
ライトで照らすと
ＫＫＫが見えた

1102
01:01:59,720 --> 01:02:01,138
急発進すると––

1103
01:02:01,263 --> 01:02:03,223
奴らの車が追ってきた

1104
01:02:03,348 --> 01:02:07,811
それに加えて
進路妨害してくる車もいた

1105
01:02:10,272 --> 01:02:12,357
後ろから追突されたよ

1106
01:02:12,482 --> 01:02:15,861
抜かれたら終わりだと思ったね

1107
01:02:16,945 --> 01:02:20,449
奴らは後続車に追突して
移動させたり

1108
01:02:20,574 --> 01:02:23,952
道路から
はじき出そうとした

1109
01:02:24,077 --> 01:02:25,829
道は絶対譲れない

1110
01:02:25,954 --> 01:02:28,957
撃たれて死ぬ覚悟までしたよ

1111
01:02:34,713 --> 01:02:37,966
その後３キロほど
逃げ回って––

1112
01:02:38,383 --> 01:02:41,762
ようやく
追い払うことができた

1113
01:02:42,679 --> 01:02:46,350
大勢の学生たちが
車に乗って––

1114
01:02:46,475 --> 01:02:48,352
援護に来てくれた

1115
01:02:48,477 --> 01:02:53,774
そしてグリーンウッドまで
先導してくれたんだ

1116
01:02:53,899 --> 01:02:55,859
まるで聖書の世界だ

1117
01:02:55,984 --> 01:02:58,237
木に登る人々が見えた

1118
01:02:58,862 --> 01:03:03,450
街の一画は大勢の人で
埋め尽くされてた

1119
01:03:04,159 --> 01:03:08,664
感動して涙が出たよ

1120
01:03:09,540 --> 01:03:14,962
木や屋根に登る人々の姿は––

1121
01:03:15,879 --> 01:03:17,422
魔法のようだった

1122
01:03:19,132 --> 01:03:20,843
シドニーを見ると––

1123
01:03:20,968 --> 01:03:24,513
「野のユリ」の歌を
歌い始めたんだ

1124
01:03:24,638 --> 01:03:25,764
“アーメン”

1125
01:03:28,767 --> 01:03:30,519
特別な時間だった

1126
01:03:39,528 --> 01:03:44,366
毎年３月や４月の
新聞には︱

1127
01:03:42,281 --> 01:03:45,325
１９６７年
マ︱ティン・ル︱サ︱・
キング・ジュニア牧師

1128
01:03:44,491 --> 01:03:49,496
〝長い暑い夏〟について
記事が出始める

1129
01:03:53,667 --> 01:03:57,754
略奪や殺人や放火は
公民権とは無関係だ

1130
01:03:58,589 --> 01:03:59,631
デトロイト

1131
01:04:00,549 --> 01:04:01,592
ボストン

1132
01:04:02,467 --> 01:04:03,552
ニュ︱ア︱ク

1133
01:04:04,303 --> 01:04:07,598
もううんざりしてるんだ

1134
01:04:07,723 --> 01:04:10,601
我々は引かない　本気だ

1135
01:04:08,182 --> 01:04:10,601
チャ︱ルズ・エバ︱ス

1136
01:04:10,726 --> 01:04:14,605
当時10歳だったが
鮮明に覚えてる

1137
01:04:14,730 --> 01:04:17,983
1967年は
“シドニーの夏”だった

1138
01:04:18,108 --> 01:04:20,819
シドニ︱出演の映画を

1139
01:04:20,944 --> 01:04:23,197
母と一緒に３本見た

1140
01:04:23,322 --> 01:04:25,657
黒人の映画俳優はいたが

1141
01:04:25,782 --> 01:04:29,453
黒人のハリウッドスターは
シドニーが初だ

1142
01:04:29,578 --> 01:04:32,831
客はシドニーの映画を見に行く

1143
01:04:32,956 --> 01:04:36,710
白人さえもが
シドニーを見に行ってた

1144
01:04:36,835 --> 01:04:40,756
それも
公民権運動の真っただ中に

1145
01:04:40,881 --> 01:04:42,633
模範的スターだ

1146
01:04:42,758 --> 01:04:47,638
シドニーは
1967～68年の興行成績１位

1147
01:04:47,846 --> 01:04:51,433
国の混乱期の大スターよ

1148
01:04:51,975 --> 01:04:53,769
「夜の大捜査線」

1149
01:05:04,446 --> 01:05:05,906
立てよ

1150
01:05:06,406 --> 01:05:09,618
監督
ノ︱マン・
ジュイソン

1151
01:05:09,743 --> 01:05:11,370
今すぐだ！

1152
01:05:11,495 --> 01:05:16,667
シドニーの威厳に満ちた態度が
印象に残ってる

1153
01:05:17,084 --> 01:05:20,629
物語は予測どおり進まず
彼は あらがう

1154
01:05:20,754 --> 01:05:23,882
しばらく 彼は我慢するが––

1155
01:05:24,550 --> 01:05:25,676
爆発するんだ

1156
01:05:26,385 --> 01:05:28,595
自信家だな　バージル

1157
01:05:28,720 --> 01:05:30,430
黒人らしくない名だ

1158
01:05:30,556 --> 01:05:32,349
何て呼ばれてる？

1159
01:05:32,474 --> 01:05:35,602
ティッブスさんだ

1160
01:05:35,727 --> 01:05:37,813
“ティッブスさんだ”

