1
00:00:15,516 --> 00:00:20,729
他人が自分の人生に
関心があるかもと

2
00:00:20,854 --> 00:00:24,024
考えるなんて バカげてる

3
00:00:24,149 --> 00:00:29,863
回顧録の執筆は 物思いに
ふけるのとは別次元の話だ

4
00:00:31,114 --> 00:00:32,698
だが書いてみた

5
00:00:33,200 --> 00:00:37,162
今日は俺の自伝
「サレンダー」から

6
00:00:37,287 --> 00:00:39,831
いくつか話をしてみる

7
00:00:39,957 --> 00:00:43,293
まずは劇的なオープニング

8
00:00:43,418 --> 00:00:46,421
これは劇的な“ラスト”にも
なり得た

9
00:00:47,172 --> 00:00:48,173
俺は––

10
00:00:49,925 --> 00:00:53,387
特殊な心臓を持って生まれた

11
00:00:53,929 --> 00:01:00,060
大動脈弁に3つあるが
俺には2つしかない

12
00:01:00,602 --> 00:01:03,814
その2つの扉のが––

13
00:01:03,939 --> 00:01:07,818
2016年のクリスマスに
外れてしまった

14
00:01:07,943 --> 00:01:11,947
大動脈は
主動脈であり生命線だ

15
00:01:12,656 --> 00:01:16,952
その大動脈に
ストレスでができた

16
00:01:17,411 --> 00:01:19,997
今にも破裂しそうで

17
00:01:20,122 --> 00:01:26,753
世に別れを告げる隙も与えず
俺を殺す勢いだった

18
00:01:27,754 --> 00:01:29,339
そして 俺は––

19
00:01:30,591 --> 00:01:34,887
ニューヨーク市内の
マウントサイナイ病院で

20
00:01:35,012 --> 00:01:38,932
手術台に横たわる自分を
見下ろしてた

21
00:01:39,933 --> 00:01:43,854
血液が勢いよく渦を巻き
飛び散ってる

22
00:01:43,979 --> 00:01:48,400
俺を死に至らしめようと
してるのが分かる

23
00:01:48,859 --> 00:01:50,277
血と空気

24
00:01:50,777 --> 00:01:52,487
血と はらわた

25
00:01:52,613 --> 00:01:55,324
今 必要なのは血液と脳だ

26
00:01:55,449 --> 00:02:00,370
頭脳と手腕を持った
外科医が––

27
00:02:00,495 --> 00:02:02,998
そばに立ってる

28
00:02:03,123 --> 00:02:08,086
医者は上から俺の胸に
刃物を振りかざし

29
00:02:08,211 --> 00:02:12,716
科学と食肉処理の技術を
駆使する

30
00:02:13,133 --> 00:02:17,346
“ご主人は
戦士のような強さをお持ちだ”

31
00:02:17,471 --> 00:02:20,849
“縫合に超強力な糸が
必要だった”

32
00:02:20,974 --> 00:02:25,479
“恐らく肺活量が
同年代の人と比べて”

33
00:02:25,604 --> 00:02:27,898
“3割増しだ”

34
00:02:40,452 --> 00:02:43,956
空気はスタミナになる

35
00:02:45,332 --> 00:02:48,669
空気は挑戦するための––

36
00:02:49,962 --> 00:02:52,005
自信になる

37
00:02:52,130 --> 00:02:57,094
空気はエベレストを
制覇する意志ではなく

38
00:02:58,011 --> 00:03:00,764
登頂に耐える力になる

39
00:03:00,889 --> 00:03:05,936
だが 俺は初めて
空気がない状態にある

40
00:03:07,646 --> 00:03:09,231
息ができない

41
00:03:09,773 --> 00:03:12,192
俺たちが神と呼ぶもの

42
00:03:12,860 --> 00:03:14,653
すべての息

43
00:03:15,070 --> 00:03:22,077
エホバ アラー イェシュア

44
00:03:22,536 --> 00:03:26,415
息ができなくて 怖い

45
00:03:27,708 --> 00:03:29,751
なぜなら 初めて

46
00:03:30,377 --> 00:03:34,965
イェシュアに手を伸ばすと

47
00:03:36,341 --> 00:03:39,803
イェシュアは
そこにいないのだ

48
00:03:41,430 --> 00:03:47,060
沈黙に救いを求めるのは
尋常なことではない

49
00:03:48,854 --> 00:03:50,981
姿を現すよう求める

50
00:03:52,482 --> 00:03:56,153
その沈黙に
があるのか見極める

51
00:03:59,489 --> 00:04:01,074
しかし その瞬間

52
00:04:02,117 --> 00:04:05,746
神は姿を消したようだ

53
00:04:08,665 --> 00:04:09,791
ここは どこ?

54
00:04:12,336 --> 00:04:13,712
空気もない

55
00:04:15,255 --> 00:04:16,923
祈りも届かない

56
00:04:18,132 --> 00:04:20,677
メロディーもない

57
00:04:21,136 --> 00:04:26,517
どうやって
ここに たどり着いた?

58
00:04:29,603 --> 00:04:33,232
♪(“Vertigo”)~

59
00:04:30,437 --> 00:04:33,232
{\an8}ニュ—ヨ—ク
ニュ—ヨ—ク!

60
00:04:33,690 --> 00:04:36,610
74丁目と
ブロードウェイの角で

61
00:04:36,985 --> 00:04:39,821
ビーコンが我々の道を照らす

62
00:05:00,551 --> 00:05:01,635
オラ!

63
00:05:48,307 --> 00:05:49,141
オラ!

64
00:06:36,522 --> 00:06:40,317
本の宣伝ツアーの
フリを続けよう

65
00:06:46,240 --> 00:06:47,449
いいね

66
00:06:49,243 --> 00:06:50,244
オラ

67
00:06:50,369 --> 00:06:51,912
オラ!

68
00:06:52,037 --> 00:06:55,207
“4分の1男”のショーに
ようこそ

69
00:06:56,708 --> 00:07:01,421
バンドメンバー抜きで
みんなの前に立つのは

70
00:07:02,130 --> 00:07:04,925
何だか異様な感じがするね

71
00:07:05,050 --> 00:07:08,971
ご存知のとおり
U2のツアーでは

72
00:07:09,096 --> 00:07:12,891
大がかりな“小道具”が
用意される

73
00:07:14,351 --> 00:07:18,605
巨大なかぎ爪に
宇宙ステーション

74
00:07:19,231 --> 00:07:20,816
レモン形ミラーボール

75
00:07:21,441 --> 00:07:25,571
だが今夜あるのは
テーブルとイス

76
00:07:26,238 --> 00:07:30,033
ジャックナイフ・リー
アンサンブル

77
00:07:27,239 --> 00:07:30,033
{\an8}音楽監修
ジャックナイフ・リ—

78
00:07:30,325 --> 00:07:34,746
すばらしき
ケイト・エリスのチェロ

79
00:07:31,326 --> 00:07:34,746
{\an8}チェロ
ケイト・エリス

80
00:07:34,872 --> 00:07:39,835
ジェマ・ドハティーの
ハープと天使の歌声だ

81
00:07:35,789 --> 00:07:39,835
{\an8}ハ—プ
ジェマ・ドハティ—

82
00:07:39,960 --> 00:07:43,589
俺の人生で
一番 大事なものは

83
00:07:43,714 --> 00:07:48,135
関わってきた人々だと気づいた

84
00:07:48,260 --> 00:07:52,806
そのほとんどの人とは
同じ週に出会った

85
00:07:52,931 --> 00:07:56,894
妻のアリと
付き合い始めた週に

86
00:07:57,019 --> 00:08:00,522
U2に参加したんだ

87
00:08:02,191 --> 00:08:03,108
そうだ

88
00:08:03,233 --> 00:08:04,651
ここへ ダーリン

89
00:08:05,235 --> 00:08:10,782
高校時代の1週間で
人生のすべてが決まった

90
00:08:11,742 --> 00:08:12,743
大体ね

91
00:08:12,868 --> 00:08:14,286
♪(“City of
Blinding Lights”)~

92
00:08:14,411 --> 00:08:17,706
アリソンは信念の人で––

93
00:08:17,831 --> 00:08:21,168
よりによって俺を信じた

94
00:08:21,293 --> 00:08:26,882
この15歳の少女は
悪夢に耐えただけでなく

95
00:08:27,007 --> 00:08:29,218
恋人を励ました

96
00:08:29,343 --> 00:08:35,349
無力さを感じながら
ビッグなバンドになると––

97
00:08:35,474 --> 00:08:38,393
豪語して回る恋人をね

98
00:08:39,269 --> 00:08:43,315
小さなロックスターの
大きな夢物語さ

99
00:08:43,732 --> 00:08:49,988
ボノ:ストーリーズ・
オブ・サレンダー

100
00:09:42,624 --> 00:09:46,670
当時は こんな未来を夢見てた

101
00:09:47,004 --> 00:09:48,297
美しいね

102
00:09:48,422 --> 00:09:52,467
だが最近は過去を
夢見るようになった

103
00:09:52,968 --> 00:09:56,680
俺を現在から
遠ざけるような過去だ

104
00:10:12,613 --> 00:10:14,823
母は怒ってるだろう

105
00:10:14,948 --> 00:10:18,535
“自分自身を
見世物にして”とね

106
00:10:18,660 --> 00:10:21,580
でも それが俺の生きがいだ

107
00:10:21,705 --> 00:10:24,791
父はあきれた顔をするだろう

108
00:10:27,169 --> 00:10:30,214
父はローマカトリック教徒だが

109
00:10:30,339 --> 00:10:35,761
プロテスタントの母のように
生きるのが好きだったんだ

110
00:10:36,345 --> 00:10:40,849
二人の結婚式に
父の家族は出席しなかった

111
00:10:40,974 --> 00:10:44,645
当時アイルランドは
宗教紛争の時代だ

112
00:10:44,770 --> 00:10:49,191
だが 父ボブは
外の世界には無関心だった

113
00:10:49,316 --> 00:10:53,820
ボブ・ヒューソンという名の
オペラ

114
00:10:55,989 --> 00:10:58,325
父はテノール歌手だった

115
00:10:58,992 --> 00:11:00,744
すばらしい歌い手だ

116
00:11:01,537 --> 00:11:04,706
歌で人を感動させられた

117
00:11:04,831 --> 00:11:09,294
それには まず自分が
感動せねばならない

118
00:11:10,337 --> 00:11:14,842
目に浮かぶよ
父が実家の居間に立ち

119
00:11:14,967 --> 00:11:20,347
ステレオの前で
母の編み棒を手に指揮してる

120
00:11:20,472 --> 00:11:25,644
ベートーベンやモーツァルト
ヴェルディの曲をね

121
00:11:26,562 --> 00:11:31,233
今は「椿姫」を聴いてるようだ

122
00:11:35,112 --> 00:11:40,158
そこはソレントの
サン・カルロ劇場

123
00:11:40,576 --> 00:11:45,289
椿姫の物語は理解してないが
感覚で分かってる

124
00:11:45,414 --> 00:11:47,749
対立する父と息子

125
00:11:47,875 --> 00:11:51,086
離れて 再会した恋人たち

126
00:11:51,253 --> 00:11:55,841
ボブは人間の心の不当さを
感じ取る

127
00:11:56,133 --> 00:11:59,344
父の心は音楽に壊された

128
00:11:59,928 --> 00:12:05,225
父の脳内のオペラを
俺は生涯をかけ 理解していく

129
00:12:05,350 --> 00:12:08,312
音楽以外は無関心な父を––

130
00:12:09,146 --> 00:12:15,152
10歳の俺は
ただ見上げるだけだった

131
00:12:15,903 --> 00:12:21,742
我が子を立派な売れっ子歌手に
育てたい場合

132
00:12:21,867 --> 00:12:23,994
いくつか手法がある

133
00:12:24,286 --> 00:12:28,749
“才能があるから
歌声を世界に届けろ”と諭す

134
00:12:28,874 --> 00:12:32,294
これはイタリア式だ

135
00:12:32,836 --> 00:12:35,923
完全無視の手法もある

136
00:12:36,048 --> 00:12:41,261
このアイルランド式が
俺には効果的だった

137
00:12:41,595 --> 00:12:45,516
父の注意を
必死で引こうとしたんだ

138
00:12:45,641 --> 00:12:49,937
息子にも音楽の才能があると
思ってほしかった

139
00:12:50,437 --> 00:12:53,106
父が聞いてくれないから

140
00:12:53,524 --> 00:12:57,903
ますます大きな声で歌った

141
00:12:58,362 --> 00:12:59,863
父のおかげで

142
00:12:59,988 --> 00:13:04,409
今夜 みんなの前で
こうして歌えてる

143
00:13:06,703 --> 00:13:07,996
感謝してる

144
00:13:09,081 --> 00:13:13,836
父が内に籠もるのには
理由があった

145
00:13:14,962 --> 00:13:18,382
この話にはハープが必要だ

146
00:13:18,632 --> 00:13:20,467
悲劇的だからね

147
00:13:27,057 --> 00:13:30,727
俺が14歳の時
母アイリスが死んだ

148
00:13:31,645 --> 00:13:36,483
生きてる母を最後に見たのは
祖父の葬儀の時だ

149
00:13:36,608 --> 00:13:40,320
いかにも
アイルランドらしい話だが

150
00:13:41,196 --> 00:13:44,157
その話に俺はわれてる

151
00:13:45,659 --> 00:13:49,663
祖父のが
地中に下ろされた時

152
00:13:50,372 --> 00:13:51,665
母が倒れた

153
00:13:51,790 --> 00:13:53,876
俺は立ち尽くし

154
00:13:54,209 --> 00:13:58,755
父と兄が
母を車に乗せるのを見てた

155
00:14:00,007 --> 00:14:04,928
母は病院に運ばれ
動脈で死んだ

156
00:14:05,220 --> 00:14:06,471
現実だ

157
00:14:07,097 --> 00:14:10,559
自分が無力に感じて
ただ祈った

158
00:14:11,310 --> 00:14:17,274
父は この悲劇のあと
母の話をしなくなった

159
00:14:18,567 --> 00:14:24,198
大黒柱の人生は
妻を失い オペラと化する

160
00:14:24,990 --> 00:14:27,075
怒りと憂うつの中

161
00:14:27,701 --> 00:14:31,997
3人の男が暮らす家に
俺は閉じ込められた

162
00:14:32,998 --> 00:14:38,378
悲嘆をもたらした名前が
家で語られることはない

163
00:14:39,505 --> 00:14:40,506
アイリス

164
00:14:41,715 --> 00:14:44,676
母の名 アイリスだ

165
00:14:46,345 --> 00:14:52,309
家の中に流れる静寂の川で
俺は溺れてただろう

166
00:14:52,434 --> 00:14:58,482
兄ノーマンが
命綱を投げてくれなければね

167
00:14:58,607 --> 00:15:01,818
兄はギターをくれたんだ

168
00:15:02,528 --> 00:15:03,529
盾であり––

169
00:15:03,987 --> 00:15:04,988
武器だった

170
00:15:05,948 --> 00:15:07,199
親友で––

171
00:15:08,325 --> 00:15:11,036
新たな祈りの声 音楽だ

172
00:15:11,161 --> 00:15:12,412
♪(“Glad to
See You Go”)~

173
00:15:18,001 --> 00:15:19,002
“ゴー!”

174
00:15:22,673 --> 00:15:25,551
俺は居間でラモーンズの––

175
00:15:26,927 --> 00:15:30,305
アルバムを聴いて
飛び跳ねたよ

176
00:15:30,430 --> 00:15:34,518
シンプルだが
俺の人生を代弁してた

177
00:15:34,643 --> 00:15:36,395
シンプルだから––

178
00:15:36,854 --> 00:15:41,400
俺にも書けそうだと
思ったんだ

179
00:15:41,650 --> 00:15:44,736
1978年5月10日

180
00:15:44,862 --> 00:15:47,865
18回目の俺の誕生日だ

181
00:15:47,990 --> 00:15:49,283
ケーキはない

182
00:15:49,408 --> 00:15:54,788
代わりに
父から就職の話をされた

183
00:15:55,289 --> 00:15:56,707
仕事だ

184
00:15:56,832 --> 00:16:00,586
好きなことで稼げれば
あくせくと––

185
00:16:00,711 --> 00:16:03,547
働かなくて済むと分かってた

186
00:16:03,672 --> 00:16:06,800
それには 秀でたものが要る

187
00:16:07,634 --> 00:16:09,511
だが俺にはない

188
00:16:09,636 --> 00:16:11,471
特技は皆無だ

189
00:16:12,306 --> 00:16:16,727
自分が賢くないことくらいは
理解できる

190
00:16:17,060 --> 00:16:20,981
ラモーンズは計算で
シンプルな曲を歌ってる

191
00:16:21,398 --> 00:16:25,110
もっとラモーンズを
聴く必要がありそうだ

192
00:16:25,611 --> 00:16:30,908
この日 まともなロックを
初めて書くことになる

193
00:16:31,575 --> 00:16:34,203
U2のデビュー曲で
俺を救った––

194
00:16:34,328 --> 00:16:36,330
“Out of Control”だ

195
00:16:37,873 --> 00:16:39,875
♪(“Out of Control”)~

196
00:17:19,830 --> 00:17:22,917
これなら できるぞ

197
00:17:30,050 --> 00:17:34,638
“ドラマーがバンド結成のため
メンバーを探してる”

198
00:17:37,683 --> 00:17:42,604
紹介しよう ラリー・マレンだ

199
00:17:44,022 --> 00:17:49,570
ラリーと同じ空間にいると
多くの人は感じるだろう

200
00:17:49,820 --> 00:17:54,825
スタイリッシュで
かっこいい男だとね

201
00:17:54,950 --> 00:17:59,746
だが 彼は他人が
視界の中に入ってきたり

202
00:17:59,872 --> 00:18:05,127
同じ部屋にいたら
驚くほど警戒する男だ

203
00:18:05,252 --> 00:18:09,173
機嫌が悪いと
相手の生存価値を疑う

204
00:18:09,298 --> 00:18:13,385
一方 好きな人には
全力の愛をげる

205
00:18:13,510 --> 00:18:18,307
その愛を分けてもらえて
俺はありがたく思う

206
00:18:18,891 --> 00:18:21,351
次はデヴィッド・エヴァンス

207
00:18:22,227 --> 00:18:27,733
生まれた時に付けられた名前が
本物とは限らないだろ?