1161
01:05:37,938 --> 01:05:40,023
大好きなシーンよ

1162
01:05:40,148 --> 01:05:42,317
観客の大半は黒人で––

1163
01:05:42,442 --> 01:05:46,697
拍手喝采で
みんな生き生きとしてた

1164
01:05:46,947 --> 01:05:49,241
温室のシーンが有名だ

1165
01:05:49,366 --> 01:05:51,660
白人の農園主にたたかれ––

1166
01:05:51,785 --> 01:05:53,745
シドニーがたたき返す

1167
01:05:53,871 --> 01:05:57,499
1967年の映画館に
衝撃が走ったよ

1168
01:05:57,708 --> 01:06:02,588
コルバートさんは
昨日の深夜 温室に？

1169
01:06:06,133 --> 01:06:08,051
観客はシーンとなる

1170
01:06:08,510 --> 01:06:10,804
あんな静寂は経験がない

1171
01:06:10,929 --> 01:06:12,222
息をのみ…

1172
01:06:12,347 --> 01:06:14,266
顔を見合わせてた

1173
01:06:14,516 --> 01:06:18,061
前代未聞だから
黒人は盛り上がった

1174
01:06:21,940 --> 01:06:23,817
映画史上 初めてだ

1175
01:06:23,942 --> 01:06:25,485
すごい男だよ

1176
01:06:25,611 --> 01:06:27,529
この件 どうする？

1177
01:06:29,823 --> 01:06:31,158
さあね

1178
01:06:32,492 --> 01:06:34,244
皆 同じ反応だ

1179
01:06:34,620 --> 01:06:35,829
イエーイ！

1180
01:06:38,040 --> 01:06:41,168
元の脚本では
軽蔑の目で見て––

1181
01:06:41,293 --> 01:06:44,254
義憤に満ちて
出ていくはずだった

1182
01:06:44,671 --> 01:06:47,174
他の俳優は従うだろうが––

1183
01:06:47,299 --> 01:06:48,926
僕はやらない

1184
01:06:49,176 --> 01:06:54,389
マイアミで警察に
銃を突き付けられたからね

1185
01:06:54,515 --> 01:06:58,936
脚本を変えたいと
監督に要求した

1186
01:06:59,353 --> 01:07:01,605
シドニーだからできた

1187
01:07:01,730 --> 01:07:03,607
スターだったからね

1188
01:07:03,732 --> 01:07:06,151
それは疑いようもない

1189
01:07:06,276 --> 01:07:10,239
彼は物事を思いどおりに
できるんだ

1190
01:07:11,990 --> 01:07:15,827
当然 あのシーンは
映画の見どころになった

1191
01:07:15,953 --> 01:07:21,166
アメリカに 黒人の時代が
来たことも象徴してる

1192
01:07:21,291 --> 01:07:26,046
少なくとも映画の中では
１歩進んだんだ

1193
01:07:26,171 --> 01:07:29,633
あの平手打ちは
世界中に響き渡った

1194
01:07:29,758 --> 01:07:31,969
彼は一気に時の人だ

1195
01:07:32,094 --> 01:07:34,847
シドニーのあの場面は––

1196
01:07:34,972 --> 01:07:39,476
前線で起きていたことと
シンクロしていた

1197
01:07:42,896 --> 01:07:45,524
﹁いつも心に太陽を﹂

1198
01:07:48,443 --> 01:07:51,363
監督
ジェ︱ムズ・
クラヴェル

1199
01:07:51,697 --> 01:07:55,075
黒人が子供たちに︱

1200
01:07:54,491 --> 01:07:58,745
娘　シドニ︱・
ポワチエ・ハ︱トソング

1201
01:07:55,200 --> 01:07:59,580
教えたり導いたりする
シ︱ンを見た

1202
01:07:59,705 --> 01:08:03,542
それまで一般的には
白人がヒーローで––

1203
01:08:03,667 --> 01:08:08,380
黒人は白人に救われるか
問題を起こす役だった

1204
01:08:08,505 --> 01:08:10,966
でも この作品では逆なの

1205
01:08:11,300 --> 01:08:12,050
座れ

1206
01:08:14,511 --> 01:08:17,471
この作品は私のお気に入りよ

1207
01:08:17,598 --> 01:08:21,143
父の振る舞いが︱

1208
01:08:20,392 --> 01:08:24,104
娘
シェリ・ポワチエ

1209
01:08:21,268 --> 01:08:25,147
私たち
娘といる時みたいでね

1210
01:08:25,272 --> 01:08:30,652
私たちに教えるように
みんなにも教えてた

1211
01:08:30,986 --> 01:08:32,863
映画の中の教師は––

1212
01:08:33,613 --> 01:08:35,782
みんなにとっては俳優

1213
01:08:35,908 --> 01:08:37,868
私にとっては父親

1214
01:08:37,993 --> 01:08:41,913
教室内での礼儀を学んでもらう

1215
01:08:42,413 --> 01:08:44,625
私を“先生”と呼ぶこと

1216
01:08:44,750 --> 01:08:47,502
女子を“さん”付けで呼び––

1217
01:08:47,752 --> 01:08:49,587
男子を姓で呼ぶこと

1218
01:08:49,712 --> 01:08:52,090
天使が
味方してくれたのよ

1219
01:08:51,048 --> 01:08:54,510
ルル

1220
01:08:52,216 --> 01:08:54,510
私はすごく幸運だったの

1221
01:08:54,635 --> 01:08:58,721
歌手だったから
演技の経験はなかった

1222
01:08:58,846 --> 01:08:59,598
何？

1223
01:08:59,723 --> 01:09:03,477
私の賢いマネジャーは
出演依頼が来た時––

1224
01:09:03,602 --> 01:09:06,188
主題歌も歌うことを条件にした

1225
01:09:24,372 --> 01:09:25,374
最高よ

1226
01:09:39,429 --> 01:09:42,515
歌詞にすごく共感したわ

1227
01:09:42,640 --> 01:09:46,645
メッセージ性の強い歌詞でね

1228
01:09:46,770 --> 01:09:49,314
歌のテーマは愛であり––

1229
01:09:49,439 --> 01:09:50,899
ブラック・ライブス・マター

1230
01:09:51,024 --> 01:09:54,111
黒人の教師も
白人の生徒同様に重要よ

1231
01:09:54,236 --> 01:09:58,824
むしろ あの学校では
黒人の教師が––

1232
01:09:58,949 --> 01:10:01,994
事実上 誰よりも
重要な存在だった

1233
01:10:02,578 --> 01:10:08,333
この映画の前にも後にも
多くのヒット曲を出したけど

1234
01:10:08,458 --> 01:10:10,377
あの曲は特別ね

1235
01:10:11,044 --> 01:10:13,213
ただの歌じゃない

1236
01:10:13,797 --> 01:10:19,136
シドニーの人生と
作品のメッセージを伝える曲よ

1237
01:10:21,013 --> 01:10:23,015
スピーチを！

1238
01:10:24,057 --> 01:10:27,144
黒人のための映画ではない

1239
01:10:27,269 --> 01:10:28,478
重要なのは––

1240
01:10:28,604 --> 01:10:31,773
彼が意識的に伝えてる点だ

1241
01:10:31,899 --> 01:10:36,612
特にキング牧師の運動で
起きていたことをね

1242
01:10:36,737 --> 01:10:40,616
でも彼は 黒人も
人間だということを––

1243
01:10:40,741 --> 01:10:43,118
ずっと示してきていた

1244
01:10:44,036 --> 01:10:49,541
彼は ことあるごとに
黒人も同じ人間だと訴えた

1245
01:10:49,666 --> 01:10:55,088
黒人を人間だと思ってなかった
世界に対してね

1246
01:10:55,214 --> 01:10:58,759
それがすべての
問題の根源だから

1247
01:10:55,380 --> 01:10:58,175
﹁招かれざる客﹂

1248
01:10:58,884 --> 01:11:03,514
私たちの人間性を
示してあげるのよ

1249
01:11:02,012 --> 01:11:05,390
監督
スタンリ︱・
クレイマ︱

1250
01:11:03,764 --> 01:11:06,808
ジョン・ウェイド・
プレンティス

1251
01:11:06,934 --> 01:11:08,810
ステキな名前でしょ？

1252
01:11:08,936 --> 01:11:10,854
ジョン・ウェイド…

1253
01:11:12,231 --> 01:11:14,525
ジョーイ・プレンティスになる

1254
01:11:20,113 --> 01:11:21,406
彼がジョンよ

1255
01:11:23,742 --> 01:11:26,662
会えて すごくうれしい

1256
01:11:27,371 --> 01:11:29,623
僕もです　ドレイトン夫人

1257
01:11:33,001 --> 01:11:35,462
僕は医者の資格があるので

1258
01:11:35,587 --> 01:11:40,008
“倒れる前に座って”と
アドバイスします

1259
01:11:40,133 --> 01:11:42,594
黒人で驚いたでしょ

1260
01:11:43,053 --> 01:11:45,556
私は22歳だった

1261
01:11:45,681 --> 01:11:48,225
シドニ︱は優しかったわ

1262
01:11:46,014 --> 01:11:50,352
キャサリン・ホ︱トン

1263
01:11:48,350 --> 01:11:50,352
私は世間知らずでね

1264
01:11:50,644 --> 01:11:54,606
２人でキスシーンの
撮影があったの

1265
01:11:54,731 --> 01:11:58,485
大したこととは
思ってなかった

1266
01:11:58,610 --> 01:12:00,863
“次は本番”と言われて––

1267
01:12:00,988 --> 01:12:05,075
それからスタジオを見渡したの

1268
01:12:05,200 --> 01:12:09,746
全員がとても
険しい目つきで見てた

1269
01:12:11,206 --> 01:12:15,294
何が起こってるか
分からなかった

1270
01:12:15,419 --> 01:12:18,672
メイク担当者の所へ行き––

1271
01:12:18,797 --> 01:12:23,218
何が起こってるのか
彼女に聞いたの

1272
01:12:23,802 --> 01:12:28,932
“ウブね　分からない？”と
言われて––

1273
01:12:29,057 --> 01:12:31,852
“いいえ　何なの？”と
答えたわ

1274
01:12:31,977 --> 01:12:34,563
大勢がショックを
受けるだろう

1275
01:12:34,688 --> 01:12:36,023
でしょ　夫人？

1276
01:12:36,481 --> 01:12:38,400
まあ そうね

1277
01:12:38,942 --> 01:12:44,531
あの時代 文化摩擦を
避ける人にとっては––

1278
01:12:44,740 --> 01:12:49,411
ああいう作品は
拒否するほうが楽だった

1279
01:12:49,536 --> 01:12:55,042
当時の状況下では
革命的すぎたんだろう

1280
01:12:55,167 --> 01:12:58,629
一瞬で恋に落ちたと言ったな

1281
01:12:58,754 --> 01:13:00,923
どう思われると思う？

1282
01:13:01,173 --> 01:13:04,843
異人種間の結婚を禁じる州では
犯罪者だ

1283
01:13:04,968 --> 01:13:06,929
あの映画の中で言うの

1284
01:13:07,054 --> 01:13:09,932
“父さんは
自分を黒人だと言う”

1285
01:13:10,057 --> 01:13:11,725
“けど僕は ただの男だ”