208
00:18:27,858 --> 00:18:31,778
真の名はいつも ジ・エッジだ

209
00:18:32,029 --> 00:18:37,159
1976年 彼は15歳で
俺より1歳下だった

210
00:18:37,284 --> 00:18:42,206
マウント・テンプル高校の
壁にもたれて

211
00:18:42,664 --> 00:18:46,084
複雑なギターコードを
弾いてた

212
00:18:46,710 --> 00:18:49,588
俺の未来の妻と同級生で––

213
00:18:49,713 --> 00:18:52,674
学年で最も賢い2人と
言われてた

214
00:18:52,799 --> 00:18:58,013
エッジは彼女が好きで
デートしてたともね

215
00:18:58,764 --> 00:19:03,519
当時の俺は
このギターの天才に目を付けた

216
00:19:03,852 --> 00:19:09,566
さて 次に紹介するのは
アダム・クレイトン

217
00:19:11,360 --> 00:19:13,820
真のロックンロール信者

218
00:19:15,030 --> 00:19:19,368
ただし 弦は6本より4本派だ

219
00:19:20,536 --> 00:19:23,956
彼には個性も
やる気も野心もあった

220
00:19:24,081 --> 00:19:27,334
だが楽器は弾けなかった

221
00:19:27,709 --> 00:19:30,254
俺も歌えなかったし
問題はない

222
00:19:42,891 --> 00:19:45,519
♪(“Stories for Boys”)~

223
00:20:26,977 --> 00:20:31,690
U2がバンド練習をした
小さなコテージは

224
00:20:32,107 --> 00:20:36,486
ダブリンにあり
墓地に面していた

225
00:20:36,612 --> 00:20:40,282
母が埋葬された墓地だ

226
00:20:40,407 --> 00:20:42,868
練習場所は“黄色い家”

227
00:20:43,785 --> 00:20:44,786
この日––

228
00:20:45,621 --> 00:20:50,209
初めてではないが
バンドメンバーを怒鳴った

229
00:20:52,836 --> 00:20:57,341
アイルランドが
戦争寸前ということは忘れよう

230
00:20:57,466 --> 00:20:58,467
いや

231
00:20:59,051 --> 00:21:03,972
1978年の冬の日

232
00:21:04,223 --> 00:21:08,477
全人類が直面してる
最も差し迫った問題は

233
00:21:08,602 --> 00:21:12,856
U2がミュージシャンに
なりきれてないことだ

234
00:21:13,524 --> 00:21:15,984
俺も含めてね

235
00:21:16,860 --> 00:21:20,239
俺はパブリック・イメージ・
リミテッドの新曲に

236
00:21:20,364 --> 00:21:23,784
どれだけ興奮してるか
仲間に伝える

237
00:21:23,909 --> 00:21:28,247
知ったような口ぶりで
“すごい曲だ”

238
00:21:28,622 --> 00:21:33,001
“2本の弦と
2つのコードで書かれてる”と

239
00:21:33,335 --> 00:21:38,674
脳に響くドリルのような音を
エッジに作らせたい

240
00:21:39,466 --> 00:21:44,346
チェーンソーで
過去の残骸を切るような音だ

241
00:21:46,098 --> 00:21:48,267
エッジは激しい言葉を嫌う

242
00:21:48,809 --> 00:21:53,772
実際 彼は我慢の限界で
俺はさらに憤る

243
00:21:53,897 --> 00:21:55,691
勢いが止まらず

244
00:21:55,816 --> 00:22:00,070
ギブソンのギターを
彼から つかみ取った

245
00:22:01,405 --> 00:22:03,824
自分の肩にかけ

246
00:22:04,366 --> 00:22:08,370
危険なほど
甲高い音を奏で始めたんだ

247
00:22:14,585 --> 00:22:16,753
エッジは“続けろ”

248
00:22:16,879 --> 00:22:19,798
“その調子 あと一歩だ”

249
00:22:20,591 --> 00:22:22,050
好きか聞いたら

250
00:22:22,676 --> 00:22:28,056
“分かんないが 歯医者が
脳を削ってるみたいな音だ”と

251
00:22:29,224 --> 00:22:34,271
“これを元に
どうにか曲を作ってみる”

252
00:22:34,938 --> 00:22:39,401
自我の塊と
無我が合わさった瞬間

253
00:22:39,526 --> 00:22:41,195
曲が生まれた

254
00:22:42,029 --> 00:22:44,615
曲名は“I Will Follow”

255
00:22:44,740 --> 00:22:46,700
君が去るのなら

256
00:22:46,825 --> 00:22:48,160
俺も去る

257
00:22:48,285 --> 00:22:49,828
キャッチーだろ

258
00:22:49,953 --> 00:22:51,747
ワウペダルのようだ

259
00:22:51,872 --> 00:22:54,124
俺も去る 去る 去るよ

260
00:22:54,249 --> 00:22:55,209
ついていく

261
00:22:55,334 --> 00:22:58,212
エッジが
俺のイタズラ書きを––

262
00:22:58,337 --> 00:23:02,257
ラファエルの
“クソ聖母子像”に変える

263
00:23:02,382 --> 00:23:07,095
そしてラリーとアダムが
ギャラリーを燃やすんだ

264
00:23:07,221 --> 00:23:08,305
そうだ

265
00:23:08,430 --> 00:23:13,769
さあ 誰にもできないことを
やってやろうぜ

266
00:23:14,061 --> 00:23:16,813
アダム お前ならできる

267
00:23:16,939 --> 00:23:18,524
俺たちならできる

268
00:23:18,649 --> 00:23:20,734
エッジ やれるよ

269
00:23:20,859 --> 00:23:25,489
アダム ラリー 君が去るなら

270
00:23:25,948 --> 00:23:28,408
君が去るなら

271
00:23:28,867 --> 00:23:31,912
君が去るなら...

272
00:23:32,621 --> 00:23:34,039
♪(“I Will Follow”)~

273
00:23:38,836 --> 00:23:41,588
ドラムはラリー・マレン

274
00:23:41,713 --> 00:23:44,424
ベースはアダム そしてエッジ

275
00:23:44,550 --> 00:23:47,261
“I Will Follow”

276
00:23:52,099 --> 00:23:58,355
ああ 悪かったな
エッジ ラリー アダム

277
00:23:59,398 --> 00:24:02,609
俺は完全なる愚か者だった

278
00:24:03,151 --> 00:24:04,736
努力はしてるんだ

279
00:24:05,487 --> 00:24:09,408
実際 お前たちは...

280
00:24:11,493 --> 00:24:14,037
マジで最高だ

281
00:24:16,999 --> 00:24:23,046
でも俺も含め
練習部屋にいた誰もが忘れてた

282
00:24:23,922 --> 00:24:26,175
90メートルほどの所に––

283
00:24:28,468 --> 00:24:31,138
アイリスが眠ってることをね

284
00:24:32,222 --> 00:24:37,728
黄色い家での練習中
母のことは一度も考えず

285
00:24:38,437 --> 00:24:40,772
墓参りもしなかった

286
00:24:42,191 --> 00:24:45,444
死人扱いしたわけじゃない

287
00:24:45,819 --> 00:24:47,654
もっとひどかった

288
00:24:48,071 --> 00:24:50,407
存在しないものとした

289
00:24:50,824 --> 00:24:53,952
だが母は主張し続けた

290
00:24:54,703 --> 00:24:57,164
ああ 音楽の中でね

291
00:24:59,625 --> 00:25:01,668
♪(“Iris
(Hold Me Close)”)~

292
00:25:02,753 --> 00:25:04,588
廊下に立つアイリス

293
00:25:06,131 --> 00:25:08,509
俺ならできると言ってくれた

294
00:25:08,675 --> 00:25:12,679
{\an8}〝俺の悪夢で
目を覚ますアイリス〟

295
00:25:11,553 --> 00:25:13,222
恐れないで

296
00:25:14,473 --> 00:25:15,891
世界が消えても

297
00:25:16,600 --> 00:25:18,644
岸で遊ぶアイリス

298
00:25:20,187 --> 00:25:22,356
少年を埋めている

299
00:25:22,773 --> 00:25:24,274
砂の中に

300
00:25:25,859 --> 00:25:27,736
アイリスは言う

301
00:25:29,571 --> 00:25:31,198
あなたのせいで死ぬ

302
00:25:33,033 --> 00:25:35,911
でも それは俺じゃなかった

303
00:25:42,209 --> 00:25:46,046
アイルライド人の心について

304
00:25:46,171 --> 00:25:50,884
その幾何学と地理を
説明させてほしい

305
00:25:51,009 --> 00:25:56,139
アイルランド人の心は
パブに例えると分かりやすい

306
00:25:56,431 --> 00:26:01,061
忘れに行くつもりが
記憶に溺れてしまうんだ

307
00:26:01,186 --> 00:26:04,314
塩と酢味のポテチと...

308
00:26:05,023 --> 00:26:06,316
黒ビールと共に

309
00:26:06,441 --> 00:26:09,695
フィネガンズは
ただのパブじゃない

310
00:26:09,820 --> 00:26:13,907
いわば 独自の
法と慣習を持つ国

311
00:26:14,032 --> 00:26:17,619
ダン・フィネガンと
息子たちの領地だ

312
00:26:17,744 --> 00:26:20,414
立憲君主制で––

313
00:26:20,539 --> 00:26:25,085
ダンが国家元首
息子たちが政府を運営してる

314
00:26:25,210 --> 00:26:29,965
規律と厳格さ
伝統への深い敬意がある

315
00:26:30,090 --> 00:26:32,134
オペラへの敬意や––

316
00:26:32,509 --> 00:26:36,805
ツイードを着こなす男への
敬意もね

317
00:26:37,514 --> 00:26:39,141
父のような人だ

318
00:26:39,808 --> 00:26:45,105
フィネガンズという国には
父ボブのような人がいる

319
00:26:45,731 --> 00:26:52,070
そして その国には
小さなイタリア領事館もある

320
00:26:52,196 --> 00:26:53,447
ソレント・ラウンジさ

321
00:26:53,572 --> 00:26:59,578
{\an8}ソレント・ラウンジ

322
00:26:54,156 --> 00:26:57,826
日曜には そこで
父と酒を飲んだものだ

323
00:26:57,951 --> 00:26:59,578
俺はビールで––

324
00:26:59,703 --> 00:27:03,457
父はプロテスタントの
ウイスキーを頼んだ

325
00:27:03,582 --> 00:27:05,459
すでに性格が出てる

326
00:27:05,584 --> 00:27:09,505
ボブは自分の信念を持った人で

327
00:27:09,880 --> 00:27:15,260
毎回 必ず言う第一声が
すばらしかった

328
00:27:19,223 --> 00:27:23,936
“変わったことや
驚くことはあったか?”

329
00:27:24,228 --> 00:27:27,189
ロック歌手の
騒々しい生活には

330
00:27:27,314 --> 00:27:30,150
興味がないという意味だ

331
00:27:30,609 --> 00:27:34,279
だから大抵は黙って飲んでた

332
00:27:56,051 --> 00:27:57,761
父を感心させよう

333
00:27:58,262 --> 00:28:02,558
パヴァロッティが
電話してきた話は?

334
00:28:02,683 --> 00:28:05,936
変わったことや驚くこと?