1286
01:13:11,850 --> 01:13:13,685
シドニーらしいわ

1287
01:13:14,061 --> 01:13:15,521
僕は父さんの…

1288
01:13:17,064 --> 01:13:19,608
息子だし 愛してる

1289
01:13:20,484 --> 01:13:23,612
今までも これからもね

1290
01:13:25,614 --> 01:13:28,951
父さんは
自分を黒人と定義する

1291
01:13:30,202 --> 01:13:33,372
でも僕は ただの男だ

1292
01:13:35,290 --> 01:13:38,585
あれはセリフではなく––

1293
01:13:38,710 --> 01:13:40,003
彼の本心よ

1294
01:13:40,128 --> 01:13:41,880
ただの男だもの

1295
01:13:48,428 --> 01:13:50,764
1967年に
ヒットした３作品で––

1296
01:13:50,889 --> 01:13:53,308
彼は白シャツにネクタイ姿だ

1297
01:13:53,433 --> 01:13:54,977
紳士なシドニーさ

1298
01:13:55,102 --> 01:13:58,021
すでに実力は
認められてたが––

1299
01:13:58,146 --> 01:14:02,442
興行収入を稼げることも
証明した

1300
01:14:02,568 --> 01:14:05,988
当時としては異例のことだった

1301
01:14:06,113 --> 01:14:10,117
“次回作の予定は？”と
彼に聞くと––

1302
01:14:10,659 --> 01:14:12,035
“ないよ”

1303
01:14:12,160 --> 01:14:15,789
“きっとこれが最後になる”と
言ってた

1304
01:14:16,373 --> 01:14:18,083
理由を聞いたら––

1305
01:14:18,208 --> 01:14:24,006
“僕は同胞の黒人から
白人に迎合してると––”

1306
01:14:24,590 --> 01:14:26,675
“思われてるんだ”と

1307
01:14:28,552 --> 01:14:31,471
社会の流れの変化に伴い––

1308
01:14:31,597 --> 01:14:35,684
僕に対する不満の声が
上がってきた

1309
01:14:35,809 --> 01:14:37,686
黒人たちからね

1310
01:14:37,811 --> 01:14:42,024
ＮＹタイムズのある記事で
波紋が起きた

1311
01:14:42,149 --> 01:14:45,360
“なぜシドニーは
白人に好かれるのか？”

1312
01:14:45,485 --> 01:14:47,905
“シドニー・ポワチエ症候群”

1313
01:14:48,030 --> 01:14:52,201
“完全なる白人世界で
善良な男でいること”

1314
01:14:52,326 --> 01:14:57,956
僕は白人にペコペコする黒人
“アンクル・トム”と言われた

1315
01:14:58,081 --> 01:15:02,211
僕が演じる役は
白人の脅威にはならず––

1316
01:15:02,336 --> 01:15:07,674
進歩的な白人の理想にもかなう
高貴な黒人だそうだ

1317
01:15:07,799 --> 01:15:09,510
“シドニーは約20年間”

1318
01:15:09,635 --> 01:15:12,513
“無害な銀幕の英雄を
演じてきた”

1319
01:15:12,638 --> 01:15:15,682
“非現実的な存在なのだ”

1320
01:15:16,183 --> 01:15:22,147
僕は芸術家で
現代的なアメリカ人の男だ

1321
01:15:22,731 --> 01:15:24,191
多くの面がある

1322
01:15:24,316 --> 01:15:25,859
だから どうか…

1323
01:15:26,944 --> 01:15:29,988
敬意を払ってほしい

1324
01:15:30,489 --> 01:15:32,324
先駆者は大変だ

1325
01:15:32,449 --> 01:15:34,660
一個人であっても––

1326
01:15:35,244 --> 01:15:40,165
人種全体の代表に
されてしまう

1327
01:15:40,457 --> 01:15:42,376
ジャッキー・ロビンソンも––

1328
01:15:42,501 --> 01:15:45,838
人種全体への攻撃を
一手に受けた

1329
01:15:45,963 --> 01:15:48,423
先駆者シドニーも同じだ

1330
01:15:48,549 --> 01:15:51,176
デンゼルとは状況が違う

1331
01:15:51,301 --> 01:15:54,137
何かを願う時は覚悟が必要だ

1332
01:15:55,305 --> 01:16:00,394
シドニーは強い人だが
背負うものが重すぎた

1333
01:16:00,853 --> 01:16:03,647
正しい行いには
重圧が付き物だ

1334
01:16:03,772 --> 01:16:05,190
判断が難しい

1335
01:16:05,315 --> 01:16:09,528
だがシドニーは
創造性のある謙虚さと––

1336
01:16:09,653 --> 01:16:13,365
成功者の品格を持ち合わせてた

1337
01:16:10,070 --> 01:16:13,365
クインシ︱・
ジョ︱ンズ

1338
01:16:16,535 --> 01:16:17,953
重圧を感じる？

1339
01:16:18,078 --> 01:16:19,246
仕方ない

1340
01:16:20,372 --> 01:16:22,374
逃れられないよ

1341
01:16:22,791 --> 01:16:25,043
民衆の代表として––

1342
01:16:25,169 --> 01:16:30,799
人々の共感を得られるか否かで
僕は評価される

1343
01:16:31,341 --> 01:16:35,053
僕が人々の
イメージどおりでなければ––

1344
01:16:35,179 --> 01:16:40,184
受け入れてもらえないと
いうことだ

1345
01:16:40,684 --> 01:16:41,685
寂しい？

1346
01:16:42,227 --> 01:16:43,604
寂しいかって？

1347
01:16:44,021 --> 01:16:45,898
もちろん寂しい

1348
01:16:46,732 --> 01:16:49,359
孤独だね　ああ

1349
01:16:55,699 --> 01:16:59,953
１９６８年４月４日

1350
01:16:56,241 --> 01:16:58,035
キング牧師の発表は？

1351
01:17:01,038 --> 01:17:03,790
悲しい知らせがある

1352
01:17:04,041 --> 01:17:10,255
アメリカ国民と
平和を愛する世界中の皆さん

1353
01:17:10,380 --> 01:17:12,341
今夜 メンフィスで––

1354
01:17:12,966 --> 01:17:18,514
マーティン・ルーサー・キングが
撃たれて死亡した

1355
01:17:21,391 --> 01:17:26,146
通常の番組を変更し
速報をお届けします

1356
01:17:27,856 --> 01:17:30,817
マ︱ティン・
ル︱サ︱・キング
１９２９～１９６８年

1357
01:17:28,524 --> 01:17:32,694
キング牧師が
メンフィスで殺されました

1358
01:17:32,819 --> 01:17:36,448
ホテルのテラスで
顔面を撃たれ––

1359
01:17:36,573 --> 01:17:38,700
１時間後に亡くなりました

1360
01:17:40,035 --> 01:17:43,247
私は通学バスで
帰宅中だった
娘
パメラ・ポワチエ

1361
01:17:43,372 --> 01:17:47,876
父は家の外まで出て
バスを出迎えると––

1362
01:17:48,794 --> 01:17:50,546
乗り込んできたの

1363
01:17:50,671 --> 01:17:56,760
天井の低いバスの中に立ち
子供たちを見渡した

1364
01:17:57,886 --> 01:18:01,431
そして父は子供たちに言った

1365
01:18:01,765 --> 01:18:04,268
“偉大な人物が亡くなった”

1366
01:18:06,311 --> 01:18:09,356
そんな感じだったと思う

1367
01:18:09,481 --> 01:18:14,194
“敬意と尊厳を持ち
皆に平等だった––”

1368
01:18:14,319 --> 01:18:16,071
“彼をえよう”