335
00:28:06,770 --> 00:28:09,815
父は言った“驚いた”

336
00:28:10,315 --> 00:28:12,109
“変わってるよ”

337
00:28:12,234 --> 00:28:16,405
“偉大な歌手がお前に?
素朴な疑問だ”

338
00:28:17,030 --> 00:28:18,574
だろうね

339
00:28:19,283 --> 00:28:23,829
彼は曲を
提供してくれる人を探してた

340
00:28:24,246 --> 00:28:26,790
“かける番号を間違えたのか”

341
00:28:26,915 --> 00:28:27,958
違うよ

342
00:28:28,083 --> 00:28:33,755
エッジの力も借りて 俺に
曲を書いてくれと言った

343
00:28:33,881 --> 00:28:37,134
ロジャース&
ハマースタインではなく

344
00:28:37,259 --> 00:28:41,555
ボノこと ポールに頼んだ

345
00:28:44,016 --> 00:28:45,184
“お前に?”

346
00:28:46,226 --> 00:28:49,730
“自分をテノールと思ってる
バリトンに?”

347
00:28:51,148 --> 00:28:52,149
俺にだ

348
00:28:52,482 --> 00:28:56,445
パヴァロッティが
俺に頼んだんだ

349
00:28:56,570 --> 00:28:58,655
愚かなのは誰だ?

350
00:29:01,950 --> 00:29:03,243
“彼だな”

351
00:29:06,455 --> 00:29:12,044
世界を変えながら
楽しむのは不可能なのか?

352
00:29:25,933 --> 00:29:28,685
マウント・テンプル高校は

353
00:29:29,603 --> 00:29:33,398
前衛的な
無宗派の共学校だった

354
00:29:33,524 --> 00:29:38,737
宗派間で内戦寸前の国で
カトリック教徒と

355
00:29:38,862 --> 00:29:43,408
プロテスタント教徒が
同じクラスにいたんだ

356
00:29:43,825 --> 00:29:48,914
自分らしく
創造的でいることを奨励され

357
00:29:49,164 --> 00:29:51,041
好きな服を着られた

358
00:29:51,166 --> 00:29:55,087
そして... 女子生徒もいて

359
00:29:55,587 --> 00:29:59,049
彼女たちも自由な服装だった

360
00:29:59,508 --> 00:30:03,303
皮肉にも
宗教的に自由な環境で

361
00:30:03,595 --> 00:30:05,055
宗教に目覚めた

362
00:30:05,180 --> 00:30:09,685
“シャローム”という
過激派と親しくなってね

363
00:30:10,185 --> 00:30:15,440
彼らは すべての教会が
イエスから遠ざかってる上

364
00:30:15,566 --> 00:30:19,570
イエスの邪魔をしてると
考えてた

365
00:30:20,654 --> 00:30:23,991
U2が人気になると
信者仲間たちは

366
00:30:24,116 --> 00:30:30,122
俺たちの音楽が軽薄で
自己満足的だと指摘し始めた

367
00:30:30,247 --> 00:30:33,041
つまり“楽しい”と

368
00:30:34,459 --> 00:30:39,756
世界を変えながら
楽しむのは不可能なのか聞くと

369
00:30:40,174 --> 00:30:42,342
彼らは“ムリだ”

370
00:30:42,885 --> 00:30:48,390
“この世か あの世かを
選ばなければならない”と

371
00:30:50,350 --> 00:30:54,229
次第に 俺たちは限界を感じた

372
00:30:54,688 --> 00:30:56,148
特にエッジはね

373
00:30:56,273 --> 00:31:00,777
イエスの弟子であり
ラモーンの使徒でもある

374
00:31:00,903 --> 00:31:04,406
その緊張感に
耐えられなかったんだ

375
00:31:04,823 --> 00:31:08,827
彼はバンドを辞める決断をした

376
00:31:09,745 --> 00:31:11,455
俺も葛藤したよ

377
00:31:11,580 --> 00:31:16,210
エッジ抜きでU2を
続けることに興味はなかった

378
00:31:16,585 --> 00:31:20,130
ラリーは
双方を理解してくれたが

379
00:31:20,756 --> 00:31:21,965
アダムは...

380
00:31:22,674 --> 00:31:23,842
違った

381
00:31:24,218 --> 00:31:27,137
アルバム1枚で終わり

382
00:31:28,180 --> 00:31:30,599
セックス・ピストルズのように

383
00:31:34,102 --> 00:31:38,398
マネージャーに仕方なく伝えた

384
00:31:39,274 --> 00:31:42,110
マネージャーの話はしたっけ?

385
00:31:42,945 --> 00:31:46,406
ロック界のチャーチル
ポール・マクギネスだ

386
00:31:46,532 --> 00:31:48,408
U2のために戦った

387
00:31:48,534 --> 00:31:52,621
俺たちは世界一周させて
もらったばかりで

388
00:31:52,746 --> 00:31:55,207
伝えたくなかった

389
00:31:55,332 --> 00:31:58,669
彼が手塩にかけたバンドが

390
00:31:58,794 --> 00:32:02,047
成功したばかりなのに
解散するとはね

391
00:32:02,172 --> 00:32:05,133
でも彼は聞いてくれた

392
00:32:05,968 --> 00:32:07,886
少しの間のあと

393
00:32:08,637 --> 00:32:15,519
そわそわして
自分の顔をたたいた

394
00:32:15,894 --> 00:32:17,437
そして言ったんだ

395
00:32:17,855 --> 00:32:19,481
“つまり––”

396
00:32:19,982 --> 00:32:23,819
“君たちは
神と話をしてたってことか?”

397
00:32:26,113 --> 00:32:31,410
“今度 神に電話する時に
質問してくれ”

398
00:32:31,785 --> 00:32:35,163
“彼だか彼女だかに
聞いてほしい”

399
00:32:35,706 --> 00:32:39,042
“地上における
君たちの代理人の僕が––”

400
00:32:39,168 --> 00:32:43,839
“法的契約を
破棄していいか否か”

401
00:32:45,174 --> 00:32:50,637
“神が君たちに法的契約を
破らせると思うのか?”

402
00:32:50,762 --> 00:32:55,434
“君たちの代理で
僕が署名したツアーの契約だ”

403
00:32:55,559 --> 00:32:58,604
“そんな神がいるのか?”

404
00:33:01,023 --> 00:33:04,193
ポールは交渉の天才だよ

405
00:33:04,735 --> 00:33:07,905
神の口を借りたのは
初めてではない

406
00:33:08,030 --> 00:33:10,365
結局ツアーは決行

407
00:33:10,490 --> 00:33:12,951
俺は高揚していて

408
00:33:14,077 --> 00:33:20,334
当時21歳の恋人を説得し
結婚することにした

409
00:33:20,959 --> 00:33:24,838
驚くことに 返事はイエス

410
00:33:29,801 --> 00:33:32,846
エッジも楽しんでたが

411
00:33:32,971 --> 00:33:36,391
まだ確信を持てずにいた

412
00:33:36,850 --> 00:33:43,607
巨大なエゴや醜悪な個性が
渦巻く業界にいたいのか?

413
00:33:44,358 --> 00:33:48,487
俺のために
例外を作ってくれと頼んだ

414
00:33:49,988 --> 00:33:52,407
解決策を見いだそうと

415
00:33:52,533 --> 00:33:55,035
エッジは曲を書き始めた

416
00:33:55,160 --> 00:33:57,955
それは歌であり 地図だった

417
00:33:58,080 --> 00:34:01,166
U2が世界で進むべき道だ

418
00:34:01,291 --> 00:34:03,252
“Sunday, Bloody Sunday”は

419
00:34:03,377 --> 00:34:05,879
宗教とパンクの融合さ

420
00:34:08,674 --> 00:34:13,512
だが この曲の狙いは
復活祭の日曜日と––

421
00:34:13,637 --> 00:34:18,766
非武装の14人がデリーで
虐殺された日の対比だ

422
00:34:20,893 --> 00:34:22,563
エッジが自宅にいる頃

423
00:34:22,688 --> 00:34:26,859
俺は妻とジャマイカにいて
新曲を書いてた

424
00:34:27,609 --> 00:34:31,989
ハネムーン中に作るアルバムが
「War」とはね

425
00:34:34,783 --> 00:34:36,784
♪(“Sunday,
Bloody Sunday”)~

426
00:37:42,304 --> 00:37:44,973
パフォーマーというのは

427
00:37:45,432 --> 00:37:50,979
真実を追い求める中で
より多くの虚偽を生み出せる

428
00:37:52,105 --> 00:37:53,315
乾杯

429
00:37:56,443 --> 00:37:57,778
ショービズだ

430
00:37:59,321 --> 00:38:04,910
ソレント・ラウンジでの
父との会話に話を戻そう

431
00:38:00,656 --> 00:38:05,577
{\an8}ソレント・ラウンジ
(再び)

432
00:38:06,453 --> 00:38:10,582
“変わったことや
驚くことはあったか?”

433
00:38:11,166 --> 00:38:14,753
すべての出来事がそうだよ

434
00:38:15,003 --> 00:38:16,213
“そうだな”

435
00:38:16,338 --> 00:38:19,174
“ここにタクシーで
来たんだが”

436
00:38:19,299 --> 00:38:24,763
“運転手に行き先を告げると
ボノを知ってるか聞かれた”

437
00:38:26,098 --> 00:38:28,433
“知らないと答えたら”

438
00:38:28,892 --> 00:38:33,397
“有名人だ パヴァロッティも
追ってると言われた”

439
00:38:33,689 --> 00:38:36,567
“追ってる?
パヴァロッティが?”

440
00:38:36,692 --> 00:38:38,610
“それは初耳だ”

441
00:38:39,069 --> 00:38:40,737
“パパラッチだろ?”

442
00:38:42,656 --> 00:38:44,950
面白いね というのも––

443
00:38:45,075 --> 00:38:48,620
本人から
再び電話があってさ

444
00:38:48,745 --> 00:38:54,334
故郷のモデナで一緒に
公演してほしいと言われた

445
00:38:54,710 --> 00:38:58,881
ボスニア戦争の難民のために
カネを集めるそうだ

446
00:38:59,006 --> 00:39:00,549
どう断る?

447
00:39:01,049 --> 00:39:04,636
“たまには
人に従ったら どうだ?”

448
00:39:05,679 --> 00:39:07,848
自分に従いたいんだ

449
00:39:07,973 --> 00:39:11,894
それにバンドからは
パヴァロッティより

450
00:39:12,019 --> 00:39:15,856
U2のアルバムに
集中しろと言われてる

451
00:39:16,899 --> 00:39:21,820
U2に所属することについて
説明させてくれ

452
00:39:21,945 --> 00:39:25,157
父でさえ 理解してないんだ

453
00:39:25,616 --> 00:39:30,454
一般的には俺が
U2のリーダーだと思われてる

454
00:39:30,579 --> 00:39:32,039
だといいがね

455
00:39:33,040 --> 00:39:37,628
U2は民主主義で
あるべきだと提案した

456
00:39:37,753 --> 00:39:40,714
メンバーは他に3人いるが

457
00:39:40,839 --> 00:39:44,259
皆 自分が
リーダーだと思ってる

458
00:39:45,010 --> 00:39:46,803
だから俺の希望に––

459
00:39:46,929 --> 00:39:50,891
必ずしも
彼らが賛同するとは限らない

460
00:39:51,433 --> 00:39:54,686
このことを父に伝えよう

461
00:39:54,811 --> 00:39:59,858
ハノーバー・キーのスタジオに
メンバーといた時に

462
00:39:59,983 --> 00:40:02,986
電話が鳴ったんだよ

463
00:40:06,114 --> 00:40:08,367
“ボノ ボノ ボノ”

464
00:40:09,159 --> 00:40:10,869
“調子はどうだ?”

465
00:40:10,994 --> 00:40:14,081
“山頂から下りてきて
疲れたか?”

466
00:40:15,165 --> 00:40:20,170
“ロックンロールの石板を
持って 下りてきたんだろ?”

467
00:40:21,505 --> 00:40:25,008
新アルバムだ 制作が遅れてる

468
00:40:25,467 --> 00:40:26,635
“知ってるよ”

469
00:40:26,760 --> 00:40:31,807
“親愛なるボノ
だから助けに来たんだ”

470
00:40:32,099 --> 00:40:33,350
何だって?

471
00:40:34,101 --> 00:40:35,894
今 ダブリンに?

472
00:40:36,019 --> 00:40:40,274
“今まさに
アイルランドの税関にいる”

473
00:40:40,399 --> 00:40:44,027
“申告するものは
何もないと伝えた”

474
00:40:44,152 --> 00:40:49,157
“ボノとエッジとジェームズ
ラリーへの愛以外はね”

475
00:40:50,534 --> 00:40:53,620
“今の私の目的は––”

476
00:40:53,745 --> 00:40:57,624
“偉大な男たちに
仕えることだけだ”

477
00:40:59,710 --> 00:41:02,296
マエストロ 奴らは偉大だし

478
00:41:02,421 --> 00:41:06,300
名誉なことだが
今はタイミングが悪い

479
00:41:06,717 --> 00:41:08,844
“私は彼らに嫌われてる?”

480
00:41:08,969 --> 00:41:10,929
もっとひどい

481
00:41:11,054 --> 00:41:12,097
無視する

482
00:41:12,222 --> 00:41:15,100
パンクロックの申し子たちは

483
00:41:15,225 --> 00:41:20,230
モデナに引っ張るために
あなたが来たと疑うだろう

484
00:41:22,941 --> 00:41:24,484
“心が痛いよ”

485
00:41:24,610 --> 00:41:28,906
“私は敬意と誠意をもって
来たのに”

486
00:41:29,031 --> 00:41:32,826
“今になって
私の気持ちを疑うのかね”

487
00:41:32,951 --> 00:41:35,579
そうじゃない マエストロ

488
00:41:35,704 --> 00:41:36,830
“〈完璧だ〉”

489
00:41:36,955 --> 00:41:38,332
“じゃ 向かうよ”

490
00:41:39,541 --> 00:41:43,045
クソ クソ クソ クソッ

491
00:41:48,175 --> 00:41:52,554
そして俺はエッジとアダム
ラリーに言った

492
00:41:52,679 --> 00:41:56,725
世界の歴史上
最も偉大な歌手が

493
00:41:56,850 --> 00:41:59,770
名誉なことに
俺たちに会いに来る

494
00:42:00,729 --> 00:42:03,398
30分ほどで着くそうだ

495
00:42:04,900 --> 00:42:10,322
ラリーは“30分後?
お前に会いに来るんだろ?”

496
00:42:10,447 --> 00:42:12,282
“俺たちじゃない”と

497
00:42:12,407 --> 00:42:15,786
アダムは“何かの策略だ”

498
00:42:15,911 --> 00:42:18,914
“カメラマンを
連れて現れるぞ”

499
00:42:19,039 --> 00:42:20,707
“撮らせるもんか”

500
00:42:20,832 --> 00:42:22,292
隠れるのか?

501
00:42:22,417 --> 00:42:24,086
“違う”とエッジは言い

502
00:42:24,211 --> 00:42:28,382
一方でアダムとラリーは
声をそろえて

503
00:42:28,507 --> 00:42:33,303
“いや そうしよう
俺たちは隠れる”と

504
00:42:33,428 --> 00:42:34,304
そして...

505
00:42:34,429 --> 00:42:38,642
2人の男は
パヴァロッティから隠れた

506
00:42:39,017 --> 00:42:40,310
ドアベルが鳴ると

507
00:42:43,230 --> 00:42:44,940
彼が立ってた

508
00:42:45,190 --> 00:42:46,900
何てこった

509
00:42:47,401 --> 00:42:52,698
史上 最も偉大な歌手が...

510
00:42:55,409 --> 00:42:56,827
撮影班といる

511
00:42:58,036 --> 00:42:59,997
7~8人のイタリア人

512
00:43:00,122 --> 00:43:01,957
うち1人は泣いてる

513
00:43:02,666 --> 00:43:05,460
“ボノ ボノ エッジ エッジ”

514
00:43:05,586 --> 00:43:06,962
“ボノ エッジ”

515
00:43:07,087 --> 00:43:09,339
“ジェームズとラリーは?”

516
00:43:10,257 --> 00:43:12,342
“テレビ局の友人だ”

517
00:43:12,467 --> 00:43:14,761
“衛星アンテナもある”

518
00:43:14,887 --> 00:43:18,056
“モデナでの公演が
決まったら”

519
00:43:18,182 --> 00:43:20,225
“みんなで発表しよう”

520
00:43:27,149 --> 00:43:30,819
“宇宙のどこで
起こり得るんだ?”

521
00:43:30,944 --> 00:43:34,865
“偉大なパヴァロッティを
招き入れないなんて”

522
00:43:34,990 --> 00:43:38,202
“世界は一体
どうなってるんだ?”

523
00:43:38,911 --> 00:43:44,124
父さん 俺の世界では
もちろん彼を歓迎するよ

524
00:43:44,249 --> 00:43:45,876
エッジの世界でもね

525
00:43:46,001 --> 00:43:50,380
実はパヴァロッティの公演に
これから参加する

526
00:43:50,506 --> 00:43:54,301
モデナで
慈善団体を支援するためだ

527
00:43:54,635 --> 00:43:57,846
アダムとラリーは来ないが

528
00:43:58,514 --> 00:44:01,475
父さんは どうする?

529
00:44:04,770 --> 00:44:07,648
“ああ そうか”

530
00:44:07,773 --> 00:44:11,068
“えっと そうだな”

531
00:44:11,485 --> 00:44:16,156
“本物のテノールが
1人はいた方がいいよな”

532
00:44:22,579 --> 00:44:23,622
そして...

533
00:44:24,873 --> 00:44:26,124
それから...

534
00:44:35,509 --> 00:44:39,930
世界の歴史上 最高の歌声だ

535
00:44:48,480 --> 00:44:53,110
だがモデナで
奇跡を起こしたのは

536
00:44:53,235 --> 00:44:55,737
わが父 ボブ・ヒューソンだ

537
00:44:55,863 --> 00:45:00,826
父はカトリック教徒なのに
パヴァロッティではなく

538
00:45:00,951 --> 00:45:05,497
ダイアナ妃との接触によって
変貌を遂げた

539
00:45:05,622 --> 00:45:11,211
知らない人もいるだろうが
エッジの家族はウェールズ系だ

540
00:45:11,336 --> 00:45:15,215
だからウェールズ公妃に
会えて興奮してた

541
00:45:15,340 --> 00:45:21,221
エッジが 俺の父にも聞けと
言うから聞いたんだ

542
00:45:22,347 --> 00:45:27,186
ねえ 父さんも
ダイアナ妃に会いたい?

543
00:45:27,311 --> 00:45:29,396
エヴァンス家が気にしてる

544
00:45:29,521 --> 00:45:31,607
父は“何だと?”

545
00:45:31,857 --> 00:45:34,776
“王室の奴に会いたいか?”

546
00:45:34,902 --> 00:45:39,406
“宝くじの当選者に会いたいか
聞くのと同じだ”

547
00:45:42,993 --> 00:45:46,788
分かったよ 聞いただけさ

548
00:45:47,998 --> 00:45:51,001
今から話すのは
作り話じゃない

549
00:45:51,126 --> 00:45:56,256
父はトレーラーの
デリには手を付けなかった

550
00:45:56,381 --> 00:46:02,095
発音が分からない名前の
イタリア肉だったからね

551
00:46:03,514 --> 00:46:05,224
父が振り向くと

552
00:46:08,060 --> 00:46:09,686
彼女がいた

553
00:46:10,896 --> 00:46:15,567
ヒールを履いた
180センチ超えの長身で

554
00:46:15,692 --> 00:46:18,695
アイボリー色の装いだ

555
00:46:19,988 --> 00:46:25,786
スローモーションのように
ダイアナ妃が父に近づいた

556
00:46:26,537 --> 00:46:31,834
“どうも お元気ですか?”