1369
01:18:16,864 --> 01:18:20,242
みんな 圧倒されて
父を見てたわ

1370
01:18:20,492 --> 01:18:24,496
そして父は
家に帰ろうと言ったの

1371
01:18:24,913 --> 01:18:26,665
灰は灰に

1372
01:18:27,457 --> 01:18:29,084
は塵に

1373
01:18:29,835 --> 01:18:34,006
偉大な指導者を
与えてくれた神に感謝します

1374
01:18:34,131 --> 01:18:36,008
命をささげたのです

1375
01:18:36,800 --> 01:18:40,429
マルコムＸが
ハーレムで殺されたのは––

1376
01:18:40,804 --> 01:18:41,930
1965年だ

1377
01:18:43,974 --> 01:18:47,853
1968年には
キング牧師も暗殺された

1378
01:18:48,896 --> 01:18:53,150
ユダヤ・キリスト教社会の
民主主義は––

1379
01:18:53,275 --> 01:18:54,818
実は ぜい弱だ

1380
01:18:55,819 --> 01:18:59,615
文化間をつなぐ橋が必要だった

1381
01:19:01,241 --> 01:19:04,661
シドニーは その橋の１つだ

1382
01:19:08,498 --> 01:19:10,751
キング牧師の暗殺は––

1383
01:19:10,876 --> 01:19:14,171
シドニーの俳優人生の
転機となった

1384
01:19:14,296 --> 01:19:17,424
加えて
私生活も大きく変化した

1385
01:19:17,549 --> 01:19:21,720
暗殺によって
多くの黒人同様––

1386
01:19:21,845 --> 01:19:23,931
彼の心は引き裂かれた

1387
01:19:24,056 --> 01:19:27,601
そしてハリーとの関係も
壊れてしまった

1388
01:19:27,726 --> 01:19:30,521
キング牧師の暗殺後
２人は––

1389
01:19:30,646 --> 01:19:33,774
どうぶかで
意見が割れた

1390
01:19:31,480 --> 01:19:35,484
ポワチエ伝記作家
アラム・
グ︱ス︱ジアン

1391
01:19:33,899 --> 01:19:37,861
ハリ︱は葬儀後に
大集会を開きたがった

1392
01:19:38,153 --> 01:19:42,199
だがシドニーは
目的から外れると反対

1393
01:19:42,324 --> 01:19:45,202
これによって
２人は衝突し––

1394
01:19:45,327 --> 01:19:47,412
しばらく絶縁状態となる

1395
01:19:47,663 --> 01:19:49,706
２人とも頑固だった

1396
01:19:48,622 --> 01:19:52,668
娘
ビバリ︱・ポワチエ＝
ヘンダ︱ソン

1397
01:19:49,831 --> 01:19:53,460
ものすごく
意固地だったのよ

1398
01:19:53,585 --> 01:19:56,713
だから どちらも譲らなかった

1399
01:19:56,839 --> 01:20:01,844
ハリーは仲間たちと
盛大なという形で––

1400
01:20:01,969 --> 01:20:05,264
悲しみや哀悼の念を
共有したがった

1401
01:20:05,597 --> 01:20:09,476
一方シドニーは
静かに弔いたかったんだ

1402
01:20:13,355 --> 01:20:18,151
人々は先の見えない
暴力的な社会の中で

1403
01:20:18,277 --> 01:20:22,906
どうするか自力で
考えなければならなかった

1404
01:20:23,031 --> 01:20:25,242
トラウマになるね

1405
01:20:25,617 --> 01:20:31,164
シドニーとハリーは気持ちを
リセットする必要があったんだ

1406
01:20:33,041 --> 01:20:37,546
シドニーは親友を
失っただけじゃない

1407
01:20:37,671 --> 01:20:41,258
妻と離婚後
ダイアンと前へ進もうとした

1408
01:20:41,758 --> 01:20:45,053
僕が受け継いだ
父の遺産の大半は––

1409
01:20:45,179 --> 01:20:46,638
父からの教えだ

1410
01:20:46,763 --> 01:20:52,060
その教えが妻と別れた僕に
重くのしかかってきた

1411
01:20:52,186 --> 01:20:57,441
関係する人全員にとって
長く 苦しい時期だった

1412
01:20:58,108 --> 01:21:00,068
母は かわいそうだった

1413
01:21:00,194 --> 01:21:03,572
それが一番強く感じてたこと

1414
01:21:05,157 --> 01:21:09,703
父の苦悩より 母の苦悩を
そばで見てきたの

1415
01:21:09,912 --> 01:21:12,539
母は多くの友達も失った

1416
01:21:13,457 --> 01:21:19,129
共通の友人の大半が
父を選んだからね

1417
01:21:19,254 --> 01:21:23,800
家族ぐるみでの
付き合いがなくなった

1418
01:21:24,718 --> 01:21:26,094
そんな中でも––

1419
01:21:27,221 --> 01:21:31,141
母を支えてくれた人には
感謝してる

1420
01:21:31,683 --> 01:21:34,561
他の女性を愛してたから––

1421
01:21:34,686 --> 01:21:36,813
罪悪感に苦しんだ

1422
01:21:36,939 --> 01:21:40,234
11年の心理療法も
効果はなかった

1423
01:21:40,984 --> 01:21:45,531
ありきたりだが
妻とは価値観が違ったんだ

1424
01:21:45,656 --> 01:21:50,410
一方 愛した女性にも
事情があった

1425
01:21:50,577 --> 01:21:53,330
シドニーと距離を置くたび

1426
01:21:53,455 --> 01:21:55,999
互いに
ヨリを戻そうとした

1427
01:21:53,956 --> 01:21:57,501
ダイアン・キャロル

1428
01:21:56,124 --> 01:21:57,501
でも結局は・・・

1429
01:21:57,626 --> 01:22:01,004
２人とも
分かってたことだけど

1430
01:22:01,129 --> 01:22:04,299
健全な関係ではなかった

1431
01:22:04,424 --> 01:22:09,555
いい友達で終われる関係でも
なかったの

1432
01:22:12,641 --> 01:22:16,270
ポップカルチャーが
急激に変わった

1433
01:22:16,395 --> 01:22:19,481
1963年から
1968年にかけて––

1434
01:22:19,606 --> 01:22:23,318
シドニーは
黒人のイメージそのものだった

1435
01:22:23,443 --> 01:22:26,363
そして
ブラック・パワーが起きた

1436
01:22:33,579 --> 01:22:36,623
黒人が誇りを持って
声を上げ––

1437
01:22:36,748 --> 01:22:39,334
黒人の美しさを主張した

1438
01:22:39,459 --> 01:22:42,129
アフロヘア　黒人のダンス番組

1439
01:22:44,590 --> 01:22:46,216
黒人中心の映画

1440
01:22:46,341 --> 01:22:47,968
「黒いジャガー」

1441
01:22:48,635 --> 01:22:51,096
クソったれ　どけ！

1442
01:22:49,386 --> 01:22:51,555
﹁ス︱パ︱フライ﹂

1443
01:22:55,392 --> 01:22:59,313
徐々に“シドニーの夏”は
色あせていく

1444
01:23:01,356 --> 01:23:07,154
今や白人女性とのセックスが
描かれるようになり––

1445
01:23:07,279 --> 01:23:09,781
平手打ちは銃に変わった

1446
01:23:11,783 --> 01:23:15,913
黒人が白人に
それまでのリベンジをする

1447
01:23:16,038 --> 01:23:18,665
それが
ブラックスプロイテーションだ

1448
01:23:19,082 --> 01:23:20,834
当時の黒人は––

1449
01:23:20,959 --> 01:23:25,839
シドニーがイカしてるとは
思ってなかった

1450
01:23:25,964 --> 01:23:27,007
俺は違う

1451
01:23:27,216 --> 01:23:30,093
だが そういう
黒人の客層が––

1452
01:23:30,219 --> 01:23:33,597
映画を見るようになったんだ

1453
01:23:34,306 --> 01:23:38,185
クインシー主催の
私の42歳の誕生会に––

1454
01:23:38,310 --> 01:23:41,188
シドニーが来てくれたの

1455
01:23:41,313 --> 01:23:43,524
階段を下りた角に––

1456
01:23:43,649 --> 01:23:46,485
彼が立ってたのを覚えてる

1457
01:23:46,610 --> 01:23:50,906
ヒーローを目の前にして
固まったわ

1458
01:23:51,031 --> 01:23:53,909
“初めまして　お嬢さん”

1459
01:23:54,034 --> 01:23:57,246
“会いたかったよ”と
言ってくれた

1460
01:23:59,831 --> 01:24:02,251
私は涙を流しながら––

1461
01:24:02,376 --> 01:24:03,836
感動を伝えた

1462
01:24:03,961 --> 01:24:07,381
“あなたに会えて
本当に救われた”と

1463
01:24:07,506 --> 01:24:11,218
当時の私は
黒人から批判を受けてた

1464
01:24:11,635 --> 01:24:15,097
“私自身も番組も
黒人らしくない”とね

1465
01:24:15,222 --> 01:24:19,142
そんな私を座らせて
シドニーが––

1466
01:24:19,268 --> 01:24:20,686
諭してくれた

1467
01:24:21,603 --> 01:24:24,606
“他人の夢を背負うのは
つらいし––”

1468
01:24:25,148 --> 01:24:28,861
“自分の夢は
後回しになってしまう”

1469
01:24:28,986 --> 01:24:33,824
“それでも
力を尽くすことが大切だ”

1470
01:24:34,032 --> 01:24:37,703
あの瞬間 私の人生が変わった

1471
01:24:38,203 --> 01:24:41,039
彼も批判を受けた経験者よ

1472
01:24:41,164 --> 01:24:45,377
“黒人らしくない
現実味がない”と言われて––

1473
01:24:45,502 --> 01:24:50,424
しばらく悩んでた時の
話をしてくれたわ

1474
01:24:50,549 --> 01:24:54,803
彼は最善の選択をするよう
努めてただけ

1475
01:24:54,928 --> 01:25:00,058
自分の両親の名に
恥じないようにね

1476
01:25:00,976 --> 01:25:05,314
でも それが批判的に
受け取られた

1477
01:25:05,439 --> 01:25:06,899
黒人男性として––

1478
01:25:07,024 --> 01:25:10,861
彼の演じる役も
人間性や価値観も––

1479
01:25:10,986 --> 01:25:13,447
酷評されたのよ

1480
01:25:15,115 --> 01:25:18,368
「失われた男」

1481
01:25:20,037 --> 01:25:23,498
「失われた男」の
撮影をしてる時に––

1482
01:25:20,954 --> 01:25:23,498
１９６９年

1483
01:25:24,124 --> 01:25:27,294
いい予感がしてね
監督
ロバ︱ト・
アラン・ア︱サ︱

1484
01:25:27,544 --> 01:25:30,130
運命の出会いが待ってたよ

1485
01:25:30,714 --> 01:25:34,092
﹁失われた男﹂を
姉と初めて見たのは︱

1486
01:25:33,759 --> 01:25:38,931
娘　シドニ︱・
ポワチエ・ハ︱トソング

1487
01:25:34,218 --> 01:25:36,303
２０代の時だった

1488
01:25:36,929 --> 01:25:40,140
それまで
見る機会がなかったの

1489
01:25:40,599 --> 01:25:42,684
母はカナダ人だけど︱

1490
01:25:42,809 --> 01:25:45,062
撮影でパリに住んでた

1491
01:25:45,187 --> 01:25:47,189
現地人と思われたそうよ

1492
01:25:48,649 --> 01:25:51,276
１９６７年

1493
01:25:50,317 --> 01:25:52,986
最初に
オファ︱があった時

1494
01:25:53,111 --> 01:25:57,449
まず彼女は
共演者が誰かを聞いた

1495
01:25:57,574 --> 01:25:59,743
僕の名前を言われて––

1496
01:25:59,868 --> 01:26:01,954
“誰？”と答えたそうだ

1497
01:26:02,412 --> 01:26:06,708
ポワチエは超有名な
俳優だと言われたけど

1498
01:26:04,915 --> 01:26:08,544
ジョアナ・
シムカス・ポワチエ

1499
01:26:06,834 --> 01:26:10,295
〝私は見たことない〟と
返したわ

1500
01:26:10,420 --> 01:26:12,422
ロンドンにいた時––

1501
01:26:12,548 --> 01:26:15,676
上映中だった映画で
彼を見たの

1502
01:26:14,967 --> 01:26:18,804
﹁いつか見た青い空﹂
１９６５年

1503
01:26:15,801 --> 01:26:17,803
魅力的な人だった

1504
01:26:17,928 --> 01:26:21,515
私はアメリカで
雑誌の撮影をしてて

1505
01:26:21,640 --> 01:26:24,685
アートシアター系の
映画にも出てた

1506
01:26:24,935 --> 01:26:28,605
だからＬＡで
彼に会うことになってね

1507
01:26:28,939 --> 01:26:31,024
ステキな人だった

1508
01:26:31,149 --> 01:26:33,694
ランチをしただけよ

1509
01:26:33,819 --> 01:26:37,030
私には婚約者がいたからね

1510
01:26:37,155 --> 01:26:38,156
でも…

1511
01:26:42,077 --> 01:26:43,871
君の唇のかみ方が…

1512
01:26:46,331 --> 01:26:50,377
映画で共演すると
すぐに関係は進展した

1513
01:26:50,502 --> 01:26:55,757
僕たちは引力に
引き寄せられたんだと思う

1514
01:26:55,883 --> 01:27:00,762
その時は 両親と同じような
愛の物語を––

1515
01:27:00,888 --> 01:27:04,183
紡ぐ準備ができてたんだ

1516
01:27:05,642 --> 01:27:09,646
２人の始まりは
「失われた男」での共演よ

1517
01:27:09,771 --> 01:27:14,067
映画そのものが
父と母の出会いの物語なの

1518
01:27:14,568 --> 01:27:17,738
両親が結婚した時
私は４歳だった

1519
01:27:17,863 --> 01:27:21,033
母が私たちを
病院に連れていくと––

1520
01:27:21,158 --> 01:27:22,951
子守だと思われてね

1521
01:27:23,076 --> 01:27:27,122
その日 家に帰ると
父に迫った

1522
01:27:24,328 --> 01:27:29,374
娘
アニカ・ポワチエ

1523
01:27:27,247 --> 01:27:29,791
〝結婚する気なら
今週して〟と

1524
01:27:29,917 --> 01:27:32,586
それで その週に結婚した

1525
01:27:33,170 --> 01:27:36,173
自宅で式を挙げてる最中に––

1526
01:27:36,298 --> 01:27:40,344
２歳半だった娘のシドニーが
夫に聞いたの

1527
01:27:40,469 --> 01:27:42,679
“パパ　何してるの？”と

1528
01:27:43,013 --> 01:27:46,225
“ママと結婚中”と
言われた娘は––

1529
01:27:46,517 --> 01:27:47,976
“そっか”とだけ

1530
01:27:48,352 --> 01:27:50,521
そんな結婚式だった

1531
01:27:51,438 --> 01:27:54,358
家族や友人に囲まれて育った

1532
01:27:54,483 --> 01:27:56,777
黒人も白人もいたわ

1533
01:27:56,902 --> 01:27:59,571
両親は
人種の混ざった家族と––

1534
01:27:59,696 --> 01:28:01,615
好んで交流してた

1535
01:28:01,740 --> 01:28:05,410
グループ内の子供同士で
遊ばせるの

1536
01:28:05,536 --> 01:28:09,331
その状態が
普通だと思えるようにね

1537
01:28:09,456 --> 01:28:13,669
クインシーの一家と
仲よくしてたわ

1538
01:28:13,794 --> 01:28:16,880
互いが互いの見守り役なの

1539
01:28:17,089 --> 01:28:19,800
そうやって周りの社会から––

1540
01:28:19,925 --> 01:28:22,636
私たちを守ってくれた

1541
01:28:23,053 --> 01:28:25,764
父は分け隔てなかった

1542
01:28:25,889 --> 01:28:28,725
前の妻の子も
今の妻の子も––

1543
01:28:28,851 --> 01:28:30,978
みんな家族だと言ってた

1544
01:28:31,520 --> 01:28:34,857
１つの家族だと教えられたわ

1545
01:28:34,982 --> 01:28:37,776
とてもいい父親だったと思う

1546
01:28:37,901 --> 01:28:41,113
６人の娘 全員の––

1547
01:28:41,488 --> 01:28:43,907
面倒を見てくれた

1548
01:28:44,116 --> 01:28:47,744
それに どちらの母親も
すばらしい人よ

1549
01:28:47,870 --> 01:28:51,248
ジョアナと私の母は
性格が似てた

1550
01:28:51,373 --> 01:28:56,879
心が広くて
家族を一番に考えてる

1551
01:28:57,004 --> 01:28:58,714
父は母親から––

1552
01:28:58,839 --> 01:29:02,050
家族を守れと
常々言われてた

1553
01:28:58,839 --> 01:29:02,926
娘
シェリ・ポワチエ

1554
01:28:58,839 --> 01:29:02,050
家族を守れと
常々言われてた

1555
01:28:58,839 --> 01:29:02,926
娘
シェリ・ポワチエ

1556
01:29:02,176 --> 01:29:03,760
だから その教えを︱

1557
01:29:04,720 --> 01:29:06,471
守ってきたの

1558
01:29:06,722 --> 01:29:11,101
姉妹で助け合っていくよう
父は私たちにも––

1559
01:29:11,226 --> 01:29:13,437
教えを刻みこんだ

1560
01:29:15,063 --> 01:29:17,316
1970年代の初頭
シドニーに––

1561
01:29:17,441 --> 01:29:20,068