557
00:46:33,418 --> 00:46:35,337
父はメロメロだ

558
00:46:35,462 --> 00:46:38,549
イギリス王室との
接触による衝撃は

559
00:46:38,674 --> 00:46:41,844
たちまち父を
恋する少年に変えた

560
00:46:43,136 --> 00:46:45,973
“あっ 元気です”

561
00:46:46,682 --> 00:46:48,308
“ありがとう”

562
00:46:48,725 --> 00:46:51,019
“お会いできて光栄です”

563
00:46:51,144 --> 00:46:56,525
800年の抑圧が
8秒で消え去ったんだ

564
00:46:58,986 --> 00:47:03,240
多くのアイルランド人が
王室の存在意義について

565
00:47:03,365 --> 00:47:06,410
考えたことがあるだろう

566
00:47:06,869 --> 00:47:09,580
俺にとっては この出来事だ

567
00:47:09,705 --> 00:47:15,711
8世紀にわたる抑圧が
1人の王妃でチャラだなんてね

568
00:47:16,086 --> 00:47:18,005
プライド

569
00:47:18,130 --> 00:47:20,090
(アイルランドの)プライド

570
00:47:20,215 --> 00:47:22,467
家に帰っても 父は––

571
00:47:22,926 --> 00:47:27,264
ダイアナ妃のことを
話し続けてるんだ

572
00:47:27,389 --> 00:47:30,642
声の調子も変わってる

573
00:47:31,351 --> 00:47:35,981
“彼女は慈善活動に
力を入れてるよな”

574
00:47:36,565 --> 00:47:40,819
“でも人が関心を持つのは
慈善活動じゃない”

575
00:47:40,944 --> 00:47:42,446
“正義だろ?”

576
00:47:42,571 --> 00:47:47,743
“世界が公正なら
そもそも慈善なんて必要ない”

577
00:47:49,578 --> 00:47:54,875
息子が父親に
理解され始めてるのかな?

578
00:47:55,417 --> 00:47:58,212
“そこまでは言ってない”

579
00:47:58,337 --> 00:48:03,091
“だが お前たちの「Pride」を
ラジオで聴いて”

580
00:48:03,217 --> 00:48:07,513
“感じるものはあった”

581
00:48:08,597 --> 00:48:09,473
そうだ

582
00:48:10,724 --> 00:48:15,354
あの曲が好まれて
ライヴ・エイドに呼ばれた

583
00:48:15,479 --> 00:48:21,318
ボブ・ゲルドフは
“ボノのマレットも許せる”と

584
00:48:22,653 --> 00:48:25,822
ステージに立つと 目の前では

585
00:48:25,948 --> 00:48:31,495
たくさんの降伏の白い旗が
風に揺れてた

586
00:48:31,620 --> 00:48:33,830
観客は変わらない

587
00:48:34,623 --> 00:48:37,292
寛大な心に満ちてる

588
00:48:38,293 --> 00:48:41,964
俺たちのパンクな祈りが

589
00:48:42,089 --> 00:48:45,634
実を結んでるように感じた

590
00:48:45,759 --> 00:48:47,344
平和への祈りだ

591
00:48:48,011 --> 00:48:53,475
ハングリーでいることは
自分との闘いだ

592
00:48:54,101 --> 00:48:58,856
自分が歩く大地
そのものと闘ってる

593
00:48:59,898 --> 00:49:00,941
そうさ

594
00:49:05,153 --> 00:49:07,155
♪(“Pride
(In the Name of Love)”)~

595
00:50:19,102 --> 00:50:21,980
ロンドンの
ウェンブリー・スタジアム

596
00:50:22,940 --> 00:50:27,861
ある問いが
世界中に発信される

597
00:50:28,946 --> 00:50:31,573
我々が世界そのものなら?

598
00:50:31,990 --> 00:50:34,576
世界を養えるなら?

599
00:50:35,410 --> 00:50:36,620
他に何が?

600
00:50:37,454 --> 00:50:40,791
愛の名のもとに
他に何ができる?

601
00:50:41,542 --> 00:50:45,254
いまだに繰り返し自問してる

602
00:50:46,004 --> 00:50:50,425
どうしても
答えを知りたいんだ

603
00:51:48,734 --> 00:51:50,903
ライヴ・エイドなどの
イベントで

604
00:51:51,028 --> 00:51:55,240
2億5000万ドル 集まった

605
00:51:58,702 --> 00:52:01,788
だがアフリカの国々は
同じ額を

606
00:52:01,914 --> 00:52:06,043
西側諸国に
毎週 支払ってたんだ

607
00:52:06,168 --> 00:52:11,715
冷戦中に押しつけられた
古い借金の返済としてね

608
00:52:11,840 --> 00:52:15,302
“毎週だ クソが”と
ゲルドフなら言うね

609
00:52:16,261 --> 00:52:18,263
大きな教訓を得たよ

610
00:52:18,805 --> 00:52:22,976
不公正は よく
不運のせいにされる

611
00:52:23,101 --> 00:52:27,231
U2のフロントマンとして
気づいた

612
00:52:27,356 --> 00:52:31,610
U2が大きなテーマの曲を
作るには

613
00:52:31,735 --> 00:52:35,364
より大きな脳が要る

614
00:52:35,489 --> 00:52:38,534
“ソフトウェアの更新”だ

615
00:52:39,409 --> 00:52:42,162
学校に戻りたいわけじゃない

616
00:52:42,287 --> 00:52:44,957
無理に笑わなくていい

617
00:52:45,499 --> 00:52:48,460
妻と一緒にアフリカに行って

618
00:52:48,585 --> 00:52:52,089
児童養護施設で働いたんだ

619
00:52:52,214 --> 00:52:56,385
エチオピアのサウスウォロ地方
アジェバーでね

620
00:52:57,094 --> 00:53:01,056
1985年の秋だった

621
00:53:01,181 --> 00:53:06,019
住民は食べ物も水もなく
必死で生きてる

622
00:53:06,353 --> 00:53:09,982
自らの世界にも背を向けられた

623
00:53:10,107 --> 00:53:14,528
頼みの土地でさえ
何ももたらしてくれない

624
00:53:15,237 --> 00:53:16,697
ツェガエの詩だ

625
00:53:16,822 --> 00:53:19,783
“私は源であり ナイルだ”

626
00:53:19,908 --> 00:53:22,744
“アフリカ人であり
始まりだ”

627
00:53:23,203 --> 00:53:26,498
“歌そのものであり
歌っている”

628
00:53:26,623 --> 00:53:31,920
“神に懇願し 手を伸ばす
エチオピア人なのだ”

629
00:53:32,045 --> 00:53:33,172
“おお ナイル”

630
00:53:33,297 --> 00:53:37,217
“あなたは
聞く耳を持たぬ世界に”

631
00:53:37,342 --> 00:53:39,678
“エチオピアの鐘を鳴らす!”

632
00:53:41,096 --> 00:53:45,267
この地には大きな富が
埋まっている

633
00:53:41,096 --> 00:53:45,976
{\an8}ツェガエ・
ガブレ=メディン

634
00:53:45,392 --> 00:53:49,688
しかし大飢饉が
偉大な国を崩壊させた

635
00:53:49,813 --> 00:53:55,194
そして我々の小さな命も
崩壊させようとしている

636
00:53:55,319 --> 00:54:00,324
前とはもう同じではなく
そうありたくもない

637
00:54:01,700 --> 00:54:03,493
この干上がった場所で

638
00:54:03,785 --> 00:54:08,999
忘れてはならない
風景と人々から教訓を学ぶ

639
00:54:09,124 --> 00:54:12,252
“貧困は自然のものではない”

640
00:54:12,377 --> 00:54:14,004
“人工的であり––”

641
00:54:14,129 --> 00:54:18,926
“女性と男性の行動によって
打開できるものだ”

642
00:54:19,051 --> 00:54:22,930
恐らく女性の方が
深く理解してる

643
00:54:23,055 --> 00:54:27,935
居住地で生死が
決められるべきではないとね

644
00:54:30,854 --> 00:54:32,189
そうだろ?

645
00:54:38,111 --> 00:54:40,113
♪(“Where the Streets
Have No Name”)~

646
00:56:16,502 --> 00:56:20,964
エチオピアを去るのは
アリも俺も つらかった

647
00:56:21,548 --> 00:56:24,176
心は あそこに残ってる

648
00:56:25,886 --> 00:56:28,263
「The Joshua Tree」を
出すと

649
00:56:28,388 --> 00:56:32,684
U2は少し
有名になりつつあった

650
00:56:32,976 --> 00:56:35,312
メインストリームに乗ったんだ

651
00:56:35,437 --> 00:56:41,652
俺たちがそれを
恥ずかしいと思うか否か

652
00:56:42,069 --> 00:56:44,029
名声は通貨だ

653
00:56:44,488 --> 00:56:47,074
もらったものを使って

654
00:56:47,199 --> 00:56:50,994
高級な食事以上のことを
したかった

655
00:56:51,119 --> 00:56:54,748
高級レストランも
バカにできないがね

656
00:56:55,832 --> 00:56:58,126
他の“バンド”にも参加したよ

657
00:56:58,252 --> 00:57:01,755
Drop the Debtや(RED)
ワン・キャンペーンで

658
00:57:01,880 --> 00:57:04,091
貧困と闘ってる

659
00:57:04,550 --> 00:57:07,427
ワン・キャンペーンは
一例にすぎない

660
00:57:07,553 --> 00:57:11,306
すべてに意見が
一致する必要はない

661
00:57:11,598 --> 00:57:15,310
1つの重要なことに
同意できれば十分だ

662
00:57:15,978 --> 00:57:21,316
これが貧困層のための
資金を握る人々との会合に

663
00:57:22,025 --> 00:57:23,610
つながった

664
00:57:23,986 --> 00:57:29,908
彼らは政府や
国際通貨基金や世界銀行だ

665
00:57:31,827 --> 00:57:34,788
第4の壁を破る時かもな

666
00:57:34,913 --> 00:57:35,664
だろ?