人生を変える機会が訪れる

1562
01:29:20,194 --> 01:29:23,322
キング牧師の件で
絶縁してた––

1563
01:29:23,447 --> 01:29:26,074
ハリーから電話があったんだ

1564
01:29:26,200 --> 01:29:27,576
なぜ ここだと？

1565
01:29:28,035 --> 01:29:29,661
馬に聞いた

1566
01:29:30,329 --> 01:29:33,582
いい企画があると誘われて––

1567
01:29:33,707 --> 01:29:36,585
シドニーは すぐに承諾した

1568
01:29:36,710 --> 01:29:38,462
直感だろう

1569
01:29:38,587 --> 01:29:41,465
“どこで いつやる？”とね

1570
01:29:41,924 --> 01:29:44,051
「ブラック・ライダー」

1571
01:29:45,594 --> 01:29:46,929
1972年

1572
01:29:49,723 --> 01:29:52,142
監督
シドニ︱・ポワチエ

1573
01:29:50,432 --> 01:29:52,935
シドニ︱の初監督作品だ

1574
01:29:53,060 --> 01:29:56,104
当初は別の監督の予定だった

1575
01:29:56,230 --> 01:29:58,440
撮影開始の１週間後

1576
01:29:58,565 --> 01:30:00,859
監督に昇格したんだ

1577
01:30:00,984 --> 01:30:02,402
元々の監督は？

1578
01:30:02,528 --> 01:30:03,153
彼は…

1579
01:30:09,243 --> 01:30:12,412
撮影開始後にハリーが言った

1580
01:30:12,538 --> 01:30:15,457
“別の監督を探そう”とね

1581
01:30:15,582 --> 01:30:19,169
彼は作品のテーマを
理解してなかった

1582
01:30:19,837 --> 01:30:25,300
アメリカ先住民と
黒人の文化の融合なんだ

1583
01:30:25,843 --> 01:30:28,554
どんな映画の撮影でも––

1584
01:30:28,679 --> 01:30:34,184
僕は必ず近くで
監督の仕事を見てきた

1585
01:30:34,476 --> 01:30:38,856
何年もずっと見てきたから––

1586
01:30:39,106 --> 01:30:42,401
自然と学んでたんだ

1587
01:30:46,321 --> 01:30:50,993
１週間 お試しで
僕が監督を引き受けた

1588
01:30:51,118 --> 01:30:54,037
仕事ぶりをチェックした––

1589
01:30:54,454 --> 01:30:56,999
製作会社が連絡してきた

1590
01:30:57,124 --> 01:30:59,960
“正式に監督として頼む”

1591
01:31:00,085 --> 01:31:03,088
“合格だ”と言われたんだ

1592
01:31:03,213 --> 01:31:04,047
アクション

1593
01:31:04,173 --> 01:31:05,132
神よ

1594
01:31:05,257 --> 01:31:07,759
私はホーリネス派教会の––

1595
01:31:07,885 --> 01:31:09,928
ラザフォード牧師だ

1596
01:31:10,220 --> 01:31:11,805
出身はどこだ？

1597
01:31:11,930 --> 01:31:13,724
ミシシッピだ

1598
01:31:13,849 --> 01:31:14,433
カット！

1599
01:31:14,558 --> 01:31:15,267
最高だ

1600
01:31:15,392 --> 01:31:17,060
よかったよ

1601
01:31:17,436 --> 01:31:18,103
アップで

1602
01:31:18,228 --> 01:31:19,479
カメラを

1603
01:31:19,605 --> 01:31:20,731
最初から？

1604
01:31:20,856 --> 01:31:22,316
よし やろう

1605
01:31:24,443 --> 01:31:28,447
﹁エリス・ハイズリップの
ＳＯＵＬ！﹂

1606
01:31:25,944 --> 01:31:28,447
﹁ブラック・ライダ︱﹂は

1607
01:31:28,572 --> 01:31:31,450
まもなく劇場公開されるよ

1608
01:31:31,575 --> 01:31:33,327
ハリーの演出は？

1609
01:31:33,452 --> 01:31:36,246
エゴが強くて
やりにくかった？

1610
01:31:37,039 --> 01:31:39,208
聞いてくれて うれしい

1611
01:31:40,167 --> 01:31:43,879
シドニーとハリーは
最高のコンビだ

1612
01:31:44,004 --> 01:31:47,716
兄弟愛みたいなものが
伝わってくる

1613
01:31:47,841 --> 01:31:50,636
多くの人が驚くと思うが––

1614
01:31:50,761 --> 01:31:54,973
彼は これまでで
最も協力的な役者だった

1615
01:31:55,307 --> 01:31:59,436
だから みんなの前で伝えたい

1616
01:31:59,561 --> 01:32:01,355
本当にありがとう

1617
01:32:04,691 --> 01:32:07,027
シドニーはハリウッドで––

1618
01:32:07,152 --> 01:32:09,947
最も力のある俳優になった

1619
01:32:10,072 --> 01:32:11,823
その彼が監督だ

1620
01:32:11,949 --> 01:32:13,784
作品もよかった

1621
01:32:13,909 --> 01:32:18,038
黒人が西部へ渡っていく物語は
目新しく––

1622
01:32:18,163 --> 01:32:21,416
まともに描かれたのは
初めてだった

1623
01:32:21,834 --> 01:32:25,045
映画を通して
大事なことを伝えたい

1624
01:32:25,170 --> 01:32:29,132
黒人は西部開拓で
重要な役割を担ったと––

1625
01:32:29,424 --> 01:32:31,593
子供に教えたいんだ

1626
01:32:31,718 --> 01:32:34,471
彼は偉大な映画制作者だ

1627
01:32:35,013 --> 01:32:39,685
毎回 他の人とは違う視点で
作品に携わる

1628
01:32:39,810 --> 01:32:43,313
彼がいると
独特な作品ができるんだ

1629
01:32:43,730 --> 01:32:45,274
“俺はバックだ”

1630
01:32:47,234 --> 01:32:48,527
俺はバックだ

1631
01:32:53,365 --> 01:32:57,369
1960年代
彼は大スター俳優だったが––

1632
01:32:57,494 --> 01:32:59,705
その地位は卒業した

1633
01:32:59,830 --> 01:33:04,293
1970年代 彼は
黒人映画界を先導して––

1634
01:33:04,418 --> 01:33:08,380
後輩にチャンスを与えるため
尽力したんだ

1635
01:33:08,839 --> 01:33:11,884
平等にチャンスが
与えられていれば––

1636
01:33:12,009 --> 01:33:15,679
多くの黒人俳優が
活躍してるはずだ

1637
01:33:15,804 --> 01:33:18,098
べラフォンテが15人…

1638
01:33:18,223 --> 01:33:19,224
おいおい

1639
01:33:23,478 --> 01:33:25,606
〝スイ︱トル︱ム〟

1640
01:33:23,478 --> 01:33:28,734
1969年にポールやシドニーと
製作会社を立ち上げた

1641
01:33:28,859 --> 01:33:31,278
社名は
“ファースト・アーティスツ”

1642
01:33:31,945 --> 01:33:37,367
アーティストが権利を持つ点が
画期的だった

1643
01:33:37,492 --> 01:33:39,995
製作面での全権利を持てる

1644
01:33:40,329 --> 01:33:42,206
スタート資金はゼロ

1645
01:33:42,331 --> 01:33:46,043
映画が成功すれば
お金が入る仕組みよ

1646
01:33:46,168 --> 01:33:50,631
報酬は二の次よ
自由に創造したかったの

1647
01:33:50,756 --> 01:33:53,800
光栄にも唯一の女性だった

1648
01:33:54,343 --> 01:33:57,846
シドニーと組めたことを
誇りに思う

1649
01:33:57,971 --> 01:34:01,099
黒人が製作会社を
始めるなんて––

1650
01:34:01,225 --> 01:34:03,101
すごく大胆なことよ

1651
01:34:04,228 --> 01:34:06,730
人は思ったはずよ

1652
01:34:07,189 --> 01:34:09,274
“現状に満足すべき”と

1653
01:34:09,399 --> 01:34:12,402
“今のままで
多くの役がもらえてる”

1654
01:34:12,528 --> 01:34:16,198
“わざわざ自分で
仕事を創り出す立場に––”

1655
01:34:16,323 --> 01:34:18,951
“身を置く必要はない”

1656
01:34:19,076 --> 01:34:23,705
でも父なりの主張をするための
戦略だったの

1657
01:34:24,456 --> 01:34:27,292
僕たちが望んでたのは––

1658
01:34:27,417 --> 01:34:31,213
自分たちのやりたい映画を
作ることだ

1659
01:34:31,338 --> 01:34:33,841
題材を決め 自分で作る

1660
01:34:33,966 --> 01:34:37,469
アクション・コメディーや
犯罪コメディーを作った

1661
01:34:37,594 --> 01:34:39,471
どれも傑作さ

1662
01:34:39,721 --> 01:34:41,682
カッコいいでしょ

1663
01:34:42,224 --> 01:34:45,269
父が映画監督だなんてね

1664
01:34:45,394 --> 01:34:47,563
作品をどう作るべきか

1665
01:34:47,688 --> 01:34:50,232
父は映画業界を熟知してた

1666
01:34:50,607 --> 01:34:54,778
以前から映画の出演者に
黒人の俳優が––

1667
01:34:54,903 --> 01:34:58,907
ほとんどいないことを
父は気にしてたの

1668
01:34:59,032 --> 01:35:01,451
どの映画にもいない

1669
01:35:01,952 --> 01:35:04,788
それを変えようとしてた

1670
01:35:05,080 --> 01:35:09,209
裏方の黒人にも
多くの仕事を与えてるね

1671
01:35:09,334 --> 01:35:12,421
黒人俳優の起用だけじゃない

1672
01:35:12,546 --> 01:35:17,801
ああ　１つの作品で
1300人の黒人を雇用してる

1673
01:35:17,926 --> 01:35:20,596
エキストラや技術者などでね

1674
01:35:20,721 --> 01:35:23,348
1276人は僕の親戚だ

1675
01:35:23,473 --> 01:35:24,808
そりゃ いい

1676
01:35:24,933 --> 01:35:26,727
彼は誇り高き黒人だ

1677
01:35:26,852 --> 01:35:30,522
そんな彼が監督する作品だぞ

1678
01:35:30,939 --> 01:35:32,649
俳優が全員 黒人で––

1679
01:35:32,774 --> 01:35:35,569
スタッフが白人なんて
あり得ない

1680
01:35:35,694 --> 01:35:38,697
シドニーがするわけない

1681
01:35:38,906 --> 01:35:42,492
確実にキャリアを
築けるように––

1682
01:35:42,618 --> 01:35:46,079
黒人に裏方の仕事を与えるんだ

1683
01:35:46,496 --> 01:35:49,708
裏方のほうが 長くやれるだろ

1684
01:35:49,833 --> 01:35:54,463
役者としては徐々に
後輩に道を譲っていくんだ

1685
01:35:54,588 --> 01:35:56,965
常に主役でなくていい

1686
01:35:57,090 --> 01:36:00,427
監督として
映画を作るのが楽しみだ

1687
01:36:00,552 --> 01:36:04,598
脚本と格闘し
役者たちと奮闘したい

1688
01:36:04,723 --> 01:36:06,266
大きな絵を描きたい

1689
01:36:06,892 --> 01:36:09,770
もう俳優は十分やった

1690
01:36:09,895 --> 01:36:12,981
山の頂点まで登ったからね

1691
01:36:16,193 --> 01:36:19,404
マンハッタンの３番街を
歩いてたら––

1692
01:36:19,530 --> 01:36:22,824
「一発大逆転」の上映中でね

1693
01:36:23,283 --> 01:36:25,702
劇場に入り 後ろから––

1694
01:36:25,827 --> 01:36:29,581
満員の観客の反応を
観察したんだ

1695
01:36:29,998 --> 01:36:31,542
黒人の女性が––

1696
01:36:31,667 --> 01:36:35,546
みんな笑い転げてたよ

1697
01:36:35,879 --> 01:36:38,882
﹁シドニ︱・ポワチエ／
一発大逆転﹂
１９７５年

1698
01:36:35,879 --> 01:36:40,592
登場人物たちを見て
大喜びだった

1699
01:36:40,717 --> 01:36:44,179
共感できるキャラクターを
描いたからだ

1700
01:36:44,304 --> 01:36:46,181
その反応を見て––

1701
01:36:46,306 --> 01:36:49,643
同じ系統の作品を
作ろうと決めた

1702
01:36:50,143 --> 01:36:53,772
コメディーの登場人物で
肝心なのは––

1703
01:36:53,897 --> 01:36:59,987
観客が自分と重ね合わせて
見られるか

1704
01:37:00,612 --> 01:37:02,197
共感がキーだ

1705
01:37:02,322 --> 01:37:05,701
シドニーが
コメディー映画の監督になった

1706
01:37:06,326 --> 01:37:09,329
まさに予期せぬ人生の転機さ

1707
01:37:09,454 --> 01:37:13,625
コメディーで
成功を収めるなんてね

1708
01:37:13,750 --> 01:37:19,798
爆発的カリスマ性のある
笑いの才能を持ってるんだ

1709
01:37:19,923 --> 01:37:23,927
１２５年の懲役刑を
言い渡す

1710
01:37:20,465 --> 01:37:23,135
﹁スタ︱・クレイジ︱﹂

1711
01:37:23,427 --> 01:37:26,096
１９８０年

1712
01:37:24,052 --> 01:37:28,140
州立刑務所で
刑期を務めること

1713
01:37:28,515 --> 01:37:31,768
シドニーは監督として
それほど––

1714
01:37:31,894 --> 01:37:33,979
視覚的なセンスはない

1715
01:37:34,104 --> 01:37:36,940
だが演技の指導は
ピカイチだ

1716
01:37:35,564 --> 01:37:38,525
監督
シドニ︱・ポワチエ

1717
01:37:37,065 --> 01:37:39,818
演出を入れつつも︱

1718
01:37:39,943 --> 01:37:43,280
役者が面白さを
発揮できる余地を残す

1719
01:37:43,405 --> 01:37:44,072
僕は違う

1720
01:37:44,198 --> 01:37:46,658
弁護士に呼ばれて…

1721
01:37:47,451 --> 01:37:49,119
冗談ですよ

1722
01:37:49,244 --> 01:37:50,954
“僕たちは”です

1723
01:37:51,079 --> 01:37:51,914
やってません

1724
01:37:52,039 --> 01:37:53,624
人違いでは？

1725
01:37:54,166 --> 01:37:57,628
まさかコメディ監督として
成功するとは

1726
01:37:57,753 --> 01:38:02,549
彼に続いたのは デンゼルや
ウェズリーだけでなく

1727
01:38:02,674 --> 01:38:05,302
ロバート・タウンゼントや
Ｋ・Ｉ・ウェイアンズもだ

1728
01:38:06,094 --> 01:38:09,097
ハリウッド初の
大物コメディ監督だからね

1729
01:38:09,223 --> 01:38:11,934
〝﹁スタ︱・クレイジ︱﹂
興行収入１億ドル〟

1730
01:38:19,274 --> 01:38:20,400
パパに挨拶を

1731
01:38:20,526 --> 01:38:21,944
ハーイ

1732
01:38:22,361 --> 01:38:24,071
そこにいて　アニカ

1733
01:38:25,197 --> 01:38:26,907
見えるぞ　シドニー

1734
01:38:28,742 --> 01:38:29,493
見える？

1735
01:38:29,618 --> 01:38:30,452
パパがね

1736
01:38:31,578 --> 01:38:35,999
金のなる木だと
撮影現場で言ってる

1737
01:38:36,124 --> 01:38:39,211
笑ってみせて　いいね

1738
01:38:39,711 --> 01:38:40,879
シドニー？

1739
01:38:41,797 --> 01:38:44,675
父を本当に尊敬してる

1740
01:38:44,800 --> 01:38:49,388
多くの俳優は
落ち目になってくると––

1741
01:38:49,513 --> 01:38:53,016
打診が来たら
どんな役でも受ける

1742
01:38:53,141 --> 01:38:58,397
俳優として働き続けたいと
考えるからね

1743
01:38:58,522 --> 01:39:01,066
でも父は違った

1744
01:39:02,025 --> 01:39:04,236
引き際だと思った

1745
01:39:04,361 --> 01:39:08,574
人生の道を
１つに絞るべきではない

1746
01:39:08,699 --> 01:39:13,495
１つの道しか
経験しない生き方では––

1747
01:39:13,871 --> 01:39:16,123
最後は尻すぼみだ

1748
01:39:16,540 --> 01:39:20,419
何年もの間
キャリアは順調だった

1749
01:39:20,669 --> 01:39:25,924
ずっと成功し続けられたかは
分からない

1750
01:39:26,508 --> 01:39:28,719
でも 続いていたら––

1751
01:39:28,844 --> 01:39:32,222
成長するチャンスを
逃しただろう

1752
01:39:32,347 --> 01:39:35,684
成功すると
世間から孤立してしまう

1753
01:39:36,852 --> 01:39:37,936
それはイヤだ

1754
01:39:38,061 --> 01:39:42,733
監督をしたくて
５～６本作品を撮った

1755
01:39:42,858 --> 01:39:46,320
プロデューサーとしても
映画を作った

1756
01:39:46,445 --> 01:39:50,407