667
00:57:35,789 --> 00:57:38,500
動機について
難しい質問をしよう

668
00:57:38,625 --> 00:57:41,086
プロンプターに問題が発生した

669
00:57:41,211 --> 00:57:42,504
一時中断だ

670
00:57:42,629 --> 00:57:47,634
俺は豊かに暮らす罪悪感を
隠そうとしてるのか?

671
00:57:48,177 --> 00:57:49,970
確かにだ

672
00:57:50,095 --> 00:57:56,101
過剰に評価され 報酬を受け
食べまくるロックスターなんだ

673
00:57:57,352 --> 00:57:59,021
偽善者か? そうだ

674
00:58:00,355 --> 00:58:03,942
多くの時はそうだが
違う時もある

675
00:58:04,651 --> 00:58:07,654
だが偽善者は悪者扱いだ

676
00:58:07,779 --> 00:58:11,325
時には
いいこともするのにね

677
00:58:12,576 --> 00:58:14,036
だが そんなことは...

678
00:58:16,121 --> 00:58:17,164
どうでもいい

679
00:58:17,289 --> 00:58:20,709
偽善者か? 誰が気にする?

680
00:58:20,834 --> 00:58:22,294
動機よりも

681
00:58:23,462 --> 00:58:24,838
結果が重要だ

682
00:58:25,923 --> 00:58:27,466
命が重要だ

683
00:58:27,591 --> 00:58:29,927
人間の可能性が重要だ

684
00:58:30,052 --> 00:58:32,054
正義が重要だ

685
00:58:32,179 --> 00:58:34,264
父が言ったように

686
00:58:34,389 --> 00:58:37,559
世界が公正なら
慈善は不要だろう

687
00:58:37,684 --> 00:58:41,438
だが公正じゃないから
支援を受けろ

688
00:58:42,022 --> 00:58:43,357
カネを受け取れ

689
00:58:44,608 --> 00:58:46,610
♪(“Desire”)~

690
01:00:48,649 --> 01:00:49,691
本当か?

691
01:00:58,116 --> 01:01:02,496
よし カメラを変えるそうだ

692
01:01:02,621 --> 01:01:06,083
俺は強い酒を飲んでくる

693
01:01:06,208 --> 01:01:07,292
それで...

694
01:01:08,377 --> 01:01:10,754
すぐ戻ってくるよ

695
01:01:15,759 --> 01:01:18,720
かっこよく映るレンズで撮ろう

696
01:01:15,759 --> 01:01:21,723
{\an8}室

697
01:01:18,846 --> 01:01:21,723
これだな そこに立って

698
01:01:22,224 --> 01:01:23,350
分かった

699
01:01:23,475 --> 01:01:25,602
細かく指示を出すよ

700
01:01:27,062 --> 01:01:28,730
手前の目にフォーカスを

701
01:01:29,731 --> 01:01:30,732
いいね

702
01:01:31,191 --> 01:01:32,526
寄らずにいこう

703
01:01:32,651 --> 01:01:33,652
ああ

704
01:01:33,777 --> 01:01:38,323
この狭さじゃ 撮りづらい

705
01:01:39,283 --> 01:01:40,784
よし 振り向いて

706
01:01:43,954 --> 01:01:47,749
さすがだ 自然な動きだね

707
01:01:48,917 --> 01:01:50,794
第3幕

708
01:01:51,670 --> 01:01:53,046
よし いいぞ

709
01:01:53,172 --> 01:01:54,840
「懺悔室」だ

710
01:01:59,136 --> 01:02:01,471
世界を救うための行いは

711
01:02:01,597 --> 01:02:06,059
奉仕なのか 義務なのか
正義の怒りなのか?

712
01:02:06,768 --> 01:02:09,563
それとも
中心にいたいという––

713
01:02:09,771 --> 01:02:13,901
子供じみた
願望にすぎないのか?

714
01:02:15,027 --> 01:02:17,029
注目されたいのか?

715
01:02:19,865 --> 01:02:21,491
そこで疑問だ

716
01:02:22,534 --> 01:02:26,496
親になっても
子供でいられるのか?

717
01:02:35,214 --> 01:02:37,174
大人になるよ

718
01:02:39,218 --> 01:02:40,844
失敗はできない

719
01:02:46,683 --> 01:02:52,523
人間の欲望と徳は
互いに影響し合う

720
01:02:52,648 --> 01:02:57,402
俺の妻ほど
心得てる人はいない

721
01:02:57,528 --> 01:02:59,404
“Desire”が1位を取ってね

722
01:02:59,530 --> 01:03:03,825
関係あるか分からないが
俺たちは興奮してた

723
01:03:03,951 --> 01:03:06,870
第1子を授かったんだ

724
01:03:09,498 --> 01:03:10,666
戸惑ったよ

725
01:03:10,791 --> 01:03:15,045
どうやって父親になるのか
分からなかった

726
01:03:15,170 --> 01:03:19,341
父親になれるのか どうかもね

727
01:03:19,466 --> 01:03:24,721
自分がいい息子だとは
思ってなかったからだ

728
01:03:27,933 --> 01:03:32,062
妻には信念があったと
最初に話したね

729
01:03:32,479 --> 01:03:38,443
この女性は俺の物語を
一緒に紡いできた人なんだ

730
01:03:40,362 --> 01:03:46,910
結婚して初めて
それぞれの実家を出た

731
01:03:47,244 --> 01:03:49,329
それほど若かった

732
01:03:49,955 --> 01:03:54,293
アイルランドの海岸にある
古い石の塔

733
01:03:55,043 --> 01:03:56,503
灯台に住んだ

734
01:03:58,422 --> 01:04:01,967
妻は魂を探られることを許す

735
01:04:02,092 --> 01:04:06,430
無防備な状態で
彼女のに行けばね

736
01:04:06,555 --> 01:04:11,685
ほぼ突破不可能な防御に
挑むチャンスが

737
01:04:11,810 --> 01:04:13,729
少しだけ生まれる

738
01:04:13,854 --> 01:04:16,481
跳ね橋を渡る唯一の方法だ

739
01:04:18,233 --> 01:04:21,695
結婚して2年弱の頃

740
01:04:22,196 --> 01:04:26,158
妻が長い時間をかけて

741
01:04:26,283 --> 01:04:31,914
心の内の広大な静寂へと
戻ってくのを感じた

742
01:04:33,165 --> 01:04:37,836
“あなたは家にいても
心ここにあらずね”と

743
01:04:37,961 --> 01:04:42,883
毎週 一緒に散歩してたが
物悲しさが漂ってた

744
01:04:43,842 --> 01:04:48,764
去るか とどまるか
波が決めかねてるようだ

745
01:04:49,181 --> 01:04:50,766
去るか とどまるか

746
01:04:51,725 --> 01:04:53,727
♪(“With Or
Without You”)~

747
01:05:04,279 --> 01:05:09,076
偉大になりたいと願うことは
利己的だと思われる

748
01:05:16,959 --> 01:05:20,587
誰に自分の価値を
証明したいんだ?

749
01:05:26,510 --> 01:05:28,804
アリは支えてくれた

750
01:05:31,640 --> 01:05:33,559
俺の本質を見てくれた

751
01:05:38,272 --> 01:05:39,773
何もなかった頃から

752
01:05:42,484 --> 01:05:44,403
無名だった頃から

753
01:05:45,571 --> 01:05:47,114
彼女は––

754
01:05:48,407 --> 01:05:49,992
俺を知ってた

755
01:05:53,203 --> 01:05:54,496
集中力だ

756
01:05:57,249 --> 01:05:59,376
偉大になるには––

757
01:06:01,295 --> 01:06:03,672
並外れた集中力が要る

758
01:06:06,049 --> 01:06:08,594
だが実は心の機能不全なんだ

759
01:06:10,304 --> 01:06:12,306
“脇目も振らず”じゃない

760
01:06:14,850 --> 01:06:19,062
自分のすぐ隣にいる人が見えず

761
01:06:19,813 --> 01:06:21,940
観客を求めるかも

762
01:06:24,401 --> 01:06:26,069
家族よりもね

763
01:06:29,406 --> 01:06:31,575
手放したくないのかも

764
01:06:34,203 --> 01:06:38,832
{\an8}すべてを与えてくれた
虚無感をね

765
01:07:03,148 --> 01:07:05,359
本の題名が
「サレンダー」なのは

766
01:07:05,484 --> 01:07:08,946
俺が学ぶ必要のある
言葉だからだ

767
01:07:09,404 --> 01:07:14,535
“”は抱えてる苦しみの
解毒剤になるが

768
01:07:16,203 --> 01:07:18,997
俺は持ち合わせてなかった

769
01:07:19,498 --> 01:07:27,256
変わったことや驚くことは?

770
01:07:33,971 --> 01:07:37,724
1999年のある日曜日

771
01:07:37,850 --> 01:07:42,479
父とソレント・ラウンジに
行った

772
01:07:42,604 --> 01:07:44,356
その時 初めて

773
01:07:45,899 --> 01:07:50,779
父の質問を逆手に取り
奇襲を仕掛けた

774
01:07:50,904 --> 01:07:52,281
不意を突いてね

775
01:07:54,157 --> 01:07:57,744
変わったことや
驚くことはあった?

776
01:08:02,332 --> 01:08:05,085
“が見つかった”

777
01:08:06,837 --> 01:08:11,717
“いわゆる出発ラウンジに
いるようなもんだ”

778
01:08:12,259 --> 01:08:15,345
“私のつまらない冗談に”

779
01:08:16,638 --> 01:08:19,099
“付き合わなくて
よくなるぞ”

780
01:08:26,689 --> 01:08:31,069
想像上の山から
巨大な岩が––

781
01:08:31,194 --> 01:08:34,323
頭に落ちてきた感覚だ

782
01:08:34,448 --> 01:08:39,912
もっと父を知る時間があると
思ってた

783
01:08:41,913 --> 01:08:44,041
ボブ・ヒューソンらしいよ

784
01:08:44,166 --> 01:08:46,210
やっと理解し始めて

785
01:08:46,335 --> 01:08:51,048
答えを得られるかもと思ったが
肩透かしだ

786
01:08:53,341 --> 01:08:55,636
ダブリンのボーモント病院...

787
01:08:57,386 --> 01:08:59,348
2001年の夏だ

788
01:08:59,473 --> 01:09:03,935
父が病院のベッドに
横たわってる

789
01:09:04,185 --> 01:09:07,356
今回 息ができないのは 父だ

790
01:09:07,814 --> 01:09:13,694
俺は床にマットレスを敷いて

791
01:09:13,819 --> 01:09:16,406
父の横で寝泊まりした

792
01:09:16,823 --> 01:09:18,158
父の息が...

793
01:09:19,535 --> 01:09:21,870
呼吸が浅くなってく

794
01:09:22,955 --> 01:09:24,581
胸に墓があるようだ

795
01:09:24,957 --> 01:09:26,625
父が名前を叫ぶ

796
01:09:26,875 --> 01:09:29,127
俺を呼んだのか

797
01:09:29,252 --> 01:09:32,339
兄を呼んだのかは分からない

798
01:09:32,464 --> 01:09:35,091
“ポール ノーマン ポール...”

799
01:09:35,216 --> 01:09:39,388
俺は飛び上がって
看護師を呼んだ

800
01:09:40,639 --> 01:09:43,975
“大丈夫ですか?”
看護師がささやく

801
01:09:44,100 --> 01:09:48,229
父のテノールは細く短くなり

802
01:09:48,354 --> 01:09:51,942
吐く息に苦しそうな音が混じる

803
01:09:52,067 --> 01:09:53,777
“帰らせてくれ”

804
01:09:53,902 --> 01:09:56,530
“ここはイヤだ
家に帰りたい”

805
01:09:56,655 --> 01:09:58,949
“家に帰りたいんだ”

806
01:09:59,074 --> 01:10:02,160
俺は大丈夫だと言った

807
01:10:02,661 --> 01:10:05,163
大丈夫だよ 大丈夫だよ

808
01:10:09,001 --> 01:10:10,169
大丈夫?

809
01:10:11,336 --> 01:10:12,337
聞いても

810
01:10:16,341 --> 01:10:17,593
静寂だ

811
01:10:18,343 --> 01:10:24,641
父の口元に
耳を近づけてみても

812
01:10:26,476 --> 01:10:27,728
音はしない

813
01:10:31,106 --> 01:10:34,735
静寂のあとに叫ぶ

814
01:10:35,777 --> 01:10:38,071
“ふざけるな!”

815
01:10:47,706 --> 01:10:51,210
完璧なまでに 不完全に

816
01:10:51,710 --> 01:10:54,254
父は俺から去った

817
01:10:54,379 --> 01:10:57,966
俺や夜勤の看護師に 父が––

818
01:10:58,091 --> 01:11:01,678
“ふざけるな”と言ったとは
思えない

819
01:11:02,387 --> 01:11:03,931
可能性はあるが

820
01:11:04,056 --> 01:11:06,850
だが こう思いたい

821
01:11:06,975 --> 01:11:11,730
父が人生で背負ってきた重荷に
向けたものだとね

822
01:11:11,855 --> 01:11:13,398
その重荷は...

823
01:11:16,985 --> 01:11:18,570
俺が継承した

824
01:11:19,696 --> 01:11:23,575
だが それをどうするかは
俺の選択だ

825
01:11:26,828 --> 01:11:28,705
優しさもあった

826
01:11:29,164 --> 01:11:33,293
父は夢を見れば
失望すると信じてた

827
01:11:33,418 --> 01:11:36,004
だからこそ 俺を––

828
01:11:37,005 --> 01:11:38,924
守りたかったんだ

829
01:11:41,635 --> 01:11:43,971
この瞬間に気づく

830
01:11:44,096 --> 01:11:47,474
父親が友達でもあることにね

831
01:11:47,599 --> 01:11:52,604
父親から友達になる道のりは

832
01:11:52,729 --> 01:11:58,026
すべての父親が歩むべき
唯一の旅路だ

833
01:11:58,151 --> 01:11:59,611
俺も含めてね

834
01:11:59,736 --> 01:12:04,783
他界したあと 父と友達に
なれた気もするが

835
01:12:04,908 --> 01:12:07,703
少し遅かったようだ

836
01:12:09,746 --> 01:12:15,586
父の視点でこの物語を見ると
頭が下がるよ

837
01:12:15,711 --> 01:12:17,337
父は妻を失い

838
01:12:17,671 --> 01:12:21,008
2人の子どもと残された

839
01:12:21,675 --> 01:12:24,761
1人は父を常に批判して

840
01:12:24,887 --> 01:12:27,514
銃を構え 襲いかかる勢いだ

841
01:12:27,639 --> 01:12:32,811
もう1人は 父の野望を実現し
超えようとする

842
01:12:32,936 --> 01:12:39,359
最後の数日 父は癌を受け入れ
“信仰を失った”と言った

843
01:12:39,651 --> 01:12:41,653
“だが お前は失うな”

844
01:12:41,778 --> 01:12:45,824
“お前の一番
興味深い部分だ”とも

845
01:12:47,701 --> 01:12:51,121
時は訪れた 俺はずっと...

846
01:12:51,246 --> 01:12:52,873
イェシュア

847
01:12:52,998 --> 01:12:58,670
握りしめてきた大切なものに
手を伸ばしたが

848
01:12:58,795 --> 01:13:00,214
イェシュア

849
01:13:00,339 --> 01:13:04,635
実在しなかった
人生で最も恐ろしい瞬間だった

850
01:13:06,470 --> 01:13:08,096
イェシュア

851
01:13:14,353 --> 01:13:16,355
♪(“Iris
(Hold Me Close)”)~

852
01:14:12,077 --> 01:14:14,079
♪(“Beautiful Day”)~

853
01:17:50,420 --> 01:17:55,384
俺には非常に
非科学的な理論がある

854
01:17:55,509 --> 01:18:02,349
大切な人を失うと
その人は何かを残してくれる

855
01:18:03,976 --> 01:18:05,060
贈り物だ

856
01:18:04,476 --> 01:18:08,564
{\an8}贈り物

857
01:18:13,485 --> 01:18:15,529
母を亡くした時...

858
01:18:19,074 --> 01:18:20,075
ああ

859
01:18:22,119 --> 01:18:27,916
君たちがいて
心の穴を埋めてくれた

860
01:18:28,041 --> 01:18:33,297
父を亡くした時は
声が変わり始めた気がした

861
01:18:33,422 --> 01:18:36,508
考えずにはいられなかった

862
01:18:36,633 --> 01:18:39,928
テノールだと思ってた
バリトンが––

863
01:18:41,305 --> 01:18:44,474
なぜか
真のテノールになったとね

864
01:18:44,933 --> 01:18:47,603
理由はさまざまある

865
01:18:48,061 --> 01:18:52,691
“許し”という言葉と
関係があるのかもしれない

866
01:18:53,525 --> 01:18:55,944
父を許したのか

867
01:18:56,069 --> 01:18:58,405
父が俺を許したのか

868
01:19:01,658 --> 01:19:06,705
人生に立ち向かう覚悟で
生まれてきた

869
01:19:07,206 --> 01:19:10,501
降伏は
俺にとって簡単ではない

870
01:19:10,626 --> 01:19:14,505
葛藤しながら
バンドメンバーや妻––

871
01:19:14,963 --> 01:19:20,761
そして創造主に 頭を下げてる

872
01:19:20,886 --> 01:19:23,722
信仰があるから希望を持ち

873
01:19:23,847 --> 01:19:26,600
希望があるから愛せる

874
01:19:26,725 --> 01:19:30,729
それを音楽で実践してるんだ

875
01:19:31,230 --> 01:19:34,942
{\an8}実の父に教わったよ

876
01:19:36,068 --> 01:19:41,532
{\an8}そして父の好きな曲に
悩まされ続けてる

877
01:19:42,241 --> 01:19:43,784
最近 気づいた

878
01:19:43,909 --> 01:19:49,456
その曲名が
地元のパブと同じ名前だとね

879
01:19:49,581 --> 01:19:51,917
ソレント・ラウンジ

880
01:19:53,961 --> 01:19:55,796
“Come Back to Sorrento”

881
01:19:56,839 --> 01:19:58,882
このメロディーだ

882
01:20:02,177 --> 01:20:05,347
俺も帰るよ

883
01:21:55,666 --> 01:22:02,047
ナポリ サン・カルロ劇場

884
01:22:02,172 --> 01:22:04,883
1 2 3 4...

885
01:22:05,008 --> 01:22:07,427
♪(“The Showman
(Little More Better)”)~

886
01:22:10,639 --> 01:22:17,271
ソレント湾

887
01:22:25,279 --> 01:22:32,286
{\an8}アイリスとボブ・
ヒュ—ソンに捧ぐ

888
01:22:33,453 --> 01:22:35,497
{\an8}次は何だっけ?

889
01:22:35,831 --> 01:22:37,624
{\an8}メロディ—は?

890
01:22:39,334 --> 01:22:41,295
続けよう よし

891
01:22:41,420 --> 01:22:43,505
1 2 3...

892
01:23:04,401 --> 01:23:06,153
{\an8}次のバ—ス

893
01:23:04,401 --> 01:23:06,695
「スト—リ—ズ・オブ・
サレンダ—」に基づく

894
01:23:06,820 --> 01:23:09,823
言葉と音楽 そして
遊び心のある夜・・・

895
01:23:58,038 --> 01:23:59,456
AからGへ

896
01:24:44,918 --> 01:24:46,879
{\an8}コ—ラスを続けて

897
01:25:45,395 --> 01:25:46,146
満足?

898
01:25:46,271 --> 01:25:47,105
もう一度

899
01:25:47,231 --> 01:25:48,273
そうか

900
01:25:48,649 --> 01:25:49,316
最高だ

901
01:25:49,441 --> 01:25:50,275
ああ

902
01:25:50,901 --> 01:25:52,903
日本語字幕 水野 知美