子供時代 好奇心のせいで
たくさん悪さをした

1757
01:39:50,532 --> 01:39:54,036
だが大人の好奇心は有益だ

1758
01:39:56,121 --> 01:39:59,583
一生 持ち続けていきたい

1759
01:40:00,584 --> 01:40:03,962
１９９２年の
生涯功労賞 受賞者は︱

1760
01:40:04,087 --> 01:40:05,589
シドニ︱・ポワチエ

1761
01:40:06,715 --> 01:40:10,802
１９９２年
アメリカ映画協会
生涯功労賞

1762
01:40:15,182 --> 01:40:17,976
シドニーは灯台のような存在だ

1763
01:40:18,852 --> 01:40:22,439
真っ暗な岬で
常に光を放ってる

1764
01:40:22,856 --> 01:40:23,857
明るい光だ

1765
01:40:24,650 --> 01:40:27,819
シドニーにも
話したことがあるが

1766
01:40:27,945 --> 01:40:29,613
下積み時代は––

1767
01:40:30,739 --> 01:40:34,743
彼が俺を照らす光だけに
集中してた

1768
01:40:36,119 --> 01:40:40,457
彼以上に明るい灯台はなかった

1769
01:40:40,791 --> 01:40:42,125
だから俺は––

1770
01:40:42,960 --> 01:40:46,672
その光を強く信じてきたんだ

1771
01:40:47,172 --> 01:40:52,219
48年前 1945年の冬に––

1772
01:40:52,594 --> 01:40:55,931
シドニーは
ある劇場に足を踏み入れた

1773
01:40:56,056 --> 01:40:59,309
それがＡＮＴだった

1774
01:41:02,688 --> 01:41:05,524
彼は先頭をいく男だった

1775
01:41:05,774 --> 01:41:08,902
彼がいい演技をすると
皆が続く

1776
01:41:09,570 --> 01:41:11,655
真に立派な人だよ

1777
01:41:11,780 --> 01:41:15,075
男らしさとは何かを示した

1778
01:41:15,325 --> 01:41:21,039
彼は苦労をしながら
多くのことを成し遂げた

1779
01:41:19,288 --> 01:41:23,458
１９７４年
大英帝国勲章

1780
01:41:21,164 --> 01:41:23,458
やれることは
すべてやった

1781
01:41:24,334 --> 01:41:27,004
人生を
振り返って︱

1782
01:41:26,003 --> 01:41:30,090
１９９７年
バハマ駐日大使

1783
01:41:27,129 --> 01:41:30,090
〝道徳的に
正しく生きた〟と︱

1784
01:41:30,424 --> 01:41:31,633
言える人生だ

1785
01:41:31,758 --> 01:41:37,222
彼とは長年の親友で
多くのことを共有してきた

1786
01:41:37,556 --> 01:41:40,100
芸術家として 市民として––

1787
01:41:40,225 --> 01:41:42,728
成した功績を誇りに思う

1788
01:41:43,228 --> 01:41:47,232
君の友でいられて
俺はとても幸運だ

1789
01:41:47,357 --> 01:41:48,609
愛してる

1790
01:41:54,990 --> 01:41:59,203
最優秀賞は
デンゼル・ワシントンよ

1791
01:41:56,909 --> 01:42:01,580
２００２年
アカデミ︱賞

1792
01:42:02,289 --> 01:42:05,584
最優秀賞はハル・ベリー

1793
01:42:05,709 --> 01:42:07,419
信じられない

1794
01:42:07,544 --> 01:42:09,588
歴史的な夜だった

1795
01:42:09,713 --> 01:42:13,091
デンゼルと私が
最優秀賞を取り––

1796
01:42:13,217 --> 01:42:15,135
シドニーは名誉賞を受賞

1797
01:42:15,260 --> 01:42:18,597
多くの人に勇気を与えたと思う

1798
01:42:18,722 --> 01:42:21,141
心の底から感謝します

1799
01:42:19,473 --> 01:42:25,354
主演男優賞
デンゼル・ワシントン
﹁トレ︱ニング デイ﹂

1800
01:42:21,808 --> 01:42:24,311
シドニ︱を追って４０年

1801
01:42:24,436 --> 01:42:26,605
同じ夜に受賞できた

1802
01:42:28,649 --> 01:42:30,234
彼の姿を覚えてる

1803
01:42:30,984 --> 01:42:33,111
距離はあったけど––

1804
01:42:33,237 --> 01:42:36,281
バトンを渡されたようだった

1805
01:42:36,406 --> 01:42:38,575
あなたを追ってきた

1806
01:42:38,700 --> 01:42:41,203
これからも 追い続ける

1807
01:42:41,328 --> 01:42:44,289
あなたを目指してきた

1808
01:42:44,414 --> 01:42:48,919
彼のような人は現れない
この先もずっとね

1809
01:42:49,795 --> 01:42:53,090
彼は映画を
作ったのではない

1810
01:42:52,464 --> 01:42:56,969
２００９年
大統領自由勲章

1811
01:42:53,215 --> 01:42:56,969
国の発展の
道しるべを作ってきた

1812
01:42:57,094 --> 01:43:01,390
彼は よりよい人間に
なりたいと言った

1813
01:43:01,890 --> 01:43:05,769
それを成し遂げ
我々の手本となった

1814
01:43:11,567 --> 01:43:15,487
彼は世界を動かして変え––

1815
01:43:16,655 --> 01:43:20,659
目覚めさせるために
生まれてきた

1816
01:43:20,993 --> 01:43:24,580
人に必要なものを与えてくれる

1817
01:43:24,705 --> 01:43:29,710
おかげで人は前進し
人生を変えていけるんだ

1818
01:43:29,835 --> 01:43:34,381
シドニーは
極めて強いエネルギーを持つ

1819
01:43:34,631 --> 01:43:37,259
エネルギーについて––

1820
01:43:37,759 --> 01:43:39,386
祖父に教わった

1821
01:43:39,511 --> 01:43:44,016
エネルギ︱が
消えることはない

1822
01:43:39,845 --> 01:43:44,016
ネルソン・マンデラ

1823
01:43:44,141 --> 01:43:47,895
シドニーが生んだものは
永遠に残り––

1824
01:43:48,020 --> 01:43:51,023
大きくなり続けるだろう

1825
01:43:51,398 --> 01:43:52,441
なんと––

1826
01:43:53,942 --> 01:43:55,402
美しい人生なんだ

1827
01:43:56,653 --> 01:43:59,156
おめでとう　オプラ

1828
01:43:59,281 --> 01:44:04,745
この20年間 君は
必要としてる人へ––

1829
01:44:04,870 --> 01:44:08,582
優しい光をもたらしてきた

1830
01:44:11,793 --> 01:44:13,670
彼が影響を与えた人々は

1831
01:44:13,795 --> 01:44:16,548
すべて彼の遺産の一部よ

1832
01:44:16,798 --> 01:44:22,095
人々は 彼の作品に
心を動かされてきた

1833
01:44:22,221 --> 01:44:25,224
「いつも心に太陽を」

1834
01:44:25,349 --> 01:44:28,268
「招かれざる客」

1835
01:44:28,393 --> 01:44:32,022
「手錠のままの脱獄」の––

1836
01:44:32,564 --> 01:44:35,651
トニーを助けるシーン

1837
01:44:35,776 --> 01:44:39,905
“黒人はこう行動するんだ”と
思うでしょう

1838
01:44:42,533 --> 01:44:44,201
それがシドニーよ

1839
01:44:45,035 --> 01:44:47,246
みんなが彼の遺産なの

1840
01:44:47,996 --> 01:44:49,289
それに尽きる

1841
01:44:54,002 --> 01:44:56,088
彼が大好きよ

1842
01:44:56,213 --> 01:44:58,257
すごく愛してる

1843
01:44:58,924 --> 01:45:02,386
彼がいなければ
今の私はない

1844
01:45:03,554 --> 01:45:04,888
長い旅だった

1845
01:45:05,013 --> 01:45:07,599
本当に長い道を歩んできた

1846
01:45:07,724 --> 01:45:09,476
誇りに思うよ

1847
01:45:09,852 --> 01:45:13,814
僕の使命は…

1848
01:45:15,065 --> 01:45:18,861
よき夫であり
よき祖父であること

1849
01:45:18,986 --> 01:45:21,655
よき父であり
よき曽祖父であること

1850
01:45:21,780 --> 01:45:27,202
僕のいい部分を
受け継いでもらいたい

1851
01:45:27,536 --> 01:45:31,540
精いっぱい 努めてるんだ

1852
01:45:32,583 --> 01:45:34,877
今日よりも明日––

1853
01:45:35,127 --> 01:45:38,505
いい人間になれるように

1854
01:45:38,630 --> 01:45:41,967
いい俳優ではなく
いい人間でいたい

1855
01:45:42,342 --> 01:45:47,222
そうすれば 死ぬ時
人生を悔いることはないだろう

1856
01:45:56,481 --> 01:46:02,112
シドニー・ポワチエ
1927～2022年

1857
01:51:27,855 --> 01:51:29,857
日本語字幕　水野 知美

